三毛田
2026-01-16 21:45:36
1074文字
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39 ら. ラストダンスは私と

39日目
踊ってください、恋人様

 長らく続いた宴も、そろそろ終幕。
 次の音楽でラストダンスだという。なんだか少しだけ寂しい。
「穹。誘われているのであれば、行ってこい。そうでなくても、お前を誘いたい人間は沢山いる」
 少しだけ感傷に浸っていると、そんな言葉とともに軽く背を押され。
 そこにお前は入っているのか。という言葉を飲み込みつつ振り返ると、彼は初めて見る表情を浮かべていた。
「丹恒」
 一歩あとずさり、俺から距離を取ろうとしていた彼の腕を掴む。
「穹、離せ」
「やだ。俺は、丹恒といたい」
「だが、必要なことだ」
「いらない。お前じゃないと、意味がない」
 そもそも、自分が踊るはずの男性パートすら怪しいのだ。
 相手に迷惑だし、丹恒以外に触れたくない。そんな我儘。
……ヴェルトさんに、聞いてくる」
「一緒に行く」
 彼の腕を掴んだまま、ヨウおじちゃんのところへ。
 事情を説明し、二人でパーティーを抜け出す。
「本当に俺でよかったのか」
「そうじゃなくちゃ、俺だって我儘言わないって。丹恒、手を」
 一足先に二人でホテルに戻り、手を差し出す。
 お前の手を乗せてくれと告げると、一瞬躊躇いを見せ。でも、決心したように一度目をつぶってからそっと乗せてくる。
「女性パート、イケる?」
「それを今聞くのか」
「丹恒なら、イケるかなって」
 呆れたように言う彼に、謎に自信を持って告げれば。
「多少なら。お前と同じくらい、怪しいがな」
「それでいいよ。でも、怪我をしたらお互いさまで」
「ああ」
 ダンスホールほど広くはないけれど、多少動き回ることが出来るので二人で拙いステップで踊る。
「穹。次でターンだ。回れるか」
「ギリギリ」
 本来よりも小さく動いてるから、何とか回れそうだ。
「いいぞ。次のターンで終わりだ」
「わかった」
 ステップ、ステップ、ターン。
 最後にポーズを決める丹恒の背中を支え、ダンスを終える。
「丹恒、俺の足蹴っただろ」
「お前も一度踏んでいるから、おあいこだ」
 ソファーに座り、靴と靴下を脱いで確かめれ脛には蹴られた跡。
 丹恒の方には俺が踏んだ跡。
 それがおかしくて、二人で笑い合ってから額をくっつけて。
「丹恒、好き」
「俺も穹が好きだ」
 思いを告げ合って、キス。
「お風呂入ろ~! というか、ここのお風呂とも今夜でお別れか~」
「俺は、お前の部屋の風呂の方が好きだ」
「そう言われると、連れ込みたくなるからやめろって」
「好きに連れ込めばいい。ただし、お湯はぬるめで」
「はいはい」
 服を脱ぎながら、二人でお風呂へ。