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幽霊猫のりら猫
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【忍たま】未完成、供養🪦
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忍たま二次創作小説蜃楼奇譚二作目の【序章】だけ
タイトル通り支部に投稿した蜃楼奇譚というシリーズ小説の二作目の序章部分だけ。乱太郎ときり丸としんべヱがお使い帰りに目撃したのは…という導入部分です。こっちは筆が進まず最悪供養になるかもしれないし急にやる気出すかもしれない、そんくらいに自分勝手に自由に書いてます。ぶっちゃけ今は捏造過多小説の方が筆ノってる状況なんですよねっていう近況報告とべったー使用練習も兼ねて。
真っ赤ナ真ッ赤な
鬼灯
オニアカリ
、迷ワせ惑わセ
鬼灯
オニアカリ
、かっタら嬉シい? まケタら悔しヰ? あノ子もソの子も
……
──鬼 ガ 怖 ク テ 行 か レ な い
序章 鬼から逃げる山賊
「学園長先生のお使い、直ぐに済んでよかったね」
ある日の放課後のこと。一年は組の仲良し三人組である猪名寺乱太郎、摂津のきり丸、福富しんべヱの三人は忍術学園学園長の
頼み事
いつもの我が儘
で町まで饅頭を買いに出掛けていた。
「まっったく面倒なこった、駄賃はいつものブロマイドだろ? やってらんねーってのっ!!」
「ねーねー、ボクお腹空いちゃったよこのお使いのお饅頭、ちょっとだけ貰っちゃわない~?」
「きりちゃんそんなに不貞腐れしないの。しんべヱもそのお饅頭は学園長先生のお使いの品だから食べちゃ駄目だよ」
お駄賃は
学園長のブロマイド
いつものアレ
であろう事に文句を垂れるきり丸と空腹を訴えお使いの饅頭を食べてしまおうと涎を地面に垂らすしんべヱを宥めて乱太郎は先を進む。学園はこの山道を抜ければ直ぐだ。
「せめて小銭拾いでもするか
……
っん? 向こう側から誰か走って来る」
ふと、きり丸が向かいからの足音に気付き立ち止まる。複数人の足音は
異様な程
・・・・
にドタバタと地を響かせており、
その姿
・・・
が見えた時三人は思わず息を呑む。
「「「
……
さ、山賊っ!!?」」」
襤褸
ボロ
の着物に背負う武器は刃毀れた刀や斧──小汚ない見目からしてその四人の男達は山に潜む賊
……
つまり『山賊』だ。
「きり丸! しんべヱ! そこの影に隠れよう!!」
「「わかった!」」
乱太郎が脇道の草影を指し三人で身を隠す。関わったら面倒な事になるのがわかっているから
……
だったのだが、その山賊四人組は全員顔を真っ青にし泣きながら大慌てで走っているという何とも奇怪な状況であった。
「鬼が
……
鬼がでたぁあああああああっ!!!」
「助けてくれぇええええ!!!」
【髭モジャの大男】と【金壺眼の男】が泣き叫ぶ。後続の【禿頭の男】と【傷のある男】も錯乱した様に「鬼が怖い!!」「追い掛けて来る!!」等意味不明な事を叫びながら走り去って行く。あまりの様子のおかしさに乱太郎は草影から身を乗り出し過ぎ去る山賊達の後ろ姿をまじまじと観察する。
「あの山賊達、様子がおかしくない?」
「『鬼が出た』って騒いでたよね
……
お、おにぃ!!?」
乱太郎が様子のおかしな山賊の事を心配し、しんべヱは鬼の存在に怯え山賊達が走って来た方向を恐る恐る見る
……
が、鬼なんて追い掛けて来て無い処か通行人すら居ない。「何だ誰も居ないじゃない~」としんべヱが安心したのも束の間、隣の乱太郎は山賊達が逃げ去った先を決心した様に見据えていた。
「顔色が凄く悪かったし大丈夫かな
……
わたしちょっと追い掛けて様子見て来る」
走ればまだ追い付けるよねと一人飛び出して行こうとした乱太郎の腕を、きり丸はガッシリと掴み乱太郎を草影へと引き戻す。
「──よせ、乱太郎。アイツら山賊だぞ関わっても
