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夜明 奈央
2026-01-07 05:26:58
623文字
Public
久々綾
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久々綾 仕掛けたのは、さてどちら?
Xのサムネを利用した仕掛け付き。上下2ヶ所 の▶︎タップで全文表示。表示/非表示の2パターンお楽しみいただけます。
2026年1月6日初出
下級生たちがいつも通り楽しそうにはしゃぐ声が聞こえてくる。けれど扉1枚隔てたこちら側では、世界に2人っきりみたいな気持ちだった。本当は、いつ誰がやってくるかなんてわかったものじゃないのに。
すぐ隣には久々知がいる。その横顔をちらりと窺うと、気づいた久々知が小さく微笑んだ。綾部は吸い寄せられるように唇を近づける。けれど、無粋な片手で遮られた。
「そういうのはダメです」
「
……
誰もいないのに?」
唇が触れる直前で静止した。どちらも前にも後ろにも動かず見つめ合っていたが、しばらくして久々知が離れていった。
体温を感じるくらいの距離にいたはずが、ぽっかりと1人分の空間が空く。隙間風が抜けて、なんだか寒い気がする。
「俺、これでも結構我慢してるんだけど」
久々知は無表情のまま真正面を見据えている。さっきまで楽しくお話していたのに、ちょっと機嫌が悪くなった気がする。
キスの代わりにそっと手を伸ばす。振り払われるかもしれないと思ったがそんなことはなく、くるりと反転した手に囚われた。指までしっかりと絡めて逃がさないとでも言うみたいにぎゅっと力を込められる。
そんなに我慢するくらいなら、ちょっとくらい羽目を外せばいいのに。先輩のこういうところはめんどくさいなと思う。キスがしたいのは、先輩だって同じくせに。
今日は大人しくお預けされておいてあげるから、次は気が済むまでキスしてもらおう。綾部はひっそりと心に決めた。
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