awase
2026-01-19 22:33:00
8343文字
Public ナルサス
 

LOBBY ZERO

現パロ|R18|高校生のナルトとサスケ|ゲームを通じて知り合った2人が仲良くなったりオフパコしたり恋愛っぽくなったりする話しです
※サスケの家庭環境が悪いです
※サスケがパパ活しています
※モブ(パパ)×サスケの性描写を含みます
※モブサスの強姦を含む描写があります

荒野行動NARUTOコラボに感謝します





ドッカンドッカン地面が揺れるエンジン音に、バイクに取り付けられたスピーカーから流れるよくわからない男女ユニットのチャラそうな曲。
毎晩9時頃、騒がしいバイクと共に自宅前に現れる兄の友人たちは年齢も見た目も様々で、皆一様に社会生活を送っていくには難しそうな風貌をしている。
サスケは2階の自室でうるさいエンジン音を聞きながら、ため息をつきヘッドフォンを装着した。タブレットでゲームを起動し、耳にBGMが流れ込んでくるといくらか気が紛れる。

大学生の兄は、幼少期からの詰め込み教育が祟って絵に描いたようなグレ方をしている。もう放っておいてやればいいのに父はまだ兄に夢中で、怒鳴りつけたり機嫌を伺ったりしながらどうにか兄に〝正しい人生〟を送って欲しいと願っている。
サスケのこともたまには見てあげて、と母が言う。ああ、と上の空で父が返事をする。小声で交わされる大人たちの会話が聞こえることも、それが聞こえて傷つくオレのことも、この家の大人たちは関心がない。昔は過保護なほどに可愛がってくれていた兄も、高校生になって無口になったオレに飽きたのか、それとも単に眼中になくなったのか、同世代との夜遊びを始めてからは構ってこなくなった。

寂しい、が心を蝕む。
毎晩玄関で繰り広げられる兄と父の不毛な言い争いを聞いていると気持ちが沈む。
サスケはちゃんと父の満足しそうな高校に通って塾にも通って成績も良いのに、父は兄にしか興味がない。そういうのをハッキリ分からされる時どうしようもなく苦しくなる。
いらない子どもだったんだろうな、ほんとは兄さんだけでよかったんだろうな、避妊を間違えたから仕方なく産んだんだろうな。そんな憤りと悲しみと八つ当たりが胸の内に渦巻いて苦しい。
なかなかロードが進まないゲーム画面に舌打ちをしながらログインボタンを苛立ち任せにタップしていると、ようやっとホーム画面に辿り着きチャットボタンが光った。

『サスケ!』

ガサガサとした生活音を拾いながら明るい声がサスケの耳に届く。その瞬間ホッと息ができて、脳みその一部を圧迫していた不快感や苛立ちが消えてゆく。

「よう」
『今日ログイン早くね?』
「ああ、暇だったからな」
『マジで!? うれしー! 今日何時までいけんの?』

明るくハツラツとした声の持ち主は、このゲームを始めた初期の頃からずっとチームを組んでいるメンバーのひとりで、ナルトという。1年近く毎日ゲームを通じて会話をしていて、年齢も同じだ。住んでる場所は関東。親が死ぬほど金持ち。知っていることはそれだけで顔もわからないが、それだけで充分だった。それほどにナルトとの通話が人生の救いになっている。大袈裟かもしれないが、実家暮らしで高校生の、バイトすら禁止されているサスケにとって唯一の外の繋がりだった。


---


学校のホームルームが終了しザワザワと教室が賑わう中、サスケは自分の席から立ち上がらずにスマホを眺めていた。
学校でもクラスでも孤立しているから話す相手がいないし、下校時間すぐだと下駄箱が混んでいて鬱陶しい。あと、みんな仲良く喋りながら廊下を歩いているのに、自分だけぽつんと歩くのはなんとなく恥ずかしい気持ちになる。だから、逆に太々しい態度でホームルーム後もスマホを触ってみているのだ。自分が孤立してるわけでなく、程度の低い奴らとはつるむ気がないのだという態度を全面に出しておくことで心が守られる。
そうやってクラスの人間が教室から掃けていくのを待ちながら、サスケは昨日ゲーム内でナルトが装備していた新しいスキンを眺めていた。
今週新しいガチャが始まったばかりなのに、ナルトはもう全ての装備とスキンをコンプリートしてレベル上げも終わっていた。いくら課金をしても怒られないナルトの家庭環境が羨ましい。

