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-鳳梨邸-
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RS2R
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【RS2R夢】3.交流会
RS2R最終皇帝男夢。夢主視点&最終皇帝男視点。
夢主と終帝男女は名前変換可。変換しないとデフォルト名になります。
レオンハルト
レオノーラ
レオノーラ
レイ
レオノーラ
レイ
レイ
レオノーラ
レイ
レイ
レオノーラ
レイ
レオンハルト
レオノーラ
レオノーラ
レオノーラ
レイ
レオノーラ
レオノーラ
レオノーラ
レオノーラ
レイ
レオンハルト
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
レオノーラ
レオノーラ
レイ
レオノーラ
レオノーラ
レイ
レイ
交流会を目前に迎えたある日のこと。
レオンハルト
は大学で講義を終え、家で交流会に向けてダンスの練習を妹
レオノーラ
とこなし、今は二人向かい合う形でソファに座り小休憩を取っていた。
お茶を淹れてくれたメイドが下がると、自然と大学の話になった。最近の話題は、術法研究所の冥術部門の話だ。そこにある理力計が壊れたのである。
「壊れるものなの?」
レオノーラ
の意見も分かる。術法もなくただ力そのものを通すだけの機器がそう簡単に壊れるのなら、通常の武具など常に壊れまくっているはずだ。
「見てきたが現に壊れていたぞ」
まるで内側から破裂したかのような壊れ方だった。それを見た陛下と術法研究所研究員が頭を抱えそうなほど苦い顔をしていたのが気になったが。
陛下は小さい声であったが「またやらかしたな
…
」と仰っていた。まさか、
レイ
殿が関わっているのだろうか。
・・・・・
理力計が壊れた話から数日後。アバロン宮殿の広間で、交流会は行われた。
この日を待ち遠しく思っていたが、来るとなるとすぐに時間は過ぎ行くものだ。
レオノーラ
をエスコートし、広間へと入場する。皇帝陛下主催の交流会では、陛下とそのパートナー以外は入場時に名前を呼ばれることはない。それでも我々が入ると広間の視線が向かってくる。慣れたものだが、あまり慣れたい部類のものではない。
「ジュウベイ皇帝陛下、
レイ
様、ご入場!」
文官が入場を通る声で伝達する。
広間の扉が開き、ジュウベイ皇帝陛下と、その隣にいる
レイ
殿が広間へと入場してきた。拍手がわっと巻き起こる。
陛下はヤウダ式の礼服をお召しになるのかと思ったが、バレンヌ式の礼服であった。黒地が主で、陛下の戦衣装に使用されている紅色をアクセントに入れた礼服を着こなしていらっしゃる。髪は普段のように結い上げてはいるが、使用されている髪留めはヤウダのものではなく、バレンヌ式の礼服に合わせた飾りだった。
周りを軽く見回すと、そんな陛下のお姿に女性陣が見入っているのが分かる。
レオノーラ
もその一人だ。
陛下にエスコートされて来た
レイ
殿の目を隠すヴェールの色はいつもの黒レースではなく、ドレスに合わせた色に花柄を模した布になっている。長く艶のある黒髪は編み込みのハーフアップで、編み込みの部分にドレスと同じ色の花が咲いていた。
大学では制服姿しか見たことがなく、あと見たことがある姿といえば詩人をしていた頃の旅人の衣装くらいだから、ドレス姿は新鮮だ。
演奏が奏でられ、陛下と
レイ
殿のダンスが始まった。お二人はヤウダ出身でバレンヌ式の社交ダンスに慣れていないだろうに、それに倣って踊ってくださっている。
踊りきったお二人に、拍手が湧いた。
陛下のエスコートで、人を縫って演壇の方へと歩く彼女は顔を隠していて表情が分からないのに、その姿形が美しい。
…
彼女とすれ違う男の目が、彼女の胸に向くのはだいぶ不快だが。
