Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
紫呉葛
2023-12-19 01:00:29
1150文字
Public
Clear cache
【オキラス】赤 薔薇を添えるようじゃないか
意味不も含めて何でも許せる人向け。
オキラス。ラスティ視点。オキーフの最期の言葉を聞いたラスティのちょっとした話。
『先に行くぞ、ラスティ』
「ずるいな、貴方は」
ラスティは顔の左半分を片手で覆った。
―――
お互い目的の為に利用し合う。
それだけの関係だ。
いつ誰に首を取られるかわからない場所だ。
しがらみは少ない方が良い。
我々はただ、偽りの立場のまま、通り過ぎるべきなのだ。
いつだったか、その話をしたのは。
「最後の時に名を呼ぶ誰かはいるか?」
唐突にラスティが尋ねる。
「いると思うか?」
呆れ混じりの声でオキーフが返す。
予想通りの反応にラスティは笑い声を零す。
戯言に付き合いきれないと言いたげに視線を明後日に向けるオキーフに、構わず会話を続ける。
「今日の殲滅対象に誰かの名前を呼んで事切れた者が居てね。恐らく恋人の名だろう。回線が開いていて聞こえてきた。それで、貴方なら誰を呼ぶのか気になった、という訳さ」
軽い世間話をするような声音と笑顔。
覚悟は揺るがない、だが、守りたいモノ達を手にかけることに心が痛まないわけではない。
それが同じ目的を持ち、同じ苦しみを知った、肩を並べる未来があったかも知れない者達が相手ともなれば。
普段なら笑みの下に隠せるそれを、ようやく二人きりになれた安堵からか、和らげたくて最初の質問を口にしていた。
「貴方のことだ。もし居たとしてもフィーカの1杯程度では教えてくれないだろう」
「分かっているのなら諦めろ。狼にくれてやる腹は無い」
「それは残念だ」
何度会話を交わそうと、どれだけ肌を重ねようと、利害の一致でしかない関係だ。
必要の無いモノは、くれやしないし受け取りもしない。
「
…
私は、誰かの名を呼んだ彼が少し羨ましい。そう思ってしまったんだ」
否、本当に羨ましいのは、呼ばれた相手の方だ。
ラスティは少し瞼を下げる。
「最期の言葉が残ったログを誰が取るかわからない。聴かれれば探られ辿り着かれてしまうだろう。漏れなく地獄に落ちる者に名を呼ばれたともなれば、相手も共に地獄行きさ。私はそれを望まない」
オキーフは何も言わない。
彼は共感も唾棄もしない。
それでも此処に居て静かに聴いている。
「私は、誰の名も呼べない」
偽りの無い己の答えを吐く。
「行先が同じなら構わんだろう」
オキーフのその言葉に、ラスティが目を見開く。
一歩遅れた思考から言葉を紡ぐより先に、オキーフが「寝ろ」と告げる。
「しばらくここに居る。休め」
彼はタバコを一本、箱から取り出した。
どうやら煙に巻いてくれるらしい。
「
…
あぁ、そうさせてもらうよ」
ラスティは珍しく眉根を下げた笑顔を見せた。
―――
ログを再生した。
感情で歪みそうな顔を隠そうと手で覆う。
努めて冷静に、仲間を悼む、フリをする。
ずるいな。
貴方が最期に私の名を呼ぶなんて。
エンド
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内