kanaco
2026-01-03 22:04:27
7407文字
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【龍信+虎十二】ドレスコードの仕上げ

《龍信+虎十二》虎兄貴と社交パーティーに出席することになったので、信一くんに身だしなみを整えてもらう十二くんのおはなし。成立済の龍信+成立済の虎十二ですが、ほとんど十二と信一しか出てきません。

「ほら十二、シャンとしろって」

信一が言って、目の前に立たせている十二の尻を遠慮なく平手で叩いた。

子気味の良い音はしたものの、服の上からのため痛いわけではない。しかし良い気分ではなかったので、十二はむぅと顔を顰めた。それでも素直に言うことを聞いて姿勢を正すと、信一が「よしよし」と機嫌よさげに十二の体をクルリと半回転させ、自分の正面に向き合わせて十二の襟元を正した。

「ん、イイ感じ」

満足そうに言った信一の、笑った息の音がする。十二が下げていた目線を上げると、信一越しに姿鏡に映った自分が見えた。信一が視線に気がついて場所を動く。

全貌が見えた十二は(あ!)と声出さずに感嘆した。

パリッとしたスーツを着て、いつもよりも大人っぽい雰囲気を纏った自分が、心もとない表情をして突っ立っている。

清涼感のある白シャツ、無地であるも艶感のあるブラックスーツ、それに合わせた落ち着いた色のネクタイは品よくまとまり華やいでいた。足元の革靴も含めいつもよりスタイリッシュにさえ見える。

おめかしが好きな十二ではあるが、普段は緩やかでカジュアルな範囲の中でオシャレを楽しむので、フォーマルかつドレッシーな自分の姿が物珍しい。服装1つでこうも見た目が変わるのかと感心をしてしまう。

今日の夜、社交パーティーに出席する予定があった。架勢堂の代表として虎兄貴が招待をされており、その付き添いとして十二も参加することになっていた。十二がそういう場に出席するのは初めてではない。それにも関わらず、今回の社交パーティーについて十二の気が引けているのは理由があった。

問題は、今回のパーティーがあくまで政界や国に直接影響を持つような金持ち、芸能人などが参加する“クリーンな場”という名目である点。そして十二が虎兄貴の部下・護衛としてではなく“連れ合い”としての参加する、という点だった。

もちろん表向きではある。参加者の背後には黒社会へドップリと関与している者も多いし、虎兄貴のように商人と黒社会を兼ねている招待者もいる。十二だって今までの通り虎兄貴の護衛として参加をするつもりだ。

しかし十二がどう考えていようとも、今回はあくまで健全な場であり十二は若頭というよりは虎兄貴の“パートナー”としての参加が求められていたのだ。それが十二としては非常に緊張を強いられることだっだ。

自分の軽率な行動や失敗が架勢堂及び虎兄貴の名前に傷をつけることは常日頃から意識しているが、今日はまた事情が違う。暴力の世界とはまた違う品性や格、振る舞いを値踏みされることになる。正直なところカチコミに行く方がよっぽど気が楽である。

「ほら、カッコいい。イケてるじゃん」

十二の元気の無さを気にも留めず、信一は十二の肩からひょいと顔をのぞかせて少しだけ揶揄うように言った。

信一は十二の身だしなみや着こなしを整えるために虎兄貴に呼ばれた助っ人だった。それにグロッキーな気分になっているであろう十二のメンタルを安定させるための人選配慮でもある。

兄弟同然の幼馴染である2人は、子供の時代を一緒に過ごし、その後も拠点は違えど一緒に成長し、やがてお互いの中だけで秘密にしていた兄への恋心を実らせた。部下として信頼され、息子として慈しまれ、恋人として愛されるという境遇を共にする特殊な遍歴。それゆえお互いのプライベートに隠しごとがなかった。十二が何の遠慮もせずに甘えられる相手は信一に限った。それに信一は龍捲風の連れ合いとして既に社交場に出ている点でもケアにおあつらえ向き。

