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リレン
1562文字
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フリンズ夢 短編
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フリンズさんが武器の手入れをする話
――
おかえりなさい、と言おうとして
……
言えなかった。
今夜も夜警に出かけたフリンズ。「何もなければ早く帰る予定です」と言われたので、素直に夜明かしの墓で待つことにした。しかし、予定していた時間を過ぎても戻らない彼に、私は少し落ち着かなくなってしまったので、外にあるベンチで待つことにした。フリンズのことは無事帰ってくるであろうと信頼はしている、けれども怪我をしてしまわないか
…
などは、毎回欠かさず心配してしまうのだ。
そして今夜帰宅した彼は、何と言うか
……
すこし荒んでいた。
「
――
あぁ、いらしてたんでしたね。お待たせしてすみません」
「ううん、私は平気
……
だけど
――
」
貴方は平気なの?と、聞いていいのか悩んでしまった。言い淀んだ内容については、すでにフリンズにはバレているのであろう。小さなため息を吐いて、少し疲れた顔をしながらも私の方を見てくれた。
「今夜のワイルドハントは厄介だったので、少々疲れました。すみませんが、武器の手入れを先にしても良いでしょうか」
「勿論いいよ。
……
見ていてもいい?」
「構いませんが、面白いものではないですよ。それと、今は少し気が立っているので離れて頂いた方が
――
」
「ううん、平気よ」
「
……
そうですか。では、貴女のお好きなように」
なんとなく
…
今の彼を一人にしてはいけない気がして、何か近くに居ていい理由を探していたので都合が良かった。ベンチに座る位置を変えるために端に移動し、彼には隣に座るように促す。フリンズは何も言わなかったけれど、隣に腰掛けてくれた。
彼は自身の背丈以上ある槍を取り出し、机に立て掛ける。用意した綺麗な布で汚れなどを拭き取っていくようだ。私は邪魔にならないように、静かに見守るだけにする。
作業しながらの沈黙を先に破ったのは、フリンズだった。
「
――
僕は、この長柄武器を好んで使っています」
「うん」
「この武器は広範囲を攻撃できる上に小回りも効くので、戦場での立ち回りを優位にできると思っているのです」
「戦いの後に、このように武器の手入れをすることで、自身の冷静さを取り戻しながら休憩をすることができ、また次の戦場へ向かうことができます」
ポツポツと話してくれる彼の言葉を聞き逃さないように、私は相槌を打つか頷くことで聞き役に徹する。
「さて、
――
貴女には気を使わせてしまいましたね。もう大丈夫ですよ」
そう言って、フリンズは手入れを終えた武器をしまって、私の方に向き直ってくれた。きゅっと結ばれていた口角を緩め、控えめながら笑いかけてくれて、彼の纒う空気が和らいだことが分かる。もう大丈夫、いつものフリンズだ。
「ねぇ、貴方に触ってもいい?」
「
……
どうぞ」
許可が貰えたことを確認し、私は少し立ち上がる。まだ座っている彼よりも目線が高くなった時しか出来ない、彼の頭を優しく抱きしめた。
「私は、どんなフリンズでも拒絶なんてしないから、ね」
それだけ伝えて、まるで子供をあやすように、背中をトントンと優しく叩く。するとフリンズは、まるで呆れた様子で、私の腕の中で小さなため息を一つ吐いた。
「そんなことを言われたのは、貴女が初めてですよ」
今度は彼の手が私の背中に回り、私の名前を呼びながら、ぎゅっと抱きしめてくれる。
「こんな僕を惑わしたこと
……
ゆめゆめお忘れなきよう、後悔しないでくださいね」
「ふふっ、望むところよ」
「フリンズ、」
「はい」
「おかえりなさい。今日も無事に帰ってきてくれて嬉しい」
「えぇ、僕も貴女の元に帰ることができて何よりです」
彼の頭を優しく撫でると気持ちよさそうにしていたので、しばらくそのまま撫でてあげることにした。
『貴女が居るところが、僕の帰る場所となりました』
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