紫呉葛
2024-04-15 00:49:09
1015文字
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【オキラス】空で覚えた唯一の【捏造設定含む】

オキラス風味。オキ視点。ラスがオキを頼るだけの小話。

オキーフは、さもつまらない映画を鑑賞するようにモニターを眺めていた。
流れる文字の羅列から必要な情報を探していたが、探し物には関係無い、しかし重要な単語が目に留まる。
通信回線:××××× 発信元:STEEL HAZE
オキーフだけが使っている特殊暗号回線。
そこに通信が入ること自体異常なのに、何故かよく知る機体名が表示されている。
何事か、と数十通りの予測と対策を瞬きの間に用意し、可能性の高い「本人からの緊急連絡」として通信を繋げる。
「何の用だ、ラスティ」
問えば、返答はいつもよりワンテンポ遅れて。
《やぁ、オキーフ。繋がってよかった》
その声も話し方も紛れも無いラスティからのものだった。
《助けて欲しい》
彼らしからぬストレートな要求にオキーフは口を閉ざし静かに相手の言葉を待った。
曰く、単身の任務完了後、帰還中に突然視界が暗転し身動きが取れなくなった。
見えないのは機体の視界ではなく、ラスティ自身の視界の方だ。光も色も無い。
慣れた機体とは言え、聴覚だけで操作するにはリスクの方が多すぎる。
《頼れるのは貴方だけなんだ》
オキーフは一度目を閉じた。
すぐに瞼を上げて、口を開く。
過度の負荷による一時的な失明の可能性が、ある」
時々混ざる深めの息を吐き出す音を聴き逃してはいない。
AC乗りが無茶をしすぎて引き起こす症状として稀にあると聞いている。
第四隊長、ラスティとしての最近の彼の働きぶりも知っている。
今回彼は間の悪さを引いたようだ。
「『待機しろ』」
相手の状況を聞いている間に、指は文字を弾いていた。
既にバレンフラワーを出す為の『指示/嘘の任務』は受理されている。
スティールヘイズの座標も、必要な工作も、根を張らせている。
「戻ったら、わかっているな?」
安堵と笑いが混じった吐息を通信が拾った。
《感謝します、第三隊長殿》

通信を切る前に、一つ重要なことをオキーフは問う。
「何故、この回線を使った」
見えないと言いながら通信を寄越して来たこともそうだが、何故普段使っている暗号回線ではなく『この/特殊暗号』回線なのか。
《それは見えなくても何処にあるか覚えている、私にとって唯一の回線だからだ》
オキーフは暫し黙って、
出る。切るぞ」
返事を待たずに切った。
そして、無茶をしすぎた第四隊長への説教内容を一から考え直しながらバレンフラワーの元へ向かった。

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