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望月 鏡翠
2026-01-04 01:24:35
880文字
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日課
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#1954 泥の味を知るものたち4
#毎日最低800文字のSSを書く/我らが王の身罷りて 二次創作
なんならそこの机を使ってもいいぞ、と窓際の場所を示す。トルガがそれをよしとするなら、とジョアンもそれをよしとしたらしかった。
用があったらすぐに声をかけることができて都合が良いでしょうという言い方をしたが、トルガを見張る意味合いももしかするとあったのかも知れない。
エリセオは仕方がなく、手習を再開した。
彼に使わせるような紙はない。石灰で石に字を書き、水で拭って消すことを繰り返している。
「今、よろしいですか?」
「お前が良いと判断したなら、良い」
各地の情報を探らせてる件か、他に頼んでいる仕事か。どちらかわからぬが、ここで話してもいいと思ったのであれば、おそらく重要度はさほど高くないのだろう。
「密航者を捕縛したとの報告が入りました」
「うん、思ったよりも早かったな」
王が身罷ってすぐに動いていたとしか思えぬ時期だ。どこの家が呼び寄せたものか分かれば面白いが、依頼人を守るために勝手にやってきただけだと口にするかも知れない。
建設に準備を進めている砦も無駄にならずに済みそうだ。
「本国に追い返しますか?」
「まさか、もったいない。元はレシーの国民だろう? もちろん、相応の待遇を持って遇するさ」
ジョアンがふと手を止めて、トルガの顔をじっと見つめた。
「まさか最初からそのつもりでしたか?」
「もちろん。新しい砦も建つし、穀物も増やした。俺が堂々と傭兵を呼び寄せれば戦の意思があると目をつけられる。だが他の家が謀で勝手に呼んでくれるなら、言うことはない」
密輸の押収品は証拠物であり、貿易品とは別の場所が管理をしている。
元々金で雇われている連中だ。戦の相手が誰になったとして、払いが保証されているのであれば、言うことはないだろう。
「あなたは油断がならない人だ」
「それは褒め言葉として受け取っておく」
ひらひらと手を振る。
レシー本国には手紙を送った。
いずれ女預言者たちがこの国にやってくる。それに備えてトルガにはまだ準備をしなければいけないことがある。賞賛をじっくりと浴びている時間などありはしないのだ。
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