三毛田
2026-01-17 19:33:12
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40 り. リアリストの夢

40日目
俺には何も響かないが

……
 あくびが出そうだ。というか、実際に出た。
「こら」
 隣から肘で小突かれたけれど、仕方ないだろう。
「リアリストの話って、案外つまらないな」
「穹」
 講義が終わり、思わずそんな言葉が出て。
 丹恒にたしなめられたけれど、事実だから仕方ないじゃん。
「だって」
「さっきの教授の前では、そんなことを言うな。変に絡まれる」
「はーい」
 夢だけでは生きていけないのは確かだけど、現実だけを見ていても生きられない。というか、苦しくて大変じゃなかろうか。
「ま、生き方は人それぞれだからいいんじゃない?」
「はあ」
 呆れたようにため息をつかれた。
「ご飯、行こう」
「仕方ない。行こうか」
 丹恒と手を繋ぎ、折り紙大学の中を歩く。
 チャリカのところでバナナパイを買い、ちょっと足を伸ばして黄金の刻まで行ってクロックピザを買って。
 俺はついでにドリームアイスも買う。
「いただきます」
「いただきます」
 二人でピザを分け合い、アイスもちょっとだけ分け合って。
「午後は?」
「ドリームメイクデザインの講義に出ようかなって。お前は?」
「特に出たい講義がないから、お前と一緒に抗議を受けるのも楽しそうだ」
「嬉しい」
 たまには丹恒と二人で抗議を受けるのもいいな。ということで、二人で受けに行く。
「あー。楽しかった!」
「そうだな。俺は初めてだったが、楽しめた」
「ミスターレックの講義は、例外だからな」
「あれは確かに……
 あの時のバナバナもついでに思い出したのか、苦い顔に。
「丹恒、すごく頑張ってたもんな」
「憐れみの目を向けるのをやめろ」
「別に憐れんでなんかないって!」
「どうだか」
「本当だ。信じて」
 丹恒の手をそっと握り、じっと目を見つめながら告げれば。
「はあ。わかっている。少し意地悪く言いたかっただけだ」
「そういうところも好き!」
「こら」
 腕に飛びつくと、怒られた。残念。
 列車に戻り、今度はちゃんと部屋でイチャイチャ。
「ん……
 キスをしながら、胸を撫でる。丹恒をその気にさせるには、胸に触れるのが一番。
「お前……
「丹恒だって、乗り気になってきてるじゃん」
 拒否するように俺の胸を押すけれど、その力は弱い。
「なあ、いいだろ?」
 舌なめずりしながら手売れば、諦めたように。
「お前の好きにしろ」
 ちょくちょく口にする言葉を、いつものように告げてくる。
 それは同意の合図。
 シャツを脱がし、口づけを交わし合いながら体を重ねて。
「ふふ」
「嬉しそうだな」
「だって、嬉しいから」
「そうか」