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babugaki
2026-01-03 01:25:44
717文字
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祝福
放誕生日おめでとうSSです。メールのネタバレがちょっとあります。
「君から会いたいって言ってくれるなんてね」
そう俺が言うと、彼は眉間に皺を寄せた。そうは言っていない、と低い声で言って、ふい、と顔を背けてしまった。ナシャタウンの酒場の隅、簡単なつまみとお酒の乗ったテーブルを前にして、不機嫌な顔をしているのは彼だけだ。
「ドゥリンがうるさいんだ。何日か前から、誰かに会いに行くことの意味を、必死に説いてくる」
「うん。それで、俺を選んでくれた」
「
……
君くらいしかいないだろう」
そう、彼が拗ねたように言う。そうだね、と俺は返して、テーブルの上に所在なさげに置かれた手に手を重ねた。ぴく、と指が動くけれど、振り払われたりはしない。
「誕生日おめでとう。今年はいちばんに祝えて嬉しいな」
「物好き」
「だって、いつもなかなか一緒にいられないから。今は、そんな場合じゃないって君は言うけど
……
君が生まれたこの日は、やっぱり俺にとっては特別だ」
真っ直ぐに想いを伝える。彼はむにむにと唇を動かして、居心地悪そうにしている。照れているのだ。可愛い。
「
……
僕は」
「うん?」
「君に名前を貰ったとき、も一度生まれたようなものだ。だから
……
祝うなら、その日、も
……
」
そこで、彼は言葉を飲んだ。自分がどれだけすごいことを言っているのか、気づいてしまったらしい。俺は逃げようとする手をまた捕まえて、ぐっと顔を引き寄せる。
「君がそう言ってくれて嬉しい。何度だって、俺は君に祝福を贈るよ。誕生日おめでとう、」
そして、名前を囁いた。彼の目がほころぶ。抱きしめるにはテーブルが邪魔だ。せめて、と身を乗り出して、するりと頬を撫でた。
くすぐったそうに目を細める彼が、可愛くて愛しくて、仕方がなかった。
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