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山本
2026-01-17 14:54:17
1535文字
Public
手負いの野良猫と外科医
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手負いの野良猫と外科医【5】
外科医(人間)🐯×元野良猫🕒♀になる予定の現パロファンタジー。
サンジに教えなきゃならない人間としての生活とその習慣。一からざっと説明してみれば、大体の生活習慣というものはわかるらしいが必要性が理解不能らしい。
だが、そんなサンジでも風呂や洗顔、歯磨きといった清潔にすること自体に嫌悪や抵抗はないらしい。サンジ曰く、猫は犬と違って綺麗好きで臭いひとつで狩りの精度が変わる。それに以前人間の家にいたってことらしい。
「
……
飼い猫だったのか?」
「むかーしな。おれがまだガキの頃人間のジジイのとこにいてよ。そのジジイに料理も教わったってワケだ」
サラッと話したサンジに、言われてみればジジイがどうのと言っていたし、料理ができるとか中途半端に人間について知識を持ってるしなと、合点がいった。そうか、人間に飼われてた経験でもなきゃこんなに人間のことは知らねェか。
「おれが見つけた時は野良のようだったが、前の飼い主とは生き別れか?」
「んー。まァ、似たようなモンかなァ?ま、親離れみてェな?そんな感じだからそんな気にすんなよ」
詳しく話したくないのか、前の飼い主について露骨に誤魔化されて何となく察する。ジイさんならもしかしたら亡くなったのかもしれない。それなら悪いことを聞いたなと感じて少し
……
いや、かなり申し訳ない気持ちになった。
「悪い。変なことを聞いたな」
「へ?え、いや!死んでねェからな!?ジジイが怪我して帰ってこなくなってよ、ジジイんとこのコックが入院したとか足一本切ったとか引っ越すみたいな話をしてたから自立したってだけだからな!?」
「
……
え?」
「生きてるって言ってんだよ!今は前と別の家で元気に暮らしてるよ!!」
サンジが大慌てで話した内容を頭の中で整理して組み立てる。
サンジの前の飼い主のジイさんは死んじゃいないが怪我をして入院。片足を切った。その怪我をきっかけにだろうが、生活しやすい環境に引っ越すことになったんだろう。で、今じゃ退院して元気に暮らしてる、と。
「戻らねェのか?」
「何でだよ。独り立ちしたのに何で戻らなきゃならねェんだよ。まァ、今ローのとこにいるけどよ」
「
……
何でジイさんのことを最初に言わなかったんだ?」
「え?人間って親離れしても親のことってそんなに気になんのか?」
どうやら本当に親みたいなモンだっただけらしい。
猫は親とか兄弟に感情はねェのか?いや、飼い猫なんかでも親猫と仲良く暮らしてることなんて普通にあるだろ。ありゃ例外なのか?それとも野良の期間もあるからなのか?わからねェ。
「あー。まァ、生きてるならいい。そうか、親代わりで親離れか」
少しばかり謎の疲労感を覚え寝室から出る。クローゼットからサンジ用におれの服を部屋着にと見繕ったが、おれの匂いがついてるものが良いらしい。結局サンジの好みに適う服がおれが今着てる部屋着ってことになり、不衛生ではあるが、一旦服に慣れるって意味を込めておれが着た部屋着を着せることにした。
下着は死守した。サンジに許可したのはおれが一度着た服を着るところまで。引っ張らない、引っ掻かない、服をボロボロやヨレヨレにしねェ約束でおれが着た服なら着ていいと許可した。
だから下着は早急に近いうちに通販で買わなきゃならない。そのために女性用下着のサイズについて調べる必要もあるし、外に出られる服も一緒に買う必要がある。
おれの人生でそんな知識や作業が必要になるなんて思ってもなかった。想定外過ぎる事態だ。
何はともあれ、サンジをそのまま素っ裸にさせていられねェってことで風呂に入ることになった。湯船を張って人間の風呂の入り方を教えて風呂に。最初から真っ裸のサンジはそのまま風呂場へ直行して、おれは脱衣場で服を脱いで風呂場へ入った。
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