ナワーブがジャックに好きだと言った時、ジャックは分かりませんと言った。ナワーブは困ったが、ジャックの顔も困っていたので、問いただすようなことはしなかった。やがてジャックが言った。
「わたしはわたしのことが好きな人は好きです。」
それはナワーブにも分かる。けれどナワーブの今言ったことは、それを少し超えた話だった。ジャックにもそれはなんとなく分かったから、好きだと言ったナワーブのことを直ぐに好きだと返さなかった。
「じゃあちょっと考えてみろよ。」
ナワーブは提案した。
「おれに好かれたいかを。」
そしたら、もし好かれたいと思うなら、それはジャックのほうからナワーブを好きだということだ。受け身じゃなくて、自ら。
ナワーブの提案に、ジャックは考えた。そしてこう告げた。
「おまえ、わたしのこと好きになってもいいですよ。」
謎に高慢な態度で。
それで傭兵は、もうなってるんだって、と笑った。
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