(オレもこれ欲しいな)

ガチャ画面を眺めながら、性能や使用感のプレビューを触るほどに欲しくなってくる。しかも、チームメンバーに同じスキンを持つメンバーがいるとコラボ技も出せるという特別演出付きだ。

(オレがこれ持ってたら、ナルトの奴ビビるだろうな)

そんなことを想像する。通話越しに、サスケもこれ取ったの!?と喜ぶナルトの声を思い浮かべる。取ったからなんだという話しではあるが、そうしたら2人で遊ぶ時間も増えるし、コラボ技を出したらチーム内でもチヤホヤされるだろうし……
サスケはふうと息をつく。
落ち着け、と自分を宥める。
友達と遊びたいばかりに無茶をしたり、変な見栄を張りたがるのは自分のよくないところだ。
所詮ゲームの友だち。ゲームの中だけの関係のために、変なプライドを持つべきじゃない。
分かっているのにサスケの指はスムーズにメッセージアプリを起動する。検索バーに「ジジイ」と打ち込むとズラッとサラリーマンたちのアイコンが並ぶ。
なんとなく会った時の印象の良かった気がするアイコンをタップすると、前回はどうやら3ヶ月前に会っていたようだった。ずっと既読無視をしていたが、3ヶ月前の夜にプリペイドカードをオンラインギフトでもらってるから、多分そのときも課金がしたくてジジイ活(パパと呼ぶのも不愉快のため、サスケはそう呼んでいる)をしたのだと思う。
そういう自分が汚くて嫌いだからもうやらないと決めたのに。

しばし〝パパ〟とのメッセージ画面を眺める。
会ってご飯を食べれば手当が3万。それだけでいい。
サスケが男子高校生だからと男好きのサラリーマンたちはこぞって金を出したがる。こんな若くて美形の子がパパ活してることなんかないと大層喜ぶ。ジジイ活だろバカと内心見下しながらも、ナルトと同じゲームのスキンが欲しいから無心で飯を食う。それだけでいい。

(スキン取るのに2万かかるとして、銃器と車も取りたいし、レベルアップ用にもう一周くらい回したい。そしたらコラボ技もグレードアップするし……

どんどんと計算が跳ね上がる。3万では足りない。何人かとご飯に行けば稼げるだろうが、なるべく早くガチャを回して遊びたい。ナルトに披露して、すげー!と言われたい。
ごく、と喉が鳴る。もう絶対やらないと決めたけど、結局一発で稼ぐにはあれしかない。
サスケは画面をフリックし、決意が揺らぐ前に勢いだけで送信ボタンを押した。
『今日の夜、大人ありで15ください』
高いと言われるようなら売りたくない。いっそ断ってくれとしのごの言わずに払ってくれが複雑に絡み合う気持ちで画面を眺めていると、すぐに既読がついた。
『お金いるの? 20出すからもうちょっと返事ちょうだい』
指図すんな、と思いながらもサスケは了承した。塾がある日だから不審に思われず外出できるし、絶好の稼ぎ日和。男が指定してきた場所と時間にスタンプで返し、小さく息を吐き顔を上げる。

気づけば教室にはサスケだけになっていた。
大きな窓から差し込む夕陽と、運動部たちが球を打ったり蹴ったりしている音が校庭から聞こえてくる。
もうちょっと家庭環境がマシだったら、オレもあっち側だったかもしれないのに。
持ってくるだけで出さないし家でも一切開かない教科書が入った重たいリュックを肩にかけ、教室の窓から楽しげな人間たちを眺める。どこにいたってなにをしたって寂しいこの気持ちが、癒えるひと時など少しもない。そんな無性に孤独な気持ちが、サスケの胸にはいつも重く沈んでいる。


