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babugaki
2026-01-03 17:52:37
1004文字
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君とふたり
放誕生日おめでとうSSです。イラストを元にしています。
「やっと見つけた!」
よく目立つ、のに、全然見つけられない笠の後ろ姿をようやく見つけて、思わず大きな声が出た。月を見上げていた彼は、ゆっくりと振り向いて、澄ました顔で「来たのか」なんて言った。
「わかってたくせに。俺が君を探してるって」
「さぁ、なんのことだか
……
」
わざとらしく肩を竦める彼の隣に並んで、一緒に歩く。こんな街の外れで何をしていたのか、と尋ねると、別に、と答えじゃない答えが返ってきた。
「ドゥリンも探してたよ。君がどこに泊まってるのかは誰も知らないって言われて
……
」
「僕はひとりでナド・クライに来たんだ。当たり前だろう」
「そうかもしれないけど
……
」
「今年は五月蝿い連中がいないから、静かでいいと思っていたのに
……
結局君に見つかってしまったな」
くすくすと笑って、彼がちらりと俺を見る。からかうような表情と声だ。俺はムッとして、揺れる手に手を伸ばした。
彼は驚いて、手を振り払おうとする。俺はそれをいなして、ぎゅっと強く手を握った。
「こんな往来で、何を考えているんだ、馬鹿!」
「誰も見てないよ」
「そういうことじゃ、」
「君をお祝いしに来たんだ。逃げられたら困る」
「逃げるなんて、君相手に
……
」
苦虫を噛み潰したような顔で、彼が俯く。
「俺からは逃げないでいてくれるんだ」
「
……
さっきのは」
「嘘でも冗談でも言葉の綾でもないでしょ? 君の本音だってわかってる」
俺が言うと、彼はぐっと押し黙る。手を振り払うのは諦めたらしい。掴んだ手から、余計な力が抜けた。
「
……
それで、どうやって祝ってくれるの」
「そうだ! プレゼントを用意してるんだ。俺の宿に来て。あ、パイモンはアイノとイネファのところに泊まりに行ったからいないよ。俺とふたりっきり」
「ふぅん」
ふたりっきり、というのが、お気に召したらしい。少し機嫌が上向いたのを感じながら、俺は彼の手を引いて歩く。
「誕生日おめでとう」
「ふん、毎年毎年、僕なんかの誕生日を祝って、何が楽しいんだか」
「またそういうこと言って。嬉しいくせに」
うるさい、と背中を叩かれる。こういうじゃれ合いも、出会った頃には考えられなかったな、と思う。
「なに、ニヤニヤして」
「別に? おめでたいなと思って」
おめでとう、と繰り返す。ありがとう、と呆れたように返ってくる。来年もこうして、なんて、気の早いことを、考えていた。
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