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ぶ
2026-01-07 19:46:33
1041文字
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宵愁の手記
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宵愁の手記03
アンテロープ解体メモ
#宵愁の手記
バスカロンドラザーズから南にある河辺の解体場に、仕留めたアンテロープを運び込んだ。
小柄だが若い雌のアンテロープだ、肉質は柔らかいだろう。育ち始めた木の芽を食べているこの時期が、一番美味い。
付近では、弾ける音を奏でながら焚き火が踊る。
その傍で丸太に腰かけて肉を焼いているのは、酒場によく出入りしている同業者だ。ひと仕事終えた後なのだろう。声をかけられたので、挨拶を返した。
放血し内臓を取り出したアンテロープの皮を剥ぐ。毛皮は水を通さず保温性が高い為、防寒具としては最適だ。脂を削ぎ落し洗って枝にかけて乾かす。
解体の傍ら、昼食をとる猟師と他愛のない話をする。やけに泥だらけの恰好を指摘したところ、彼はエフトを狩りにきていたそうだが、その帰り道、泥濘に足を取られて転んだのだと笑い話にしていた。
腕を擦ったというので、鞄から軟膏を投げて寄越した。先日、薬屋の店主にいただいたものだ。彼は蓋をあけて嗅ぐなり、良く効きそうだと笑った。
狩人という仕事は生傷が耐えない。とはいっても、獲物と戦闘になるようなことは滅多にない。
獲物は追い回したり苦痛を与えるほど味が落ちるし、余計な傷を作れば質も落ちて腐敗もしやすくなる。だからこそ、狩猟には可能な限り食肉部分や内臓を傷つけることなく、頭部を狙い一撃で仕留める腕が求められる。
しかし、森の中を歩く都合、草や枝で傷を作るのが最も多く、こればかりは避けられないものだ。
大きく5つに解体したアンテロープの枝肉を包み、いくつかの処理を終えた内臓と共にグレイシャルクリスタルを詰めた箱に丁寧に詰めていく。
納品先は大きな酒場だ、内臓肉なども酒の肴に重宝される。調理師だという彼は話した限りは手馴れた職人のようだったから、任せておけば巧く調理してもらえるだろう。
包装を終えて一息つくと、先の猟師から薬の礼だといって、エフトの肉を串焼きにしたものを分けてもらった。
淡泊な味わいの肉に塩をかけて焼いただけのものも、なかなかどうして悪くないものだ。腹を空かせたきゅーちゃんと半分こしながら、焚き火を囲う。
時折雑談を交えながら昼食をとり終えたら、身支度を整える。乾かしていた皮を丸めて、荷物をきゅーちゃんの背に括り付けた。この皮は、知り合いの革細工師にでも頼んで新しく防寒着にでも仕立ててもらおうか。
このまま南へ歩けばザナラーンにたどり着く。納品先はゴブレットビュートにあったな。猟師と別れて目的地への道を歩いた。
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