---



「なに食べたい? 高校生だから焼肉? ステーキとか行く?」
「洗浄する方がだるいから食わなくていい」

はっきり言い退けると、駅前で待ち合わせしていたサラリーマンが「そっか!」と白い歯を見せて笑う。
キモ、とげんなりした気持ちを抱えながら肩に回ってきた手を払いのけ睨みつけると、ホテル入るまで無理か、とまた笑っていたから不愉快だった。会社に搾取されてる身分のくせに男買って遊んでるとか、呑気すぎだろ。
こんな人間でも楽しそうに生きているのを見ると、自分の人生って一体なんなんだろうと思う。
横目に通り過ぎたトー横キッズを眺めながら、より一層その思いが強まる。
家出して地べたで知らない人間と飲んだり暴れたりするほどの思い切りはないし、多分そこに至るほど悪い環境にはいない。バイトをしなくても小遣いを貰えているし、ご飯は3食栄養バランスも完璧で、昼も母親の手作り弁当だ。サスケは今高校2年だが、作り忘れたから購買で買ってね、と母に言われたことは一度もない。

(オレはなにがこんなに不満なんだ……

ホテルこっち、と手を引かれふらふらと歩く。
スピード出世をした警視監の父と、元は同じ職場で警察官をやっていた母との間に生まれ、不自由なく育てられてきた。
歳の離れた兄はサスケが敵いようもないほど優秀だったが、それにやきもちをするのは中学でやめた。兄には兄の苦労があるし、ふたり兄弟なのだから補い合って生きていこうと思っていた。
しかし兄が非行に走り、それまで円滑に回っていた家庭があっという間に崩壊した。最初はサスケも家族の仲を取り持とうとしていたが、父は兄の背中を見つめるだけだった。この家族は兄が成立させていて、兄だけがこの家の歯車だったのだ。サスケはまざまざとそれを実感させられた。
その証拠に、サスケが家で不機嫌だろうと機嫌が良かろうとテストの点が良かろうと悪かろうと誰も興味を示さなくなった。母は「すごいね」と言うが、誰にも構ってもらえない次男を憐れんでいるように思えてかえってつらかった。

(拗ねてるだけなんだろうな、オレは)

ホテルに入り大人の男に抱きしめられ、なぜか安心する自分にほとほと嫌気がさす。誰かに心から愛されたいといつも思っている自分の幼さが恥ずかしい。
シャワーを浴び身体の中を洗い、嬉々としてサスケをベッドに引き込む男にバスローブを剥かれながら天井を眺める時間は虚無だった。尻の穴を触られながらペニスをしゃぶられるのも、無許可でアナル舐めをしてくるのも全てが苛立たしい。やめろ、と足で肩を押すとひっくり返され、バックの姿勢で執拗に尻の穴を舐められたサスケは悔しさで泣いた。20万、20万、と何度も唱え、オーロラに光るガチャ画面を想像することでアドレナリンを分泌した。
欲しいスキンと装備をコンプリートしたら、ナルトと一瞬にフィールドに入って遊びたい。写真を撮ったり共闘したりして、それをチームメンバーに自慢したい。サスケ金持っててすげえ、と言われたい。

「あっ……

意識を妄想の世界に飛ばしていると、突然押し当てられた熱に思わず声が漏れる。サスケはハッとしてベッドヘッドを確認する。ラブホテルに備えつけのコンドームがそのままになっていて、慌てて背後を振り返るとぬるぬると押し込まれる不快感に腹が攣りそうになった。

「オッサンてめぇ、ゴムつけろよ……っ」
「えー? 20でゴムありはないよ」
「クソ……っ、マジでふざけんな……っ」
「サスケくんは社会勉強しないと。ちょっと世間知らずすぎるかな?」
「キメェまじで……犯罪だろ」

吐き捨て、顔を伏せシーツを見つめる。あとはこいつが射精するまでの間耐えればいい。声も出してやらないし、ゴムをつけられなかった腹いせに吐息すら漏らしてやるものか。
唇を噛み締め揺さぶりに耐えていると、ばちんと尻を張られ身体が飛び上がる。思わず、あ、と高い声が漏れると、えぐるように前立腺を擦り上げられシーツに突っぱねていた腕がぶるぶると震えた。

「サスケくんさ……っ、そんな性格だと、おじさんしか寄ってこなくなっちゃうよ?」
「は? 説教っ、してんじゃねーよ……っ」
「学校でも浮いてるんじゃない? オレはお前らとは違うんですー、って、態度に出過ぎてるもん」