今回の参加を聞いてニンマリと笑んだ信一は二つ返事で架勢堂にやってきて、ちゃきちゃきと十二で遊び始め改め着つけや準備を始めた。

「浮かない顔だなぁ」
「きゅうくつ
「そりゃ当たり前だろ、ダボダボなスーツじゃカッコがつかないっての」

TPOだろ、TPO!とまるで覚えたての単語を乱発するように喋り「ほら、来いよ」と十二の手を引く。丸椅子に座るように促してから自分も向かいの丸椅子に座り、十二の手を取って指一本一本丁寧に薄くハンドクリームを塗り始めた。

決してキツくはないのに華やかな香りが鼻をくすぐる。その匂いに包まれていると気分が落ち着く気がして、大きく鼻から息を吸い込む。マッサージのように信一に触ってもらっているのも、心が静まっていく要因でもある気がした。リラックスしていく様子を見た信一がふふっと小さく笑った。

「いつも通りにしてりゃいいのに、何でそんな緊張してんの」
「なんか雰囲気に呑まれそうじゃんか。失敗できねぇし」
「お前は失敗なんてしねぇだろ、要領がいいんだからさ。俺ほどじゃないけど」
「お前のその鋼メンタル欲しい。いや、やっぱいらねぇや。引き換えになんか大事なモンまで失いそう。くっそ、鉄砲玉まがいの任務の方がまだ緊張しねぇよ」
「比較が物騒すぎるだろ、若頭。あとフツーにお前失礼だな?」
「はぁ~、首元が詰まってて嫌だ。ネクタイゆるゆるにしてぇ!」
「無視かよ、坊ちゃん。ダメに決まってんだろ」

ぼやくように喋るものの、信一は会話の内容には気を留めていない。どちらかと言えば、十二がテンポよく返事を返すようになったことを“良い”と判断をしたようだった。

十二がまた黙って信一の手の動きを見つめる。スーツを着る前に今と同じようにイスに座らされ、やすりで丁寧に整えられて磨かれていた爪は、クリームにも馴染んで自然な艶やかさを放っていた。ツヤツヤとした指先美人状態がどうにも気恥ずかしい気持ちになる。

「なぁ、やりすぎじゃね?」
「何が」
「こんなトコまで誰も見ねぇだろ」
「ばーか、爪の先っぽまで一切の気を抜くなよ。やり過ぎくらいでちょうどいい。でもやり過ぎを悟らせんな。お前の過度の緊張は合ってるよ。緊張を見せるのが悪手というだけさ」

ずっと神経を尖らせて、でも優雅に微笑み続けてろよ、と信一が何でもないことを注文するように軽く言う。気疲れが酷そうな提案にうんざりした十二がますますしかめっ面をすれば、小指まで塗り終わった信一がズイッと十二に顔を近づけた。

「どうして俺がここに呼ばれたと思ってんの」
最高の状態のお前を社交界に知らしめるためだろ。
「だから細部まで完璧にしないとな。なんたって“虎兄貴のお前”なんだから」

息が吹きかかるほどの距離感のまま、信一は誰もが見惚れるような美貌を甘やかにとろかせて、十二の唇をふにっと指先でやんわり触った。どんな人間でもドキリとしてしまうだろうその仕草を全く意に止めず、十二は子供のように拗ねたような表情をした。

信一はすでに何度も龍兄貴と公の場に出ている。信一のデビューについては、十二は少し後から聞いたのだ。十二から見れば抜けているところが多い幼馴染のことが気がかりで、その場にも参加していた虎兄貴に様子を訪ねていた。

虎兄貴は少し唸ると「危なげないどころかやり過ぎなほど場を圧巻した」とボヤいていた。「信仔はパフォーマー気質だからなぁ。一段と華やかだったのはいいが、龍の暴れようを宥めるの方が億劫だった」その言葉に十二は首を傾げた。まさかケンカをしたわけでもあるまいしどういう意味かと疑問に思ったが、疲れていそうな虎兄貴を休ませる方が先だと考え、そこで会話が途切れたのを記憶している。