給仕から酒の入ったグラスを受け取ると、演壇へと陛下が上がり、陛下が話し始めた。
「此度、先帝マグノリア帝より継承したジュウベイと申す。国と人々の未来、私が引き受ける!」
入場を伝えた文官の時もそうだったが、風術で広間全体に声が届くようにしているため、よく声が通る。
「帝国のために!」
「帝国のために!!」
陛下のお言葉に合わせて、広間の全員がグラスを掲げた。
グラスを飲み干し、給仕に空のグラスを預け、
レオノーラ
と共に陛下へ挨拶に向かう。我々が行かないことには、他のアバロンの者が挨拶に伺えない。
各地域の長が我々より早く陛下へ挨拶に行く中には、見知った顔もあった。
カンバーランドの王族達だ。現王であるトーマ王、その兄姉であるバランタインとマチルダだ。
バランタインとマチルダは我々と歳が近く、幼い頃は勉学を共にした、幼馴染のようなものだ。
彼らと目が合うと、彼らはこちらに目礼をした。陛下にまだ挨拶出来ていないので、彼らとの挨拶はその後だ。
陛下への挨拶のタイミングを伺う。すると、
レイ
殿の気配が感じにくくなった。陛下の隣にいるのに、いないような。
「
レオンハルト
殿、
レオノーラ
殿。よく来てくれた」
レオノーラ
と共にお辞儀にて敬意を表す。ちらっと横目で陛下の隣を見るも、そこには誰もいなかった。
正確には、気配は僅かに感じられるが当人はいない。気配だけ置く術なのだろうか、陛下も何も言わない。前もって去ることをご存じだったのか。
「お会い出来て嬉しく存じます」
「陛下のお言葉、しかとお受け取りいたしました」
平静を保って、
レオノーラ
に続き陛下に言葉を返した。
「有難い言葉だ。今宵は楽しんで行ってくれ」
「ありがとうございます」
一通り挨拶は終えた。
レイ
殿は何処だろうかと周りを見ると、女性ばかりに囲まれていることに気がついた。
その中に彼女は絶対にいない。そこから目線を外すと、廊下へと繋ぐ扉が僅かに開き、そこを濡羽色が通るのが見えた。
レオノーラ
が肘で私の腰辺りを小突いた。目線で、いいから行けと言われた。陛下と踊りたがっていたのは知っている。確かに私がいるとそれが叶わないだろう。その場を離れた。
「陛下。今宵は可憐な華が沢山咲いてらっしゃるようですわね」
暗に、陛下と踊りたがっている女性がこんなに居ますよと
レオノーラ
は告げた。
「
…
そうだな」
陛下の表情は見えなかったが、声は僅かに揺らいでいたように聞こえた。女性に囲まれることに慣れてらっしゃらないようだ。
「今、私の目の前にある麗しい華を手に取っても構わぬだろうか」
ちらっと横目で二人の様子を見ると、陛下は
レオノーラ
に手を差し出していた。
「喜んでお受けいたします」
背中に
レオノーラ
の声を聞き安心しながらも、
レイ
殿の姿を追った。
「
レオンハルト
様、ご機嫌麗しゅう。どうですかな、我が娘と
…
」
アバロン貴族の中でも高位貴族にあたる年配の男性が娘を連れて話しかけて来たが、今はそれどころではない。
「すまないが失礼する」
彼らを視界に入れず、扉へと足早に向かった。
・・・・・
レイ
殿は気配を自在に動かしている。霧隠れという姿を消す水術の応用なのだろう。
霧隠れなら私も使える。彼女程隠れられはしないが、すれ違う招待客を誤魔化すくらいなら問題ない。
術を発動する。これで周りに煩わされることはなくなった。さあ、
レイ
殿はどこに向かっているのだろうか。
広間を出てから訓練場を横目に通り過ぎ、そのまま外に出るかと思ったのだが彼女は玉座の間へと続く階段を上がっていった。
玉座の間を通り過ぎたら、この先は階段を上がって陛下の寝室とバルコニーしかない。普段から一部の者には解放されている場所とは言え、入るのに少し抵抗を覚える。
自分の中の抵抗を押し込んで先に進むと、バルコニーへの扉が開いた音がした。追いかけた扉の先に見えたのは、
レイ
殿がバルコニーの手すりを飛び越えようとしている姿だった。
待て。そのまま落ちるつもりか!?
