ニャモニ
2020-11-26 23:02:36
2099文字
Public 【FF14】アル光
 

いい風呂の日 アルフィノひかせん女

読み直しせずあっぷしてるので、流しで読んでね!
えっちじゃないです。

 視界を覆う真っ白で暖かな湯けむり。少し歩くと霧散して冷たい夜の空気と共に視界がひらく。
……貸し切りじゃないか」
 真夜中の望海楼の温泉。脱衣所に自分以外の衣服もなく、入った先にも人気がない。
 珍しく寝付きが悪くて目が覚めてしまったのは、幸運だったかもしれない。
 身を綺麗にすること自体は好ましいが、混浴の文化のあるこの国の温泉はまだ年若いアルフィノには刺激が強すぎて、どうしても入るきっかけがなかった。
 アラミゴの奪還の慰労も兼ねて女性たちが温泉に行くのに、半ば巻き込まれる形で連れてこられたアルフィノだったが、思いがけない贅沢に微笑する。
 夜の海が良く見える場所に目星をつけ、身を清めてから湯船へと向かう。
 遠く水平線に松明を煌々と燃やした大型船や、小さな灯りの小型船。夜の溶けた境界線から見上げると星たちが瞬く。
 あの夜空に一際輝く大きな星と、それに連なる小さな光たちはまるで、光の戦士と自分たちのようで。
……まだまだ叶わないな」
「なにが?」
「っ!!」
 一人ごちたつもりだというのに、いつの間にかタオル一枚を身に纏った光の戦士と呼ばれる女性がすぐ傍へと近づいてきた。
「ど、どうしてここに」
「物音がするなって思ったらアルフィノが一人で行動してたのを見かけて、ついてきちゃった」
 へらっと笑う英雄全としない人懐こい表情を見せる。
「人がいなくてラッキーだな」
 きょろきょろと左右を確認すると、肩まで身を沈めてからスイ〜っと泳ぎだす。
「遊泳禁止だよ」
「一回やってみたかったんだもん」
 悪戯っ子な笑顔で広い湯船をあちこち動く。
 大きなタオルといっても、そんなに動いたらズレてしまうのではと気づき慌てて顔を背けた。
「気持ちい〜」
 背後のすぐ近くで声がする。ゆらゆらと彼女が動いて生まれる波が肌に伝わる。
「そんな格好ではしゃいだら、タオルも取れてしまうよ」
 温泉の熱だけではなく、薄布をまとったよく知った女性の存在に、妙な緊張が走って頬が熱い。
「あはは、大丈夫だって。下、水着。ほら」
 彼女の体を隠していたタオルが目の前に放り投げられパシャンと音を立てる。見て、と声をかけられるので仕方なく振り向くと。
――っ、な」
 予想外の姿に絶句する。
 泳いで髪が首筋に張り付いて、たくさんの雫が肌の上を流れていく。
「ね、ちゃんと水着でしょ」
 シルバーの小さな水着を確かに身に着けているが――下だけだ。
 手のひらほどの形の良い白い胸を堂々と曝け出し、その頂には可愛らしく扇情的なピンク色の突起。隠すこともなく、目の前にそれがあった。
 形を主張するように伝う水滴が酷く艶めかしい。
……
 こんなに恥じらいもなく丸出しにしているのは、自分を子どもと思っているからだろうか。それとも、からかっているのか。
 彼女は昔から無防備で、子ども扱いをする。寝間着で抱きつかれたり、水浴びに混ざってきたりなどよくありすぎて、これもその一環なのだろうか……
 そしてこれが男の本能なのか、白い女の胸から目を離せずにいた。
「アルフィノ、どうした……あっ!」
 彼女は自分の何もつけていない胸を見下ろすと慌てて、ざふん!と、大きな音と共に湯船へと沈む。
 あわあわと声にならない悲鳴をあげながら、自分の胸元を隠す。
「もしかして、つけるのを忘れていた……?」
 もしやと思い問いかけると真っ赤な顔で力強く何度も頷く。
……全く、危なかっしいのだから! 私だけだからよかったものを……
「よくない」
 真っ赤になって湯船に顎先まで浸かった彼女が恨めしそうな視線を投げる。
「君は何度か私の水浴びに下着一枚で混ざりに来たりしていたじゃないか……。今更だろう?」
「今更じゃない。だって……だって、イシュガルドのときはアルフィノ子どもだったし」
 バスタオルを引き寄せて手渡すと、もぞもぞと胸元を隠し始める。
「そこまで年月も過ぎてはいないし、背が伸びたりはしていないよ」
「そうじゃなくて、なんていうか、その……
 じとりと不満そうな相貌がこちらをじっと見つめる。
 羞恥に濡れた瞳がキラキラしていて吸い込まれそうで。
「アルフィノ。ちょっと、大人になった気がするから……。恥ずかしいの」
 ぷいと彼女の視線が自分から外れる。真っ赤な横顔が松明の灯りに照らされて、艶めいて見えた。
「それは……
 思わず伸びた手は、くるりと背を向けて立ち上がってしまった彼女に躱されて空を掴む。
「私、出る。長風呂して風邪ひかないようにねっ」
 振り向きもせず早口でそう言うと、バシャバシャと派手な音を立てながら湯船から出ていってしまった。
 彼女の背中は遠ざかり湯気にまかれて見えなくなる。
……どういう、ことだろう」

 少しは、あなたに近づけているのだろうか。

 そう思うと、心の内側から温もりが広がっていくようで。
 すぐにでも追い掛けて彼女に問いかけたいのに――

 立ち上がって追い掛けることができない、まだまだ若造で元気な下半身の状態を恨んだ。