ちゆき
2026-01-13 21:22:56
1556文字
Public pixiv共通
 

彼パーカーのお話🔞冒頭部分

セバスチャン×女牧場主
セバスチャンのパーカーを着て見せるお話の最初のとこだけ、えっちじゃないよ
続きは書けたらpixivにアップするよ

 それはとある夜のお風呂上がり、しっかり隈なく全身のスキンケアを済ませて可愛らしい下着をつけた。ただしそれは下だけ、上半身にはなにもない。その代わりに纏うのは女の自分には少し大きなパーカー、真っ黒なそれをふわふわに乾かした髪が乱れるのも気にせず頭からすっぽりと被る。そうして袖にも腕を通せばふわりと漂うのは柔軟剤と煙草の相反する香り。目の前の大きな洗面鏡に映る自分は緩む表情を抑え切れないようだ。それでもどうにかしようときゅっと唇を固く結んでみるけれどそんなことで抑えは効かなくて、我慢できずにぱっと開けばリップも乗せていないのに綺麗に赤く色づいた唇が笑みを模った。そのまま少しだぶついた袖から覗く指先でぼさぼさの髪を整え、鏡の前でくるくるといろいろな角度から自分の姿を確認する。どうしてこんなにはしゃいでいるのかだなんてそんなのは決まりきっている、この体を包むこの大きなパーカーが私の心も体もすべてを全力でそうさせるのだ。

「セバスチャン! 見て!」
 ぱたぱたと慌ただしく洗面所を飛び出した私はその勢いのまま部屋の扉を開けた。一直線に目指したのは一人暮らしである私のお気に入りのソファを占領する男の元だ。セバスチャンとそう呼ばれた男は気怠そうに読んでいた本を惜しむことなく閉じ苦笑しながら顔を上げた。
「本当にそんなのでよかったのか?」
「うん、ありがとう!」
 セバスチャンの元へと駆け寄った私は目の前でくるりとターンをしてみせる。そんなの、と彼が呆れたように呟いたのは今私が纏っているこのパーカーのことだ。
 数日前に鉱山で彼の好きな鉱石を拾ったためお土産だよとプレゼントをしたのが発端だった。ありがとうと笑顔で受け取ってくれたセバスチャンがふとお前はなにか欲しいものはないのかと尋ねてきたのだ。彼の言うにはいつももらってばかりだから自分もなにかを贈らなければフェアではないとのことだったのだが、自分としては当然に一度もそんなことを考えたことがない。だから最初はううんと悩みに悩んだのだが、ふとひとつだけ思い至るものがあった。それは女子の憧れ、男子の夢とも言えるものだろうか。なんでもいいと言うセバスチャンに私はあなたの着ているそのパーカーが欲しいのだと強請った。
「お前も変わってるよな、別にアクセサリーでも新しい服でもいくらでもあるのにさ」
「だってこれがあったらお家でひとりでもセバスチャンと一緒いるような気分になれるでしょ? 幸せじゃん」
「今は本人がいるだろ」
「見せたかったの! どうかなって」
……どうかな、ね」
 ほら、とパーカーの裾を摘みぴんと引っ張る。彼の持っていたうちの一着なので少し草臥れてはいるものの部屋で着ている分には充分だ。ましてやこうして二人でいるときであればなおのことで、セバスチャンが持っていた本を自分の座る場所から少し離れたところに放り投げる。そしてなにも隠すもののない素足の爪先から視線が上へ上へと辿り、この胸元で一度止まったかと思うとすぐに目が合った。するとセバスチャンはすぐ組んでいた足を解いて前のめりに腕を伸ばし、それを私の腰へと回す。先ほどまでの呆れはどこへやら、口元にとても意地悪な笑みを浮かべて。
「教えてあげるからこっちにおいで」
 その言葉につられ、引き寄せられるままセバスチャンの膝の上へ腰を下ろした。そうなるとだらしなく脚は開いて捲れ上がった裾から太腿が顕となり、私がそれを隠そうと裾を引っ張ると大きな手によって優しく静止される。そうして私に大した抵抗の意思がないのを知ったその手は焦れる間も与えずこの後頭部に回された。交わした瞳は先刻鏡の前で期待したとおりの熱を持ち、セバスチャン、と私が彼の名を最後まで呼び切ることを許さなかった。