黙れ、と睨みつけたかったが、何度も同じ角度で擦られているとだんだんと腹の奥が疼く。前立腺を擦り上げられた不可抗力でペニスにも芯が入ってきて、それを片手でこすこすと触っていると男がサスケの腕を後ろに引っ張った。上体を反らし深々と挿入される形になったサスケは驚きのあまり声をあげ、しかし止まらないピストンに自然と声が跳ねるように漏れる。両腕を後ろに引かれながら打ちつけられる体勢は苦しいのに気持ちよさが這い上がってきて、サスケは悔しさにぎゅうと瞼を閉じた。

「あっあっ、あっ、く、そ……っ、変な体位、やめろ……っ」
「無理やりっぽくて興奮してんだろ、変態高校生」
「ちがう……ぅっ、オレはっ、仕方なく……っ、金のために……!」

髪を振り乱し叫んだところで、ガチャと扉が開かれる。
息が止まるほど驚き飛び上がると、見知らぬ男2人がそこに立っていた。硬直したのも束の間、すぐにこの男が呼んだのだと理解し怒りで震え上がった。

「すぐフロントでキーもらえた?」
「もらえたもらえた。こいつがサスケくん?」
「そうそ、この子が世間知らずのサスケくん」
「20万に釣られちゃったかー。20万って大卒の初任給だからな! おじさんとエッチして手に入る方がおかしいって思わないと」

ぐりぐりと頭を撫でられ顔を振って反らすと、男たちがベッドに乗り上がる。ふんと鼻を鳴らし、「別に参加してもいいが、ひとり20万だぞ」と睨みつけると、男たちが吹き出した。

「まあまあ、あんま威張るなって」
「ちんちん突っ込まれたまま凄むのカッコいいね〜」

風呂場に向かっていく男が、「男の子初めてだから楽しみだな〜」と笑う。本気で複数でやる気なんだと思うと身体の芯が恐怖で冷えたが、なんだかすべてが唐突で現実感がない。小刻みに震える唇を慰めるように舐め「ガキまわしてバカみてぇ」とようやっと絞り出すと、後ろから男に揺すられて膝が落ちる。気を抜くと唇だけでなく、体が恐怖で震えそうだった。

「念の為聞くけど、これ和姦だよね?」

男の一人が言う。
警視監の息子が、パパ活してたら男にマワされました、なんて警察に駆け込めるわけがない。
サスケは頷くことも首を横に振ることもできなかった。




「ホテル宿泊に変えといたから、元気出たら帰りなね」
「じゃおつかれー。ちゃんと真面目に働けよ高校生!」

ぺちぺちと頬を叩かれたサスケは呆然とベッドに転がっていた。
重い扉がオートで閉まり、ロックのかかった音が聞こえる。サスケ以外がいなくなった広い部屋の真ん中で、暖房の生ぬるい風を浴びていた。
体中べたべたで気持ち悪い。身体の中も口の中もまだ摩擦でじんじんとしていて、いろいろかけられた髪もくさい。
サスケはむくりと起き上がり、ベッドや床に散らばった現金を無心で拾った。プレイに金額をつけられ20万円分頑張った。つまり、引きの視点で見ればこれも立派な労働だ。強姦ではない。金もらえてるし、全然ノーダメ。
くしゃくしゃになった万札を拾って伸ばしながら金を数える。ん?と思って数え直す。後ろから数えてもひっくり返して数えても18枚しかない。2万円札ってのがあったんだっけ、と現実逃避をしながら、よくよく確認しても18万円分しか手元にない。重たい身体を起こしベッドの下やソファの下、洗面所まで探しに行き、とうとう見当たらなかったところで深く息を吐いた。

(まあ、最初は15万のつもりだったし。むしろプラスか)

湯船に湯を張り、入浴剤を湯に放り込みその色が広がるのを眺める。呆然と眺めていると先ほどの出来事が思い出された。何度も開かれた股関節が痛いし、引っ叩かれまくった尻もまだ熱い。でも、プラマイプラスだから大丈夫。
どぼどぼと湯を吐き出す蛇口を眺め浴室があったまってくると、そういえば自分の体が冷えていたことに気づいた。暖房も結構暑くて男たちは汗だくだったのに体の芯から冷たい。怖かったな、と素直に自覚すればいきなり涙が溢れてきて、サスケは力の限り洗面所の壁を殴りつけた。
求められることをこなしたのに、わざと2万をケチって自尊心を傷つけられた。これこそが自分の人生そのもののような気がして、サスケは洗面所に突っ伏し声を殺して泣いた。
100%頑張ってるつもりだけど、60%くらいしか返ってこない。そういうナメられた人生を17年間送ってる。
テストで100点を取ったから褒められたいのに、父は目の前で褒められるのを期待するサスケではなく、台所でコーヒーを飲む兄を見つめている。そういう不足感が積み重なって毎日毎日心に重石があるみたいで、どうしようもなく苦しい。
家族に対してどこか見下した雰囲気を出す兄に気を遣って両親は生きていて、サスケだけがどうにか家族を取り持とうとピエロをやって、やがてそれをやめても誰も何も言わなかった。
どうしたの、なにかあったの、って聞かれたかっただけなのに。