視界に入ったのは
レイ
殿の姿だけではなく、バルコニーの手すりの角
…
石と石とのほんの隙間に引っかかっていた、翻ったドレスの裾。
間に合うだろうか。行儀が悪いが、
レイ
殿の元へと走り寄った。
「危ないぞ!」
「!」
落ちないよう、支えるようにしてレイ殿の腰に手を回す。その腰の細さに驚いた。邪念を消して、彼女を引き寄せる。
「ドレスの裾が引っかかっている」
ドレスの裾に触れるわけにもいかないので、指先で指し示した。
「わ
…
危なかった、ありがとうございます」
レイ
殿はバルコニーの手すりに座った状態で、引っかかった裾を手すりの隙間から外す。
「
…
」
さてどうしようか。
レイ
殿の腰に回した手を外してしまったら、彼女が消えてしまいそうな気がして手が動かなかった。とは言え話をするにも、どう切り出したものか。
考えていたらダンス曲の音合わせが聞こえた。ここまで届くのだな。
「あの」
腰に回された私の手が気になるのだろう、
レイ
殿の声を遮って、気づけばこう声を掛けていた。
「
…
一曲お願い出来ないだろうか」
「えっ?」
素っ頓狂な声を上げつつも、話を聞いてくれる気はあるらしい。手すりの外に向けていた身体をこちらへと向けようとしたので、
レイ
殿の腰から手を離した。
「誰とも踊らない訳には行かないが、大勢に見られるのも困るんだ。ここなら誰にも見えないだろう」
本当ではあるが、言い訳がましく聞こえるだろうか。
レイ
殿は唇の端に人差し指をあてて思案していた。結論が出たようで、手すりからすっと下りてこちらを見上げた。
「助けて貰ったお礼ということで、一曲お受けします」
「助かる」
左手を差し出すと、
レイ
殿がそれに右手を重ねた。彼女の左肩甲骨に手を添えると、私の右腕に彼女の左手がそっと置かれた。
曲に合わせてステップを踏む。先程陛下とのダンスを見て思ったが、陛下は
レイ
殿を支える時完全に支えきれていなかった。
ヤウダではアバロンほど人と触れ合うことは少ないと聞いている。故に陛下は
レイ
殿に触れるのを最小限にしたかったのだろう。それに、
レイ
殿も陛下に完全に委ねようとはしていなかった。
だからこそお二人のダンスは、見た目には踊れているように見えても、ぎこちなさは隠せていなかった。私としてはしっかりと支えて踊っているつもりだが、彼女から見てどうだろうか。体感では問題ないように思えるが、彼女の表情を窺えないので、判らない。
ああ、でも。気分がとても良い。
相手が違うだけでこうも違うものなのか。
「ありがとう」
踊り終えて離れたその距離に寂しさを覚える。一歩、距離を詰めて礼を言いながら手を差し出した。
そうしたら、彼女も手を伸ばし重ねてくれた。その手の向きからして握手だと思われたらしい。
彼女の手の甲が上になるように直し、少し屈んで口元に寄せた。
「
…
!」
彼女が少しだけ強張ったのが分かった。
慣れていないのだろうなと思うと同時、こうするのは自分だけでありたいとも思う。この執着にも似た気持ちはどう言い表したものか。
唇を離し、重ねた手を名残惜しくゆっくりと離す。
「よい夜を」
「
…
はい、よい夜を」
屈んだ身体を起こし、姿勢を正した時には、すでに
レイ
殿の姿はなかった。
・・・・・
バルコニーから広間へ戻ると、
レオノーラ
がそうと分からないくらいの疲れた顔で壁の花と化していた。
ダンスに誘ってくる男が思いのほか多かったようで、その対応に苦労したとかなり包んだ表現で言われた。
「それで?彼女とは踊ったりした?」
「ああ」
レオノーラ
のその質問に満足して答えたが、次の問いには同じように答えられなかった。
「顔は見られた?ちゃんとお話出来たの?」
「それは叶わなかった」
レイ
殿がダンスを受けてくれた時、踊っていた時、手の甲に口づけをした時。それぞれどんな顔をしていたのだろう。それに、会話らしい会話もしていない。声は聞けたが。
「それは、残念ね」
「踊れただけでも十分だ」
今はそう思う事にする。今までが話せなさすぎて、今日で供給出来た気分ではあるが、果たして次にこのような機会があるだろうか。
「
…
普通、順番が逆よね
…
」
レオノーラ
が何か言ったが聞き取れなかった。
「何か言ったか」
「いいえ?また会えたらいいわね」
握った左手の拳を身体の正面に置くと、私の左腕に
レオノーラ
が手をかけた。
ここからは王族の責務だ。
まずは、カンバーランドの王族達の元へと歩み寄った。
