2026-01-07 19:48:30
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Public 宵愁の手記
 

宵愁の手記06

赤チョコボ解体メモ

#宵愁の手記

作業にはレジスタンス達のキャンプ地を借りることにした。戦場で仕留めた赤チョコボを運び込み、着替えもそこそこに早速解体作業に移る。
大きな雄のチョコボだ。赤チョコボ自体エオルゼアには生息しておらず、食用としても聞いたことはないが、はたして高地ドラヴァニアなどに生息するチョコボとどれほど違いがあるものだろうか。
脚を縄でくくり木に吊るしあげたら、ナイフで頸動脈を裂き血を抜く。まさか戦場で討った獲物を解体するとは想定していなかった為に何かと後手になってしまったが、冗談でも言った手前、こいつの肉にも興味はあったことだし、出来る限りのことは試してみることにしよう。
狩猟とは討伐にあらず。基本的に、狩猟では獲物を殺さない。心臓が止まってしまうと血が固まり始める為に充分な血抜きができず、血抜きが充分でない獲物は生臭さが残る。
理想は生きたまま仕留め、心臓が動いてポンプとなるうちに動脈を切って血を抜くことだ。獲物を仕留める腕よりも、迅速な血抜きと無駄を出さない解体こそ狩人としての手腕と言えるのではなかろうか。

案の定、放血の具合は普段と比べて緩やかだ。血を抜いている傍ら、大きめの鍋を借りて付近の焚き火で湯を沸かす。放血が止まった頃合いを見て、吊るしたチョコボを縄から外して横たえる。剣鉈を使って首を切断し、程々に沸かした湯を全体にかけて毛穴を広げてから、羽をむしる作業に移る。無心でむしる。鳥類の解体に一番時間をかけるのは、この作業に思う。残った細かい産毛は、火で軽く炙って焼き切った。

抜いた毛を片付け、綺麗にした作業台の上に背を手前に来るようにチョコボを横たえたら、首から尻にかけてナイフで背に切れ目を入れる。
首の脇にナイフを刺し、顎下まで切り上げて片側の首皮を剥ぎ取る。首の付け根には素嚢がある。破れないよう避けながら首まで切り開き、肩関節を刃先で切ると、ささみと胸肉の間に空洞ができる。そこにナイフを入れて胸側に切り開き、翼を体から分離した。鎖骨と肩の骨の結合部に指を入れて手羽を握り、腰骨手前まで引っ張って半身を剥く。竜骨突起にそって皮を切り開き、胸肉を削いだ。
腿の付け根を露出させ、指を割りこませて押し開き、腿関節を外し、適宜尻のほうへ皮を切り裂きながら、腿を恥骨から切り離す。張力のありそうなスジを切断しつつ骨を外していけば、ここの切断で半身が剥ける。もう半身も同様にして剥き取った。

半身を外すと頭部と肋骨に包まれた内臓が残る。胸郭を外し、ささみを切り外す。背骨と内臓の間にナイフを入れて膜を切りながら、内臓を取り外し、状態を確認する。骨はスープを作るのに使えるだろう、首の骨を切断し、背骨を外した。くちばしから肛門まで繋がった一体から内臓を切り外していく。心臓を取って半分に開き、肝臓を取り、白子も取る。砂肝は後ほど切れ目を入れて膜を剥し内容物を処理する。内臓が纏っている脂肪を切除し、丹念に洗う。これらは自分で食することにしよう。塩漬けにして塩煮にでもしようか。

外した半身は、手と足を分離し、指骨と前肢骨の間接に沿わせて骨を断つ。手羽先を分離し、根本の手羽元も胸肉から断って切り離す。
続いて足も骨の内側にナイフを入れ、骨に沿わせて肉をはがすと、腿肉が取れる。足首の骨を折って皮に切り込みを入れ、足首を引き抜いて筋を抜く。骨に沿って肉を剥がしていき、一枚のもも肉にしたら、一先ず処理は終わり。

部位ごとに分けた肉は、分配の為適度な大きさに切り分ける。この大きなチョコボの肉は、ドードーの10匹分程度の量はありそうだ。
仕留めてから時間も経っている為、一度臭みや残った血を取るために塩で丹念に洗えば、解体作業は終了だ。作業場を借りた礼にとレジスタンス隊員たちに肉を分け、残りを送ると伝えた人数分に肉を分けて包装する。あとは残った内臓や骨を処分すればいい。
急ぎの作業がひと段落し、広げた作業場を片付けているうちに、思い出したように疲れを自覚しはじめた。ヘマをして受けた傷の痛みが後を引いているようだが、特別支障なく動けている分には大した怪我ではないのだろう。ただひたすらに眠気が押し寄せ、片付けを終えると同時に床に転がった。
……レターモーグリを捕まえるのは、目が覚めてからにしよう。