2026-01-18 17:31:28
1130文字
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marshmallow

ヒュビビ6作目
もみもみ

「甘いな
「そう言うと思って、渋めのお紅茶も用意しておきました」
「蒸らしすぎたわけではないだろうな?」
「もう、失礼ですね」
 じゃれるように会話する二人は、甘やかな朝の時間を存分に享受していた。ヒューゴの手元にあるのは、マシュマロトースト。先日、ビビアンがリリカの家のバーベキューパーティーにお呼ばれした際に余ったものを使っているらしい。
「使っているお砂糖が良いものみたいで、1袋で結構なお値段らしいのです」ビビアンは袋を見せる。ヒューゴはそこから一つ取り出して、口に入れた。
。やっぱり甘い。」
「マシュマロですから」
「特段違いが分からんな」
「普段から良いものばかり食べているから舌が肥えているのです」
「どうだか」ヒューゴはカップを手に取る。香りの良い紅茶だ。出会った当初に比べて、彼女は紅茶を淹れるのがとても上手くなった。
「リリカといえば、この前二人でルミナスクエアでショッピングしていた時に、デュイのおじさまに声をかけられたのです」
「ああ、あのコーヒーショップの前の?」
「ええ。ハンドマッサージのモニターになってくれないかと言われて。パエトーン様も常連のお店ですし、怪しくないと考えて、二人で参加してみたのです」
 ビビアンは、思い出すように自分の手を動かし、見つめながら続けた。
「最初はくすぐったさが強かったのですが、段々身体がぽかぽかしてきて、とてもリラックスできたのです。」
「そんなに良かったのか」
「ヒューゴ、ちょっと手貸してください」
「ん?」
 ビビアンは、ヒューゴの左手をとって、その上で指をすべらせ始めた。
「確かこんな感じ?で。痛くないですか?」
。痛くはない」ただ、とんでもなくくすぐったい。手のひらも、心も。
「この辺り、肩こり解消のツボが」ビビアンは、真剣な表情でヒューゴの手をツボ押しもとい撫でていた。柔らかく細い指がヒューゴの手の上で踊る、踊る。
「私と手の大きさが違いすぎて、よくわかりませんね
 天然なのか、それともわざとなのか。朝から煽られてたまらない。
ビビ」
「え?」
 ビビアンが顔を上げると、赤と灰の瞳がこちらを真っ直ぐに見据えていた。その空気感に、ビビアンは思わずひく、と呼吸を止める。いまがした何をしていたのか思い返して、煽ったのは自分なのだから、これはもう甘んじて受け入れるしかない、と目をつぶる。くちびるに柔らかいものが触れた。

……。甘い?」

 目を開けると、ビビアンのくちびるには、マシュマロが押し当てられていた。ヒューゴは、楽し気に目を細め、悪そうに笑って、それをひょいと口に放り込む。

俺には少々甘すぎたな。ご馳走様」