もち
1226文字
Public ネタ・未完
 

メモ:死神は静かに暮らしたい。

オメガバ/ロキシモ/始シモ/ハデシモ
通称:恋のABO。つよつよメスイルカΩしむなさんが理不尽な世界に中指を立てる話。シリーズ化した場合、マルチエンドになるかも。

モンキー・マイアで幻想的な遭遇を果たしたあいつらは実は悪魔だった!?イルカ不信から生まれた(嘘)オメガバ。

《概要》
 世はラグナロク後、一応人類敗北√を回避した世界線。人類も真っ青の逆ピラミッド神界では、少子化対策に半神半人も認められるようになってきた。同時に、基本αばかりの神々の中で、より優秀なα誕生の母胎として可能性を持つΩも見直されていた。
 人類を代表する漢たちの中で唯一βのシモは、11回戦での重篤状態から復帰するなり、実はΩだったと知らされる。Ωと知るなり途端に「所有物」や「オンナ」扱いしてくる周囲。不穏な雰囲気に。
 やがてヒートに乗じて三人の男たちーーロキ、始皇帝、ハデスが迫ってくるようになる。
 誰が先にΩを落とせるか競い合うαの彼らをシモは冷めた目で見る。皆妊娠させたもの勝ちだと思っているのだ。
 ところがどっこいシモはメスイルカのように、オスの精子を拒絶する能力が備わった世にも珍しい「選ぶ側のΩ」だった!
 はやし立てる周囲とは裏腹にシモはうんざり。
 そんなマイペースな彼の望みは、いつもと変わらずただひとつーー「静かに暮らしたい」だ。



◆ コテ返しロキシモ

(お好み焼き職人かよっ!?)

 あっちにコロコロ。そっちにコロコロ。
 まるでコテ返し。
 うまいこと鉄板シーツの上で転がり、自分の手から逃れる人間にロキは参っていた。
 ころん、と丸まった死神が横目で見上げる。

「あの、さぁっ!いい加減美味しく料理されてくれない!?」
……

 わめく悪神をよそにシモは無言でそっぽを向く。
 取り付く島もない。ため息が出る。

「ホント乱暴なことをしたくないし、無理やりとかそれこそボクの方が無理だから頼むよ」

 互いに運命という呪縛を呪う仲。
 もっと仲良くできないものか。
 うなだれる背中にはどこか哀愁が漂う。
 その姿を密かに死神の目が追っていた。

「まじハゲるんだけど――ッ!?」

 頭を押さえるロキの内股を突如襲う感触。
 眼下に視線をやると脚の間から白い生足が覗く。
 甲が股間の膨らみをなぞり、指先が生き物のようにくねり誘う。
 カチッ、キンッ。背後で鳴る高い金属音。
 咄嗟に振り返るとタバコをくゆらすシモの姿があった。
 ベッドの足元にはブーツと靴下が転がっている。
 素知らぬ顔。だがよく見るとその垂れた瞳はどこかおかしそうに弓なりだ。
 挑発的な目つきの死神と視線がバチリとぶつかる。

「~~っこ、の!」
……
「何がしたいんだ、よっ!?」

 上擦ったすっとんきょうな声が出る。
 詰め寄るロキの腰を肉付きの良い両脚が引き寄せていた。

 ぷちり。ぷちり。
 やけに大きく響く衣擦れの音。
 手袋に包まれた指先が軍服の前を開き、シャツのボタンを外していく。

「上等じゃん――

 いきり立つロキの顔面に紫煙を「ふう」と死神が吹きかけた。