何はともあれ信一はデビュー時にうまくやったらしかった。でもそれを自分には手伝わせてくれなかった。

お前のハジメテの日は誰に準備をしてもらったの?」
「そりゃ決まってんだろ、龍兄貴だ」
「ズルイじゃん。俺だってお前の時に準備やりたかった」
「そんなこと言ったって、そんときゃお前は社交場未経験だろ」
「お前と俺じゃ何するにしたってそんな変わりないじゃんか」
「残念ながらあるんだなぁ、俺のが年上だもん」
「二つ三つだろうが」
「そう、お前の言う通り二つ三つも年上」

“おにぃさま”とお呼び、と信一は言って小さな白いケースを取り出し中で指を滑らせた。

「十二、口の形をうーってして」
「げっ、口紅?女じゃねぇんだぞ」
「んなわけねーだろ、リップクリームだよ。色や艶じゃねぇ。若くて健康的でふっくらとした自然な潤いってのがああいう業界じゃ“誘う”のよ」

信一がうっそりと笑う。信一は成すがままの十二の唇を遠慮なく触って仕上げると顔を離す。

「よし、最高」

「十二、立って。顔もキリっとさせて」と信一が促した。続けて「ターン」と言うのでゆっくりと体を回転させて信一に隅々まで見せると、信一が今日一番満足そうな顔をして頷いた。

「いいぜ。これで会場の女の視線も男の視線も独り占めだな。年下はまぁまぁ。年上はほとんど釣れんだろ。堂々として虎の威厳を放ってろ。それで要所で愛嬌よく笑ってやればイチコロってな」
嫌いだそういうの、目立ちたくねぇ」
「でも苦手じゃねぇだろ?そんなヒヨってないで会場の視線を独り占めして来いよ。やり方はお前次第だが“兄貴ご自慢の俺”を世間に認知させる絶好の機会だぜ、若虎の坊ちゃん」

信一はなんだか楽しそうだった。十二がお披露目になることが嬉しいらしく、後ろから軽くハグするように十二の肩を抱いて軽やかに喋り続ける。

「そうしてみんながお前に夢中になるけど、お前は虎兄貴のモンなんだってのを言わずとも分からせてこい。いつもうるせぇイロとか何だとかの色眼鏡の声を、上からねじ伏せるくらいにさ。兄貴のたけぇ格を俺たちがさらに押し上げる。ゾクゾクするだろ?」

俺はたまんなかったね!と晴れ晴れとした顔で朗々と言う信一は、ジトっとした目で鏡に映った自分を見つめる、鏡の方の十二に向かってパチンっとウィンクをした。十二はますます呆れ顔を深めた。

「なんかお前のデビュー時に虎兄貴が龍兄貴を抑えるのに疲れたって言ってた理由が分かった気がする
「そうだったかな?龍兄貴はノリノリだったと思うけど」
「ノリノリだったのが、大変だったってことだろ」

「2人して悪ノリしてうちの兄貴に苦労をかけないでくれよ」と十二は苦言を呈した。龍兄貴と信一のことだ。その美貌と迫力と覇気、そしてお惚気っぷりを意図的と天然を織り交ぜながら発揮して会場を席巻したに違いない。それに当てられることのない虎兄貴だけが気苦労を強いられただろうことも安易に想像ができた。

信一はケラケラと笑った。十二と虎兄貴が上司と部下の関係を超えるよりもっと前に、上司と部下、そして義父と養い子の関係を超えていた信一と龍兄貴は、前者よりも少し大っぴらな行動力を持ち合わせていた。

