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ortensia
2026-01-11 00:07:07
1346文字
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傭リ
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和風ファンタジー風(しつこい笑)現パロ傭リ+庭
zippyさんの異形の通り道を聴きながら。筋骨っていうのがサイレントヒルfに出て来る(笑)実際には岐阜にあるようです。
その時風が吹いた。それでざあっと流れて行く霧の姿を目で追って、何処へ行くのか気になったの。
歩いていたのは住宅街で、でも古くて大きな家ばかりの、庭の草木の気配はあれどひとけはない、閑散とした道を進んでいた。後ろから来た風は霧を運び、だけど自分には見向きもせず前へ通り過ぎて、それを待ってと追い掛けたくなった。
最初に比較的広めの道を通っていたのだけれど、やはり場所が住宅街なせいで、狭い道も多い。霧は器用にそんな狭い道をゆき、するりと細身で擦り抜ける。こちらも負けじと必至に追い掛けてゆく。
例え一時的に広い場所に出ても、霧は迷わず、広がらずに次の道に真っ直ぐ進んだ。何処か一途に、目指す場所が、何か好みのものがあるかのように。
コンクリート塀の細道も、その上を歩く縞模様の猫を追い抜いて通って行く。静けさが目立ち、蔦や苔の緑が、道や壁を覆っている景色が目立って来る。そこを自分も進もうと、自然と足を早める。
「おっと。」
「えっ!?」
ただでさえ上がっていた息が、突然の誰かの登場に、いっきに引き攣る思いだった。
通ろうとした細道を塞ぐように、直ぐ横のかどから、唐突に現れた茶色の髪の男の人。
「この先に行くのはよしてもらおう。」
「えっ、あの。ごめんなさいなの、あなたの、私有地ですか?」
「いいや?」
男の人は怒った様子ではないが、刺すようにこちらを見て、断固としてそこを退く気はないといった様子だった。自分の土地ではない、そう否定しながらも、有無を言わせぬ、それでいて深く事情も語らない気のようだった。
だったら駄目と言われる所以はないのではないか。
せっかくのわくわくとして湧いた冒険心を取り上げられたような気持ちになって、うーと未練がましく唸ってしまう。こちらの諦めの悪い様子に、溜め息をつかれてしまうが、あなたこそいったいなんなのっ。
「本当に悪いんだが。ここは霧の通り道なんだ。君が行ってはいけない。」
男の人の声は静かで力強かった。説明する気がないというよりは、よくよく聞くと、説明しようがないという困り声のようにも聞こえた。明るみにすること自体が、何かを損なってしまうことかのように。
「わかり、ましたなの。」
そう答えると、男の人はゆっくり一つ頷いた。
「あ。でも、追い掛けるのに夢中で、帰り道が分からないかもなの
……
。」
「ああ。それなら。」
よくよく考えて自分が迷子の可能性に思い当たると、男の人はなんでもないことのようにすっと片手を上げ、真っ直ぐとこちらの後ろを指し示した。
「え?」
その指につられて振り向くと、最初にいた広めの道があった。
「え?」
どう考えてもそこにあるはずのない道に戸惑い、もう一度前を向いた。」
「え?」
でもそこに先程迄通せんぼされていた細道も、通せんぼしていた男の人もいなかった。
「え?」
閑散としていたと思っていた住宅街には、きちんと人がいて庭に水を遣ったり近所の人同士でお喋りしていたりした。
「え?」
草木の多さも違和感を覚える程多くないし、蔦や苔が異様に生い茂っているということもなかった。
そこに霧は一筋もなく、ただ呆然と立ち尽くす自分に、縞模様の猫が鳴き掛けて来るだけだった。
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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。
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