ソファに置いたリュックからスマホの通知音が聞こえ、サスケは涙を拭って顔を上げた。
今が何時かわからないが、塾の終わり頃になっているなら帰らなきゃいけない。母親が心配をして連絡をしてきたのかと思ってリュックからスマホを取り出すと、画面に表示されていたのはゲームの通知だった。

『どしたの? 今日ログインしない?』

ゲームの個人チャットから送られてきているメッセージだった。ナルトのアイコンが表示されている。

『なんかあった?』

タイムログはたった今、ロック画面に浮上した文字列に再び涙が込み上げてくる。
オレのことを心配するのはゲームでしか喋ったことのないこいつだけ。
そんな虚しいことはないのに嬉しくて仕方なくて、サスケはスマホを片手にベッドに乗り上がった。いろんな汁で濡れたシーツに毛布を敷き事なきを得てから、そこに寝転がりスマホでゲームにログインした。

ログインをするとチームのチャットは既に活発に動いていた。フレンド欄からナルトの名前を探し出し、ボイスチャットを起動する。しばらくしてナルトが応答し、いつも通りあまり音質の良くないマイクが生活音とナルトの声を拾っている。

……ナルト」
『おつかれー。てか、声暗くね? 風邪?』
「今どこにいる」
『家。えなに!? まさか東京いる!?』

ナルトの声が浮かれる。その反応から、ナルトが所謂オフ会というやつに抵抗がないことを察していた。もし近くにいたら会える、というニュアンスを含んだ応答に、サスケはかき集めた現金を握りしめる。

最初からこうすればよかったんだ。同じゲームのスキンに課金するんじゃなくて、最初からナルトに会いに行けばよかった。

「いや地元」
『なんだよ、期待させんなよなー』
「今からそっち行くから会わないか」
『今から!?』

着くの何時だよ、とナルトがぼやく。サスケはスマホの時刻を確認し、「朝9時」と返す。
今からシャワーを浴びて一番遅い便の夜行バスに乗って10時間。改めて自分はとんでもない田舎に住んでるものだと思う。しかし、始発の新幹線を待ちたくない。今すぐにここから逃げ出したかった。

『9時ね! 着くの新宿? 東京駅?』
「バスタってとこに着く」
『オッケー! じゃ9時にそっち行くからよ、間違えて横浜とかで降りんなよ!』
「わかった」

通話を終えゲームを閉じると母親からメッセージが入る。遅くなるなら迎え行こうか? というメッセージだ。
17歳の息子の塾の送迎をしようとする優しい母を持つのに、自分という人間は塾をサボって男に体を売って18万を得た。そしてこのメッセージには返さずにこのまま東京に行こうとしている。
ごめんという気持ちと、こうなるまで放っておいたのはあんたらだろという怒りが余裕のない心のなかで競り合う。
サスケはべたべたした身体を洗い流すべくシャワールームに向かった。18万円あれば、3ヶ月くらいは東京に住めるのかな。
鏡に映る自分と見つめ合い、サスケは口を開けて鏡を覗き込む。薄い舌と柔らかい口の中が気持ちいいと男たちは言っていた。ナルトは金持ちらしいから、最悪これで金をもらうという手もあるか。
そんなことを考えてまだ見ぬナルトの姿を想像する。想像通りの明るくて朗らかな男なのか、それとも目先の快楽をチラつかせれば揺れる男なのか。どちらでもいいが、前者ならサスケは救われ、後者ならみんなこんなものなのだと安心できる。だから、後者であってほしい。自分がいる世界が特別腐っているわけではなく、みな一様に汚いのだと証明してほしい。








end.


続きます