龍兄貴と虎兄貴は義兄弟であり、九龍城砦と架勢堂も懇意であるが、この2つの組織やボスは特性がかなり相違していた。

龍は天高く舞って厳かに華々しく、虎は地を堅実に踏み威厳と気品を纏う。

連れ添う覚悟があるのであれば、子龍と子虎もそれ相応に。

「まぁ、大切なのはそこに“兄貴あり”で、その横に俺たちがあるってことだ」

信一が凛とした響きで言った。十二は顔を引き締める。それは正しかったからだ。

「それに悪いことばかりってわけでもないよ、十二」

だから頑張ってくるんだぞ、と信一が十二のこめかみにライトキスを押しつけると、背後のドアが前触れもなく開いた。

十二と信一が同時にクルリと顔をそちらに向けた。すでに身支度ができたらしい虎兄貴の片目が、双子のようにきょとんとした表情をしてひっついている若者たちを不思議そうに見つめている。

虎兄貴の正装の渋い美しさに十二がドキリとしていれば、十二が言葉にするよりも早く信一が「兄貴かっこいい!」と明るい声を上げた。「そうかよ」と気軽に返事する虎兄貴に向かい、信一が十二の体を掴んで兄貴の正面へとグルリと方向転換した。

「見てよ、俺って天才じゃない?」

自信満々の信一にトンッと背中を押された十二が、少しだけ心配そうに兄を見上げた。虎兄貴の視線が頭の先からつま先までゆっくりと動いて、やがて十二と視線が合うと柔らかな瞳が十二を包む。感触が良さそうなことに十二は安堵し、それから嬉しくなって自然に頬を緩めれば、虎兄貴が穏やかな調子で口を開いた。

「いいな」
「でしょ!じゃぁ、最後の仕上げは兄貴がしてあげてよ」

信一がニッコリと虎兄貴に笑いかけた。

(最後の仕上げ?)と十二が信一の顔を見ると、信一が「兄貴、ちょっと待って」と叫び、両手のひらを丸みを作るように合わせて十二の耳にくっつけた。それから十二の耳にしか届かないような小声でコソコソと話す。何だなんだと真剣にその囁きを聞いて、やがて十二がボンッと顔を赤くさせたを見届けてから、信一がまたニッコリと笑ってパッと離れ、端のテーブルに放られた手荷物を持った。パタパタと駆けていく。

「俺に妬いたらダメだよ、兄貴」
「お前に妬くことがあるか」
「だよねぇ、じゃぁ俺は終わったから帰るね」

「十二もじゃぁな。今日がどうだったのか明日の夕方にでも聞かせろよ」とヒラリ手を振って、信一が颯爽と部屋を出ていった。十二が反応を返さず体を硬直させたままじっとしていると、虎兄貴が近づいてきた。虎兄貴の指が伸びてきてクイっと顎を掴み、少しだけ上へと向かされれば、一度は薄れかけた緊張がまた戻ってくる。しかしそれでは兄貴も困るだろうと思い、十二はヘラリとした笑顔を向けた。

「ずいぶんとめかし込んだな」
「正直、慣れないっすね」
「そうか?似合ってるじゃねぇか」
「兄貴がそう思ってくれてるなら良かった」

それだけで俺は十分です、と心の底からホッとして息をつけば、虎兄貴は面白そうに言った。

「珍しいな。豪胆だと世間じゃ評判なうちの坊が随分と大人しい」
「そういうわけじゃないんですけどちょっと緊張して。でも心配いらないです。始まったらちゃんとしますから」

あなたの俺だから、恥をかかせるようなことはしません。

真っすぐに目をみて、真剣な表情でそう言えば、虎兄貴はますます興味深そうに口を弧にした。十二の顎を捉えていた指先がそっと肌をなぞりながら首筋を下っていく。十二の喉がピクリと震えた。それからグイっとネクタイが引っ張られて、十二が目をシロクロさせているうちにシュルリとネクタイが解かれてしまった。

