華子
2025-04-11 22:32:22
3749文字
Public ラキスケ宿センセ(宿夢)
 

(全年齢)ラキスケ補助監督と宿センセイ#1(宿夢)

みんな生存・ハッピー謎時空の呪術高専が舞台。
ラキスケ体質の補助監督員🌸ちゃんが、
宿儺先生をトラブルに巻き込みながら
なんやかんやありつつ関係を築いていく話(予定)

眼前に広がる、成人男性の鍛え抜かれた全裸の後ろ姿。
筋肉で盛り上がる背中、引き締まった腰、硬くて美味しそうで白桃のような綺麗な尻。

視界の上の方で揺れるピンクの頭髪と身体に這う呪印で、後ろ姿だけでも彼が宿儺先生であると一目で解ったのだが、どうしてここに
誰も立ち入らぬよう、抜かりなく手配したはず。


驚きつつ無言で後ずさりをすると、動揺で壁との距離感を間違えた私は、壁に背中と頭が激しくぶつかり、ごちん!と大きく鈍い音を周囲に響かせた。



────ここで、簡単に私の自己紹介をしよう。

人には、説明し難い特異体質というものがあったりなかったりするものだ。
具体的に例えるならば、電子機器が他の人よりもすぐ壊れてしまうだとか、クジ運が極端に悪くハズレクジばかりをいつも引いてしまうとか、ババ抜きは何故かいつも負けてしまうだとか、些細な事のようで当人にとっては悩みだったりするような、そういうやつ。



かくいう私は、ラッキースケベ体質なのである。

……そう、ラッキースケベ体質。



呪霊が視えるだけでもお腹いっぱいなのに、なんだこのラッキースケベって。


術師として開花しきれなかった私は呪術高専卒業後、補助監督として呪術高専で働いているのだが、私が補助監督として同行する任務では、必ずと言って良いほどの高確率で一緒に現場入りする術師が、最低でも半裸になるハプニングが起こる。……それも、男女問わずだ。

私が同行する任務に限り、頻回にそんな事ばかり起こるので、ついには任務に駆り出される事も少なくなり、ここ最近はめっきり高専内の掃除や雑務が私の主な仕事となってしまっていたのだった。



「さて、と……。」

時を少し戻し、ひと息ついた私は腕まくりをする。
高専寮共同風呂の脱衣所入口に、1時間ほど前に『清掃中!立入禁止』の札を立てたし、そろそろ人払いもできているはずに違いない。


扉を横にスライドし、カラカラと軽い音を立てながらすりガラスの扉が開く。


「お掃除、入りまーーーす!」


一応誰も居ないとは思うが、大きな声を出しながら脱衣所へと進む……が、しかし。並ぶ脱衣ロッカー前、目に飛び込んできた光景に私はすぐに足を止めた。

「っえ?!」

冒頭でちらりとお話しした、全裸の宿儺先生の後ろ姿が眼前に飛び出し、動揺で壁との距離感を間違えた私は、壁に背中と頭が激しくぶつかり、ごちん!と大きく鈍い音を周囲に響かせると、その物音に宿儺先生がゆっくりとこちらへ振り返ろうとする。


「────?」

「だァっ⁉︎ダメです、振り向かないでください‼︎見えちゃいます‼︎」


……?別に見られたとて構わんが。」

「それ、セクハラですよッ⁉︎」


「お前から此処へ入ってきたのにか?」


くつくつと喉を鳴らして嗤う宿儺先生は、そう言いながらも腰にタオルを巻いて大事な部分を隠してくれて、私に向き直った。
厚い胸板を這うように流れる呪印は、いつ見ても綺麗だと感じ、ついつい見惚れそうになってしまうので、ギュッときつく目を閉じると、腹から声を絞り出す。


「こっこれから掃除なんです!出ていただけませんかッ?」


「なんだ、もう終わったんじゃないのか。」

「入口に、立ち入り禁止って書いてありませんでした!?」


………。十分程度で戻る。その間に脱衣場を清掃しろ。」


「あっ、ちょ!宿儺先生⁉︎」


私の言う事なんてまるで聞く耳持たずで、彼はのしのし歩いて大浴場へと消えていってしまい、その場に残るは宿儺先生の汗、というか体臭?と香水が混じりあったような良い匂いだけであった。


………はぁ。勝手な人だ。」


無意識に鼻から深く息を吸って、ため息をついたが、宿儺先生の勝手で時間を無駄にしたくないので、早速清掃に取り掛かる事にする。
だいたい、これから清掃だって見ればわかるのに、それでも入ってくるなんて、なんて人だ。もはや見られたって文句なんか言えないハズ。


先程、戻り時間は十分と言われてしまったし、テキパキと清掃をこなさなければまた宿儺先生が戻ってきてしまう時間になる。


とりあえず床に落ちる髪の毛をワイパー的なやつで集め、ロッカーの忘れ物をチェックして、洗面台の水滴を拭き掃除していると……、鏡越しにヌッと人の気配がしたので、そちらへ視線だけ移動させた。


「────!?」


そこには鏡越しに見下ろしていた、気怠げな宿儺先生と目が合い、思わず息を呑む。

濡れた髪のせいか雰囲気が異なって見える彼は、普段に増して色気が大爆発しており、濡れまとまって水分をたっぷり含んで重くなった髪が垂れ下がり、時たま耐えきれなくなった水滴が重力に負けて滴り落ちる。

その落ちた水滴が、鎖骨へから厚い胸筋の上を流星のように伝い落ち、流れてゆくのを視線で追ってしまう


「くはっ、見すぎだ。」


彼が片側だけ口角を上げてニヤリと嗤うと、ようやく掃除の手を止めてうっかり見入ってしまっていた事に気が付いた私は、慌てて謝罪をすると、バケツを引っ掴んで浴室の清掃へと逃げ込んだのだった。