碌
ろく
でも無い事に巻き込まれるだけだ」
一年は組のよい子のお約束に『行き倒れてる者に関わると碌な事が起こらないが結局関わってしまう』というものがあるがどうもきり丸は乱太郎が
関わりそう
・・・・・
なのを阻止したいらしく、いつになく真剣だった。
「でも具合が悪いのかもしれないし」
「駄目だっ!!! 早く帰るぞ」
乱太郎は『保健委員の精神』が発動してしまい山賊達の体調を気にするばかり。しかしきり丸はそんなのお構い無しに全力で制止に掛かる。
「ど、どうしたの? きり丸そんな怖い顔して」
思わずしんべヱがきり丸のその剣幕に気圧されつつ訊くも当のきり丸は苛立った様に「どーもこーもねぇっ! 早く忍術学園に帰るぞ」と辺りを見回してから先に草影から出て行く。
「
……
きりちゃん、何か知ってるの?」
「
……
」
察した乱太郎の問いには答えず、きり丸はただ静かに乱太郎としんべヱの手を握ると忍術学園へ向かって全速力で走る。
──草影の側の赤い植物が、走る去る子供達の姿をゆらゆらと眺めていた。
◇ ◇ ◇
「乱太郎くん、きり丸くん、しんべヱくんおかえりなさぁーい
……
──ってどうしたの三人ともそんなに息切らしてぇ!?」
忍術学園正門周囲の掃き掃除をしていたヒラ事務員、小松田秀作はお使いから帰って来た仲良し三人組をいつも通り出迎えたら必死に走って来たのであろうか三人とも息を切らして地べたにへたり込んでおり、箒を投げ捨て大慌てで駆け寄った。
走るのが得意な乱太郎ですら息切れを起こしているのだからこれは只事では無いと医務室? 先生方に連絡?? とマニュアル小僧はアワアワと対応策を思案する。
「ぜぇー、はぁー、そ、それが
……
学園長先生のお使いの帰りに、変な山賊を見掛けて
……
き、きり丸が早く帰ろうって、走り出したもの、ですから
……
けほっ」
比較的息の整って来た乱太郎が小松田にそう説明するも、慌てて話したものだから噎せてしまい「大丈夫ぅ? 取り敢えず医務室行こぉ?」と小松田は乱太郎を抱えて背を擦るとしんべヱときり丸も起こそうと手を差し出す。
「ぼ、ボクもうだめぇ~」
しんべヱは完全に地面に伏せってしまい一歩も動けませんと言った風体だが、きり丸は小松田の手を借りずに自力で立ち上がると乱太郎としんべヱに告げる。
「ぜー、ぜぇー、ほ、ほら
……
学園長先生にお使いの饅頭届けて
……
職員室行くぞ」
息を切らしながらもこれからの事を説明したきり丸に、乱太郎もしんべヱも息切れしつつ酸素の回らない頭で必死にその意味を理解しようと考えた。
「や、やまだせんせと、どいせんせによーじ
……
あった?」
地面に伏せつつもしんべヱが『そもそも担任達に用事なんてあったのか?』と疑問を抱く。頼まれ事は学園長の饅頭だけの筈だ。
「き
……
きり丸、やっぱ、何か知ってるの?」
小松田に抱えられた状態の乱太郎は何となくきり丸の言動の
意図
・・
に察しがついておりもう一度聞く。この親友は何かを知っているからこそ、あの場で山賊達の後を追おうとした己を必死に止めて来たのだろうと。
「
噂程度
・・・
だけどな
……
さっきの、乱太郎みたいに『様子が変だから見てくる』って
……
行動に出る奴が、他に居そう
……
だから、報告しに行く
……
」
上手く酸素を取り込めずつっかえつっかえながらもきり丸はそう説明した。基本的にこういった『報告』の様なものは銭にならない限りはしないドケチのきり丸が珍しくしようとしているのだから乱太郎としんべヱは目を丸めた。
「でも、しんべヱ
……
動けなさそうだよ」
乱太郎が転がるしんべヱを指差し困った顔を浮かべる。いつまでも正門前に居座る訳にもいかず、移動した方がいいのは山々だが如何せんしんべヱは力尽きていた。山道から学園までの全力疾走には乱太郎ときり丸も堪えたが運動が苦手なしんべヱには相当キツかっただろう。
「小松田さん、しんべヱ運ぶの、お願い出来ます?