「あ!ちょっ」
「言うと騒ぎそうだから、信仔には黙っておけよ」

ビックリはすれどそれ以上の反応ができないままの十二がジッとしていれば、シャツのボタンが2つ目まで外されて左鎖骨が外気に触れた。その露わになった場所に虎兄貴の頭が降りてくるのはほとんど同時で、フワリとかかる息やそこを強く吸われる感覚に体をゾクリと揺らし、十二は鼻から「んっ」と小さく息を漏らす。

満足気な虎兄貴が顔をそっと離すと、十二が慌てて鏡の方を向く。左鎖骨のすぐ下には少し遠目でもハッキリと分かるほどの深紅のキスマークがついていた。ワッと顔を赤くした十二のことを気にせず、今度はシャツのボタンを上まで止めて、信一がしたように美しくきっちりネクタイをしめて十二の身だしなみを整えると、今度はまだ飾りつけていない耳たぶを優しく揉むように触る。

そんな小さな刺激でさえ鼓動が高鳴って体を痺れさす十二は、虎兄貴が自分の右手に渡した何かを無意識にギュっと握り込んだが、固い感触にあれっと意識を浮上させて、その正体を確かめた。

開いた手のひらの上でコロンと転がっている石が2つ。オレンジにも似たイエローが光を集めて純粋にキラキラと輝く。シンプルながらも太陽を思わせる存在感を放つピアスは、十二のためだけに用意されたものだった。

「プレゼントだ。つけてこい。15分後には車を出す」

サプライズにぽかん、としているうちに虎兄貴が踵を返してしまい、その後ろ姿に「ありがとうございます」とお礼を投げかけることになってしまった十二は、閉じたドアを見つめた後に5秒ほど静止した。それからいそいそと鏡の前に移動してピアスを身につける。

シックで大人っぽくまとまっていたスーツ姿に、差し色のようにイエローの煌く。その輝きは十二の若さを含む晴やかな無邪気さや艶やかさ、そして十二が誰のものであるかを明確に主張しているようだった。

十二はスーツとシャツによって隠された、鎖骨辺りのマークの辺りをそっと触った。

信一が帰る間際、十二にイタズラっぽく囁いた声が耳に蘇る。

「スーツは俺達にはまだ窮屈かもだけどさ。いつも余裕な兄貴たちの俺たちへの執着が見える貴重な場でもあるぜ?たっぷり愛情は貰ってるけど、嫉妬心ってあんまり見えないじゃん。でも俺たちが人目に触れる。だからカッチリ着込んだ見えない所にしっかり独占欲を刻み込まれたり、あからさまな所有を印つけられるの、すっげぇクる」

「それが最後の仕上げってわけ。俺たちを強くする一番のドレスコードさ」

「それに頑張った後の夜、お堅いスーツを1枚1枚兄貴に脱がしてもらいながらじっくり可愛がってもらうの、毎回マジですげぇ燃えるから」

悪いばっかりじゃないって言っただろ?
お前もそれを楽しみに、会場じゃ集中して頑張ってこい!

ダブルグッジョブでもかましそうなほど、爽やかな笑顔をして去っていったあの幼馴染。経験者は語るとはこのことであろうが。

(いや、そんなもん集中できるかっ!)
(アイツ、龍兄貴とスーツエッチするのを楽しみに毎回会場引っかき回してんの!?)
(こっちはむしろ後の方のことを考えて、そっちにガチガチ緊張してきたわっ!)

緊張と期待に感情が高ぶって、クワっと目くじらを立てた十二は慌てて大きく深呼吸をした。それから片手を握りしめると鏡に映る自分の腕とコツン、グータッチをする。

精神統一。ひとまずは気合を入れ直し。

信一の言う通り“兄貴ご自慢の俺”を世間に認知させる絶好の機会だ。
虎兄貴に相応しいパートナーとして、最高のパフォーマンスをしてみせる。

スッと気持ちを切り替えた十二は、しっかりとした顔つきと足取りでドアに手をかけたのだった。