・・・・・
レイ
は、バルコニーから今度はドレスが引っかからないように風術で降りた後、霧隠れの術で宮殿へ戻り、明日まで与えられた客間でソファに座って本を読みながら時間を潰していた。
交流会に私が出る意味はあまりない。誰と何をしても角が立つならさっさと去るに限る。兄さんは少しだけ眉を寄せたが
…
大学であった事を知っているのだろう、私の意を汲んでくれた。
客間の扉がノックの音を立てた。扉越しに掛けられた声が兄さんだったので、部屋の鍵を開けて兄さんを迎え入れた。
「兄さん、お疲れ様」
「ああ。あの後どうしていたのだ?」
兄さんとはここで待ち合わせをしていた。早めにしておきたい話があるからだ。
話しながらお互い向かい合ってソファに座る。
「バルコニーで一人誘われて踊った」
「
…
誰だその男は」
兄さんの声のトーンが落ちた。言わない方が良かっただろうか。
「名前聞いてない」
特徴を思い出そうとするも、ヴェールで彼の顔も見えなかったので見た目はさっぱりだ。魔力の流れで見えた彼の身長は兄さんと同じくらいだけど、彼の方が体格が良さそうである。誘われて踊った際、しっかりと支えてくれて踊りやすかったのだ。
そういえば彼は何でバルコニーに来たのだろう。私と同じでパーティが億劫だったのかな。あ、バルコニーで引き留められた時の声を思い出した。
「あぁ、声は低めで素敵な響きしてた」
歌ったら聴いた女性が即惚れるんじゃないかと思うくらいには魅惑的な低音の声だった。
低い声は厳しさや緊張感を伴いがちだが、そういったものがあまり感じられなかった。うん、良い声の人。
「何かされたか?」
何かとは。兄さんそんな心配しなくても。
「挨拶くらい」
手の甲への口づけは驚いたが、あれは確か挨拶の一種だったはず。
「そうか、なら良い」
そんな、一応お固く育っているので初対面の人といきなりランデブーしないって。
そうだ。兄さんに伝えなきゃ。
「
…
兄さん。ちょっとだけアバロンから離れるね」
「何をするつもりだ」
「金稼ぎ」
「
…
理力計のことか
…
」
兄さんは眉間に皺を寄せ、頭を抱えた。
術法研究所に置いてある理力計、壊した犯人は私です。ごめんなさい。
アバロンの大学生は入学時に理力計で魔力と理力を測定するのだが、私は入学時期が通常の人よりズレていたので後回しにされていた。
私の魔力と理力が高いのは分かりきっていたし、属性の適性も全属性扱える私が行う意味もあまりなかったという意味もある。
兄さんと共に術法研究所に寄る機会があり、測定してみようという話になったのだが、何となく結果が見えるなという予感はあったので、その時点でやめておけば良かったのだが好奇心が勝ってしまった。
知りたいよね?自分の魔力と理力がどれだけあるのか。
軽く、本当に軽く力を流しただけだった。指先に、ほんの軽く、ちょこっとだけ。
…
壊れました。あっけなく。機械がショートしたみたいな感じで煙を上げた後、ぼん!と爆発した。
ちなみにメーターは魔力、理力、属性全てが限界値を振り切ったまま止まっていた。
「気にしなくて良いのだぞ
…
」
「兄さんのその顔を見て気にしない、は無理だよ
…
」
あの時の兄さんと宮廷魔術師の二人、術法研究所研究員、フリーメイジの二人、陰陽師の表情を思い出してしまった。
私の魔力と理力を測定する際、彼らも見に来ていたのだ。どれくらい高いのか見てみたかったらしい。
あり得ないものを見るかのような顔から、絶望へと変わる瞬間は今思い出しても心が痛い。
大事なことなので二回言います、ごめんなさい。
幸いにも作り直すことは出来るが、使用する素材がえらく高価なものであり、最低でも百万クラウンは必要だと聞いて資金を貯めることを決めた。
「止めないの?」
「止めても聞かないであろう?所在が分かればよい。移動する時は連絡を入れるようにせよ」
「ありがとう。お休み、兄さん」
「ああ。お休み、
レイ
」
扉まで兄さんを見送り、伸びを一つ。
交流会、兄さん以外と踊るとは思ってもみなかったな。パーティが億劫な者同士がパーティ外で一緒にダンスとか、何それおかしい。
でも、不思議と嫌な感じはしなかった。
「
…
あの場から去ったのは
…
まさか、な
…
」
扉を閉じてから兄さんがぶつぶつ何か呟いていたが、扉越しのためよく聞き取れなかった。
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