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紫呉葛
2024-10-31 00:15:25
1130文字
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【オキラス】レインリリーをお菓子に添えて
なんでも許せる人向け。ハロウィン超小話。
木枯らしのような冷たさの滲む風が吹く。
上着を羽織ったオキーフは、一人静かな外で紫煙を燻らす。
見栄えの変わらない遠くを眺めて。
「トリック オア トリート」
静寂を遮り青年の声が背後から届く。
緩りとオキーフが振り向けば、愛想の良い笑顔でラスティが此方に歩いて来た。
手に持った小さな包みをオキーフに差し出して。
オキーフはその包みに視線を落とし、そしてラスティに向けた。
「言った奴が菓子を渡してどうする」
「おや、違ったか。まだまだ星外の習慣には疎くてね。だが、受け取ってはくれないだろうか?」
手を引かないラスティに、オキーフは素直に受け取る事にした。
日付が変わるまでには間に合わないと踏んだのだろう。
パイロットスーツの上に上着を羽織っているラスティは今すぐにでも機体に乗れる状態だ。
「それが仮装か?」
基地の中ではささやかではあるが催し物をしている。簡単な仮装もすればただの飲み会もする、僅かな気晴らし。
「『第4隊長』の仮装だよ。似合っているだろう?」
ラスティが楽しそうに笑う。
「そうか」
楽しそうで何よりだ、と相槌だけを返すオキーフ。
そして視線を外に戻す。
ラスティがその横に立つ。
「今日は死者の魂が戻って来る日らしいな」
ラスティが遠くを見つめる。
「貴方には、戻ってきて欲しい人はいるのか?」
お互い視線を合わさないまま。
「お前が答えられないものを投げるのはやめておけ」
苦味の混じった笑い声がオキーフの耳に届く。
「それもそうだな」
感傷に浸った所でどうしようもない。目的があるのならば尚更。
「そう言えば、悪いオバケもやってくるらしいな。それを追い払う為に仮装をするのだとも」
ラスティが目を細める。
それは遠方で散らつく光が見えたが故。
オキーフに向いて、
「貴方の仮装も良く似合っているよ、『第3隊長』殿」
ラスティが笑いかける。
「
…
そうか」
ため息と共に紫煙を吐き出すオキーフの前を留めていない上着の隙間からパイロットスーツが覗いている。
彼の後ろにはバレンフラワーも待機している。
「貴方の掴んだ情報のお陰で、悪いオバケを追い払えそうだ」
敵対勢力の奇襲に備えていた、それがわざわざ寒い外にいた理由。
「スティールヘイズで指定位置に移動するよ」
ラスティが片手を上げて離れ
…
ようとして。
「ラスティ」
オキーフが呼び止める。
腕を掴んで、引き寄せて、相手の呼吸を奪う。
離れ、間近で目を覗き込み。
「イタズラされては敵わん。菓子の代わりに今はこれで我慢しろ」
オキーフは先にバレンフラワーの元に向かう。
「ずるいな」
と口元を押さえるラスティ。
「お前/貴方のそれは、菓子と言うよりイタズラだ」
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