……
乱太郎は僕が連れてくんで」
きり丸が提案し、小松田が抱き抱える乱太郎を早く此方に寄越せとばかり両の手を広げた。体重の重いしんべヱは乱太郎ときり丸の二人掛であれば運べなくは無いが此方も満身創痍、であればしんべヱは小松田に任せきり丸が乱太郎を連れていけば良いという事だ。
「わ、わかったっ!」
「いや、わたしももう大丈夫だよ
……
けほっけほっ」
困惑しつつも了承した小松田に地面へ降ろされた乱太郎は『一人で歩けるよ』と説くも先程の小松田への説明で無理に声を出した後遺症か未だ喋ると噎せてしまっており、悲しきかなその説得力は欠如していた。
きり丸が「オレも、まだちょっとキツイから
……
乱太郎に肩貸して
貰いたい
・・・・
んだよ」と真っ直ぐに言えば「わかった、貸して
あげる
・・・
」と乱太郎は了承しきり丸と互いに肩を組んで小門を通り学園の敷地へと入る。小松田も「お、重いぃ~」と言いつつもしんべヱを抱え二人の後へと続く。
小松田の手を借り三人は何とか学園長の庵に向かうと部屋の主は居らず、代わりに部屋の掃除をしていた忍犬のヘムヘムにお使いの品を届けた。ヘムヘムも乱太郎達の疲れ切った様子に違和感を覚え何があったのか問うも『急いでいるから!』と此処での話は後回しとなった。学園長が居れば話した方が良かったかもしれないが、不在の今は先ず担任達への報告の方が優先だ。
庵を後にし、その足でそのまま職員室へと向かい辿り着いた頃には三人とも多少回復しており『ありがとうございました』と此処までで大丈夫だとお礼を言う子供達に小松田は最後の最後まで「本当に医務室行かなくて大丈夫ぅ~?」と心配していた──が、学園への侵入者を探知するや否や入門票を書かせる仕事へとすたこらさっさと戻って行ってしまう。忍術学園のサイドワインダーは本日も健在である。
そんな小松田を乱太郎達は苦笑いで見送っていたが背後から戸がガラリと開く音がし、振り返れば一連のやり取りは丸聞こえだった御様子で一年は組教科担当教師の土井半助と実技担当教師の山田伝蔵が心配そうに顔を出していた。
「乱太郎、きり丸、しんべヱ、お使いから帰って来てたのか」
「どうしたそろそろ夕飯だぞ? 庄左ヱ門達が長屋の中庭で準備してたから行った方がいいんじゃないか?」
小松田が付き添ってた事や何かがあった事には直接触れず、山田はお使いに出掛けた生徒三人が無事帰って来た事に安堵し、土井が既に始まっている夕餉の支度に参加しなくていいのかを問う。時刻は既に暮れ六つ過ぎの夕飯時であり忍たま長屋のある方向からは各クラスが夕餉の支度を始めている様で鼻腔を擽る匂いが此処まで漂って来ている。
「ごはん~~!!」
「「しんべヱ、ストップ」」
夕餉の匂いに釣られて今にも飛び出して行こうとしたしんべヱを止め、乱太郎ときり丸は担任達に『お話したい事があります』と伝えた。
その真剣な眼差しや疲れ切っている様子から只事では無いと判断した担任二人は生徒達を職員室へと招き、話を聞く。
「それで、一体何があった?」
職員室の床に座ると山田の促しに、きり丸が代表して答える。
「山田先生、土井先生、僕達さっき変な山賊に会ったんです
……
『鬼が出たー!!』っていい歳こいたオッサン達がなっっさけなく泣きながら逃げてってて
……
」
事実ではあるが説明の仕方に少々問題があり、乱太郎はこらこらときり丸を窘めた。
「き、きりちゃん言い方言い方
……
でもあの様子本当に大丈夫だったのかな」
窘めつつも、やはり気になるのはあの山賊達が帯びていた
異様な雰囲気
・・・・・・
だ。
「
……
まさかとは思うが乱太郎、その変な山賊達助けようとしたか?」
「はい、具合でも悪いのかと思いまして。でもきり丸に止められました」
乱太郎の様子から嫌な予感がし、土井が恐々と訊けば乱太郎はあっけらかんときり丸に止められてしまった話をする。
土井は『良かった
……
』と胸を撫で下ろすと乱太郎の隣に座るきり丸を褒めた。
「きり丸よくやった乱太郎の保健委員の心をよく止めてくれた」
乱太郎の優しすぎる性格と『保健委員の精神』は美徳ではあるが如何せん敵味方怪我人病人誰彼構わずなので非常に危なっかしいのだ。それを無事阻止した教え子を褒めなくて教師が勤まるか。
「お礼にお駄賃貰えませんか~土井センセ~」
「それは無い」
「ちぇー」
──前言撤回、このドケチ少年は抜け目が無い。良くやったと思ったのにコイツは
……
と土井は胃が痛くなってきていた。
「土井先生、その山賊ってもしや『噂の
あれ
・・
』ですか?」
「
……
はい、『
それ
・・
』ですよ」
山田と土井の何処か含みのある謎の会話に、三人は首を傾げる。
「うわさのあれ? それ?
