ortensia
2026-01-19 00:59:28
404文字
Public 傭リ
 

謎時空の傭リ。


 ナワーブがジャックに好きだと言った時、ジャックは分かりませんと言った。ナワーブは困ったが、ジャックの顔も困っていたので、問いただすようなことはしなかった。やがてジャックが言った。
「わたしはわたしのことが好きな人は好きです。」
 それはナワーブにも分かる。けれどナワーブの今言ったことは、それを少し超えた話だった。ジャックにもそれはなんとなく分かったから、好きだと言ったナワーブのことを直ぐに好きだと返さなかった。
「じゃあちょっと考えてみろよ。」
 ナワーブは提案した。
「おれに好かれたいかを。」
 そしたら、もし好かれたいと思うなら、それはジャックのほうからナワーブを好きだということだ。受け身じゃなくて、自ら。
 ナワーブの提案に、ジャックは考えた。そしてこう告げた。
「おまえ、わたしのこと好きになってもいいですよ。」
 謎に高慢な態度で。
 それで傭兵は、もうなってるんだって、と笑った。


—————————————————————
いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。