三毛田
2026-01-14 21:29:43
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37 ゆ. 猶予

37日目
猶予がない時にプライドは意味がない

 思っていたよりも、時間がない。
「なのかさん。俺はどうすればいいと思いますか」
「そもそも、サプライズっていうのが無理があるんだよ。乗ったウチが言うのもなんだけど」
「だよなぁ」
 二人でテーブルに項垂れる。
 迷惑をかけている姫子とヨウおじちゃん。それから、丹恒を労ろうと労おうと、感謝を伝えようとサプライズパーティーを開こうとパムと三人で話し合い。
 いざ決行しようとしたところで、俺もなのも、もちろんパムも隠し事があまり得意ではないことに気づいた。
「丹恒にだけ話す?」
「でも……
 好きで好きでたまらない丹恒に、無様な姿を見せたくない。
 という、俺のなけなしのプライド。
「丹恒に頼んだ方が、成功すると思うんだけど」
「そうなんだよなぁ」
 肘をついて、提案をしてきたなのを見る。
「穹のちっぽけなプライドなんか投げ捨てなよ」
「それなら、なのも投げ捨てろよ」
「ウチには、完全に追い詰められる前に、丹恒を頼るようにしてます~」
「プライドはないのか」
 ちょっと拗ねたように言うと、
「自分が出来ないことに固執するプライドはありません」
 と返されてしまった。
 それならば仕方ない。
「というわけですので、知恵をお貸しくださいませ。丹恒先生」
「お前たちはまた……
 諦めて丹恒を頼りに行くと、彼は呆れたような表情で俺たちを見て。
「パム。お前がいて、何故」
「オレも、楽しそうだと思ったのじゃ……
「車掌さんを責めないで! ウチと穹が悪いんだから!」
「そうだよ!」
 丹恒に責められて、泣きそうになっているパムに俺となのが両側から抱き着く。
「はぁ……仕方ない。今の進捗を教えろ。話はそれからだ」
「「ありがとうございます!!」」
 三人で、丹恒に飛びつく。そして彼は、ふらつくことなく俺たちを支えて。
 くぅ~! やっぱり好き!!
 丹恒というブレインを迎え入れ、勝手に決めていた猶予ギリギリだった大人組を労わるためのパーティーの日を迎えることが出来た。
 本当丹恒先生様様だ。最高。
「みんなありがとう。とても嬉しいわ」
「ああ。君たちの頑張りで、明日も頑張ろうと思えた」
 二人とも嬉しそうに、料理を飲み食いしてくれた。それに、必死に選んだプレゼントも喜んでくれたし。
「お疲れ~」
「お疲れさま!」
「これはオマエたちに用意した食事じゃ」
「パム。お前も座れ。後は俺がサーブする」
 四人でお疲れ様会を始めると、パムからティーポットとかを取り上げる丹恒。
「成功してよかった~」
「よかったね」