……
どれ???」
しんべヱはちんぷんかんぷんだと目が離れて行っているが会話の内容に気付いた乱太郎は同じく気付いているであろうきり丸に小声で告げた。
「先生方も知ってるみたいだよ、きり丸」
「流石忍者。小さな
噂話
・・
でも知っていらしたか」
情報の取り扱いが肝の『忍者』なだけはあると乱太郎ときり丸は感心したがしんべヱだけは目が唯々左右に離れ続け鼻水も垂らしながら呆然としている。
「つまる処、きり丸はアルバイト先でその噂話を聞いたという事か
……
町でちょっとした噂になってるそうだ、山の付近で『鬼が出た』と血相を替えて泣き喚きながら逃げ出す
特定の業務
・・・・・
を生業としてる山賊が多いと」
土井のそんな重要な点を伏せた簡易的説明にきり丸はムッとしつつそれだけじゃないだろとばかりに補足をした。
「土井先生そんな遠回しに言わなくたっていいっすよ、『
特定の業務
人攫い
の山賊が』でしょう」
「ひ、人攫いぃ!?」
しんべヱが『人攫い』と言う単語に驚き、その衝撃で左右へ離れて行っていた目が途端に元に戻る。
「そこまで知ってたか
……
まぁそのお陰で乱太郎がそのまま山賊に近付かなくて済んだ訳だが」
きり丸の情報収集能力怖いなと思いつつ土井はそのお陰で乱太郎が無事だったのだから良いかと思考を放棄した。何処でそんな話まで仕入れたのかとか聞いたらキリが無いからだ。
「あんなに慌ててたのに人攫い何て出来るのかなぁ」
「慌ててるフリをして近付いて来た者を拐うのが狙いかもしれんだろう」
しんべヱがあの慌てる山賊達を思い出し、抱いた疑問は山田によって否定された。実際困っているフリをして襲う輩なぞこの世の中にごまんと居る。
「
……
フリには見えなかったですよ、あの慌て様」
そんな中でも乱太郎は、あの【鬼から逃げる山賊】達の異様さに違和感しか感じられなかった。後ろから誰かが追って来てもないのに狂った様に泣き喚き逃げる大の大人達
……
本当に〝鬼〟なんて者が居たのならばあんな屈強な【髭モジャの大男】ですらも泣いて逃げ出すとは一体どんな者だったのか、疑問は尽きない。
「
……
兎も角、三人とも無事で良かった。山賊の目撃情報の報告もよくやった」
「学園長先生や他の先生方には私達から話しておくからお前達は長屋に戻って他の一年は組の皆と夕餉の支度をして来なさい」
山田と土井にそう促され、三人は今はこの事は先生方に任せようと顔を見合わせ頷く。
「「「はーい」」」
三人組のいつも通りの元気な返事に担任達は安堵しつつも不穏な予感は犇々としていたのだが
……
。
──その予感は見事的中し、この日を皮切りに次々と【鬼から逃げる山賊】の目撃証言が忍たま達から挙がってしまうのだった。
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