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hisashiNKI
2025-06-18 19:59:02
2325文字
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性行為の取り決めをしたい兄さんのジョシュクラ
・現パロ
・兄さんが(いつもながら)おかしいです
・なんでも大丈夫な方だけどうぞ
「これからお前と性行為をしていくにあたって、いくつか取り決めをしておきたい」
突然背後からかけられた言葉に驚いて振り向くと、ソファの向こうに紙を一枚持って立つ兄さんがいた。
「は、え。何、ちょっと待って」
遺跡の発掘作業について、現地作業員のむちゃくちゃな態度に抗議文をしたためている所だった。僕の動揺が伝わったのか、愛用のラップトップの画面はフリーズして動かなくなってしまった。
「仕事中だったか。すまない、後でいい」
兄さんは紙を持ったまま立ち去ろうとしたが、僕はソファの背もたれから身を乗り出して一体いつから着ているのかわからない伸び切ってよれよれの部屋着の裾を掴んだ。
「兄さん、何を言ってるのかよくわからない」
「これからお前と性行為をしていくにあたって、いくつか取り決めをしておきたい」
兄さんは表情をぴくりとも変えずに全く同じ言葉を全く同じ調子で繰り返した。その、「今日の晩ご飯はどうする?」くらいのテンションのおかげでなんとか意味が頭に入ってきた。まあ、確かに、お互いに望まない行為はあってはならないだろう。この間は勢いでヤってしまったが、僕たちの関係はそこから少し変わった部分もある。これから共に一生を過ごしていく長い長い時間の事を考えると、今この段階で性行為におけるお互いの認識を擦り合わせておいた方がいいのかもしれない。まさか兄さんとこんな話をすることになるとは、二十八年間兄弟をやってきて(そのうち十八年は一緒にいられなかったが)僕たちも大人になったものだ。
「こっち来て。横座って」
兄さんは素直に頷いていそいそとソファを回り込んで僕の隣に座った。風呂上がりのいい匂いがする。髪をまだちゃんと乾かしておらず黒髪は水気を含んでしっとり濡れている。黙って兄さんの方へ右手を差し出すと、紙を渡された。適当にそこら辺のノートの一ページを千切ったものに、罫線を無視して一行だけ走り書きがしてあった。それを読んで僕は目を剥いた。
"クライヴのおねがい:ジョシュアは必ずクライヴの中に精液を出すこと。口でも下でも可。もったいないから。"
「
…………
」
「俺が守ってほしいのはそれだけだ。他は好きにしてくれていい。あ、だがお前の体調が少しでも悪い時は絶対にしない。これも書いておこう」
兄さんの手が僕の持つ紙に伸びてきたが、それを振り払った。兄さんは唇を少し突き出してムッとした顔をした。珍しい表情だった。
「ジョシュア、だめか」
わずかに不満を示してから一転、ああ、またいつものあの顔だ。眉が下がって目が潤み、おずおずと探るように見る顔。悪さをしたトルガルとそっくりな。僕がこの顔に弱いのを分かってやってるのかどうなのか
――
僕は文字通り頭を抱えて深いため息を吐いた。
「あ、でも子供ができたら流石にダメだぞ、中には。それも書いておこう」
「は?」
「え?」
数瞬、僕たちは見つめあった。兄さんはきょとんとした顔をして、唇が半開きになったままだった。
本当に、この人は何を言っているのだろう。性教育を受けてこなかったのだろうか。離れ離れになる前、兄さんが十五、僕が十の頃までは同じ私立校に通っていたはずなのだが。と言っても、僕もこの目の前の人と数日前に行為に及んだのが人生で一回きりの経験ではあるので、知識に精通しているとは言えないが
……
。
「兄さん、あのね、この世にはおしべとめしべというものがあって
……
」
また兄さんはムッとした。この顔は僕に対してあまり見せなかった顔だ。一線を越えてから、兄さんの態度に今までより少し甘えを感じる。かわいい。すごく。かわいいのだが、しかし。
「それくらい知ってる」
「じゃあ、僕たちにはできないでしょ
……
」
「お前とならいける気がするから、たくさん出してくれ」
ほんとに、ほんとに何を言ってるんだ!
僕は風呂上がりでまだ火照っている大きな体を抱きしめた。合意と受け止めたのか兄さんはふふ、と笑って僕の頭を優しく撫でた。僕は少し泣きたくなった。きっとわかってて揶揄っているんだ。そうに違いない。首筋に鼻を押し付けて思い切り吸い込んだ。シンプルな石鹸の匂いと混ざって彼の濃い匂いがする。
「僕のおねがいはね」
兄さんが「うん、いいぞ」と頷いた。まだ何も言ってないよ。
「いつも匂いを嗅がせて欲しい。僕が満足するまで
……
」
兄さんは僕の腕の中で身じろぎした。僕が彼の匂いを嗅ぐと、常にもじもじと恥ずかしそうにするのだ。子供の頃からその姿をオカズにしていたと言ったら、どんな反応をするだろう。
兄さんはこの申し出を受けるかどうか、すごく迷っているようだった。好きにしていいって言ったくせに。僕は顔を上げてさっきの兄さんの真似をした。眉を下げて目を潤ませ上目遣いに見るやつ。
「ッぐ、
……
いいだろう」
よし!
僕は心の中でガッツポーズをした。兄さんは顔を真っ赤にして目をぎゅうと瞑り、内腿をもぞもぞ動かした。これからのことを想像して堪らなくなったのかもしれない。しかし、体臭を嗅がれるよりも常に中出しセックスをしろと弟に向かって宣言する方が恥ずかしくないか?と思ったが、またオカズが増えたので黙っていることにする。
「僕も兄さんの体調が悪い時は中にしないからね。ちゃんと書いとこう」
いつの間にか床に落ちてくしゃくしゃになっている紙を拾ってさっき挙がったものを付け加えた。書き終わる前に兄さんが「ン
……
」とか言いながら僕に擦り寄ってきた。みみずがのたくったような字を書き終わるや否や、僕はボールペンを乱暴に放り投げて兄さんの唇に噛み付いた。
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