まきわ
2026-01-17 15:06:47
1898文字
Public クロリン
 

sweet session

状況はふんわりで休日に家でいちゃいちゃしてるだけのクロリン
かなり短いのでおつまみかおやつにでも

穏やかなある休日。
揃って過ごすことができたクロウとリィンはリビングのソファで寄り添うようにしてそれぞれ読書をしていた。
窓から差し込む陽光の優しさと、もたれたクロウの腕の温もりに浸りながらリィンはゆっくりとページを捲っていた。
生徒から今話題の恋愛小説なのだと借りた本だった。
惹かれ合った二人がすれ違いを経ながら徐々に距離を縮めていく、その流れを甘酸っぱいような気持ちで読み進めている内になんだか胸の奥がうずっとして、リィンは小さく身動ぎした。
………
ちょっと甘えたい。
そんな気持ちになってリィンはクロウの腕にもたれさせていた頭を更に擦り寄せた。
それに気付かないクロウではないから、視線を手元の本からリィンに移すとリィンの頭に口づけるように顔を寄せた。
「ん、どした?」
こんなに甘ったるい声でクロウが話す事があるのだと、こういう間柄になってリィンは初めて知った。
砂糖菓子を喉につめて声を発したんじゃないかと思うほど甘い声を初めて聞いた時、リィンはそれこそ心臓が爆発するんじゃないかと思うほどドキドキしたものだ。
多分そんな声で話している自覚をなさそうで、だからいつかその声を他の人に聞かせてしまうんじゃないかと、リィンは密かに心配していた。
そんなクロウの甘い声が甘えたい気持ちを更に加速させる。
………
リィンは何も言わずにただ顔を上げてクロウを真っすぐ見つめた。
何も言わなくてもわかりあえるなどというのは幻想で、どれだけ絆が深い間柄であったとしても自身の想いを言葉にしないで伝えられるはずがない。
その事をよく理解した上で、今は言わずにわかってほしかった。
だからこれはただのリィンのわがままである。
そしてそういう時ちゃんとわかってくれるのがクロウという人なのだ。
期待通りクロウの顔が近づいてきて、優しく唇が重なる。
どこまで求められているのか探るようにクロウは角度を少しずつ変えながらリィンの唇の感触を楽しんでいる。
同時にそっと耳の辺りを撫でられて、リィンはもっとというように唇を押し付けるようにした。
するとクロウの舌先がリィンの唇をつついてきたので、迎え入れて待ち構えていたかのように自分の舌を押し付けた。
「んっふっ
舌が擦れ合うとぞくぞくするような快感が背中を走り抜けて小さく吐息が漏れる。
何度もこういうキスをしたけれど、やっぱり舌の使い方はクロウの方が上手い。
それでも少しでも同じように気持ちよく感じてほしくてリィンも懸命にその動きを真似る。
濡れた音が静かな部屋に響いて、それに誘われるようにクロウの手がリィンの腰の辺りに移動して撫でていく。
口の中でお互いの唾液が混ざり合って、どちらのものかわからなくなったそれをリィンが飲み下したところでクロウが腕に力を込めてリィンの体を押した。
意図を察してリィンはあえてクロウの体を押し戻した。
顔を離してにこりと微笑んでやる。
「うん、満足した。終わり」
「えぇ~~そりゃねぇよ!オレは今!正に!盛り上がってきたとこだぜ?!」
「なんだ盛り上がってきたって
「だってよー、ほら」
クロウはリィンの手を自身の下半身に導いた。
『そこ』に触れさせられてリィンは思わず軽く目を瞠った。
ゆるくではあるが、確かにクロウのそこは反応し始めて、正に『盛り上がって』いる。
リィンはわずかに頬を染めてクロウを見上げた。
「き、キスだけで?」
「おうよ。だって今の誘い方めちゃくちゃ興奮したし。その本そーゆーコトが書いてあんのか?」
「違うからっ。そうか、興奮したのか、今の」
リィンは思わずにまりと上がってしまった口角を指で押さえた。
それなら、いいぞ。ほら」
何故か偉そうに言いながらリィンは両腕を広げて受け入れる姿勢を見せた。
クロウは嬉しそうな、けれど獲物を見つけた狼の笑みを浮かべてリィンにのしかかってきた。
「よっしゃ、なら遠慮なく~♪」
「あっ、でもベッドでだ!」
「えーいいじゃんここで」
わざとらしく拗ねた顔をしてみせるクロウの額をぴしゃりと叩く。
「だめだ。色々汚したくないし」
「へいへい。んじゃ挿れたらそのまま運ぶんで
前言撤回するぞ?」
「即時に移動させていただきます!」
ふざけて敬礼したクロウにくすくすと笑っているとふわりと体が浮いた。
「うわっ、ちょっ」
「ほれ行くぞ~」
「こ、こら!重いだろ!」
「オレの武器のが重いなぁ」
言い合う声は寝室へと遠ざかり、リビングにはぽつんと二つ、置いて行かれた本だけが残ったのであった。

穏やかなある休日のお話。