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Adaps_A
2026-01-19 00:28:28
1063文字
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温度差兄弟のはなし
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ディープブルーが光を気に入らないはなし
「よォ」
声をかけた瞬間、絶妙に嫌な顔をされる。
それはお互い様なので、まあ、いったん横に置こう。
ともかく、今日の用事はそれじゃない。
「弟が世話ンなったな」
「本当に」
その辺で買った適当なエナドリを投げてやれば、渋々といったように受け取る。
なんだかんだお人好しで、こいつにはきっと嫌いな人間なんてモンは存在しないんだろうと思った。
それだけ、こいつを嫌いなヤツがたくさんいればいい。
そうでなければ、バランスが悪い。
「オカゲサマで、弟が元気になったモンでな」
「ちゃんと言っといてよ」
「そらもう、耳にタコができるほど」
「ならいい」
カシュ、と音を立てて、プルタブが起こされる。
こいつのこういうところは嫌いだが、言っていることは最もだ。
誰かに知られても、困るものだ。
「
……
それで? まさかそれだけとは言わないよね」
見透かすように見つめられる。
生身の統一王者サマをどうにも好きになれないのは、やっぱりこういうところなんだろう。
「メテムが、グッズ周りの話あるってよ」
「そう」
エナドリを一気に飲み干し、放る。
缶は操られたようにするりとゴミ箱へ入り込み、彼はひらひらと手を振った。
瞬きの内に消えた彼を見送って、ひとつ息を吐く。
あいつのことは嫌いだ。
良い人ぶっているが、その内は何を考えているか解らない。
これが本当に良いヤツだったなら、まだよかったのに。
弟から話を聞いて驚いた。
何故、そんなことを知っているのか、と。
そりゃあ、まあ、感謝がないとは言えない。
アルカディアの抱える様々な問題を、一気に解決してくれたのがアイツというのは確かだ。
でも。だが。しかし。それにしたって。
「あァ~、そうか
……
」
しゃがみこんで頭を抱えて、ようやく理解した。
なんというか、完璧すぎるのだ。
いわゆるところの「デウス・エクス・マキナ」というやつ。
なんだか、ストンと腑に落ちた。
オレたちにとって、アイツは都合がよすぎる。
それがどうにも気に入らなかった。
「兄者」
背後から、弟の声がする。
弟は律儀にしゃがみ込んで、顔を覗き込んできた。
「何をしている」
「な~んも」
どうにもならないことを悩むのは、やめておこう。
アイツはこっちが何を思おうが、何をしようが、どうにもならないし、変わることもない。
だからまあ、うっすら嫌いなままでいよう。
そうしたらきっと、アイツを頼ることもなくなる。
この世に万能の力などないように、アイツも万能なんかではないのだ。
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