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バラ肉
2026-01-03 00:44:43
2291文字
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パネトラ⑤ ニンブロ
『噛み跡』
🥷が執着心つよつよでいつもブロチャソを噛み跡だらけにしててほしいよーというイメージで。
受けちゃんに噛み跡残すやつは、ちゃんと責任を取るべきだと思ってます!!
※事後の翌朝。
※🥷さんが黒髪ロングです(お団子にして頭巾に隠してるイメージ)
「なんか、ニンジャの口ってもっとデカくなかったか?」
「
……
は?」
突然投げられた疑問に、ザ・ニンジャは髪を結い上げていた手をピタリと止めた。
「
……
なんだ、藪から棒に」
身支度を一旦中断し、発言者であるブロッケンJr.を見れば、彼はベッドに腰掛けた状態で己の内腿を眺めていた。黒いブーメランタイプの下着を丸出しにして両足を広げる有様は、朝から酷く挑発的だ。ましてや付け根を指で捲っているせいで、普段は見えない筋肉のラインにゾクリとする。
思わず目がそちらへ釘付けになってしまう。
しかし、本題はそこではない。
ニンジャは一瞬過ぎったやましい気持ちを隠すべく、いつもよりも雑に髪を縛った。
そして改めて相手を見れば、今度は左の脇腹へと視線を変えていた。
「いや
……
ニンジャの歯形ってこんなに小さかったっけ? と思ってよぉ。
……
昔はもっと大胆に付いてたから。特に、右肩とかは毎度酷かったし」
「ッ!
……
それ、は」
右肩の歯形。
そのワードに、忍びは分かりやすく体を強張らせた。
こう見えて、ニンジャは人一倍独占欲が強い。
得るよりも捨て去ることの方が圧倒的に多かった、忍びの道。
その終着点の末に、ようやく手に入れた“恋人(ブロッケンJr.)”という存在は、本人にとって何よりも大事な存在となった。
絶対に誰にも渡さない。手が離れても、決して何者にも譲らない。
言葉に出さない執着は形として現れ──結果、抱き合う度にブロッケンの全身は噛み跡だらけとなった。
おかげで初めて繋がった翌日などは、もはや目も当てられぬほど噛み跡と指の跡とキスマークで埋め尽くされていたものだ。
救いだったのは、ブロッケンJr.自身に少なからず被虐趣味があったことだろう。
頭を下げて詫びるニンジャに、『別に、そんなにヤワじゃねえし』と笑って見せたのは決して強がりではない。
そうして、時に優しく、時に乱暴に。
鋭い歯がしなやかな肌に食い込み、証を残す行為は、二人にとって愛撫の一部となっていた。
──なので、ブロッケンJr.も今更それにとやかく言うつもりはなかった。
ただ、不意に目に入った痕を見て、付き合いたての頃に比べると随分と控えめになった気がしたのだ。
中でも、右肩──かつてミスターカーメンに肉を引きちぎられて引き攣れ痕が残る場所は、当初念入りに噛み跡を残されたというのに。
痛いと泣いても止めず。まるでかの悪魔を上書きするように食らいつかれた記憶は、今でもしっかり心身に刻みこまれている。
大きく口を開き、ギリギリと噛まれた痛みは本気で辛く。思わず呻き声を我慢できなかった。
シーツに血がポタポタ落ちていく様と、その後のキスに感じた鉄臭い味はあまりにも印象的で。
苦しさを耐えて見つめたニンジャの目の色は、今でも鮮明に思い出せる。
『拙者以外の傷跡など
……
許せるものか』
ボソリと吐き捨てられた本音は、きっと一生忘れられない。
それなのに、あの頃に比べるとニンジャの歯形は随分と控えめになった気がする。
「まあ別に良いんだけど、なんつーか
……
その、物足りないっ
……
って訳じゃねえが」
ガシガシ頭を掻くブロッケンJr.は、気付いてしまった事実にどこか居心地悪そうに眉尻を下げた。
ついで、まさか自分の敵対心がバレていたとは知らずに焦るニンジャに、確かめるように視線を送る。
「
……
でも。
……
その、よぉ。ちゃんと
……
オレを、えっと
……
キズモノにした責任、つーの? それを取ってくれる気は
……
あるんだよ、な?」
「ーーッ!?」
辿々しくも紡がれた“キズモノ”、“責任”という単語に、忍びの目は信じられないとばかりに大きく開いた。
一体どこでそんな言い回しを覚えたのか。
そんな疑問を叫ぶよりに、恥ずかしそうに前に突き出た唇のあざとさに、息を飲む。
誰に吹き込まれたかは知らないが、この男が自分で発言したからには、相応の覚悟があってのことに違いない。
普段は直情的なものの、色恋沙汰には奥手すぎるほど奥手になる。
ニンジャは身をもってそれを知っていた。
ソワソワと視線を彷徨わす新緑色の瞳が潤んでいるわけも、聞かずとも伝わる。
冗談では済まされない。
「ブロッケン
……
お前は、そのつもりなのだな?」
「ッ
……
それは
……
そりゃぁ、まあ
……
」
煮え切らない返事が、嫌だからではなく、単なる照れ隠しなのはお見通しだ。
ニンジャは、いつのまにか太腿の上でキツく握られていたブロッケンの左手を、ソッと掴んで持ち上げた。親指で手の中をこじ開け、指同士に隙間を作る。
その動作に訝しげになる眼差しへ笑顔で返し。
「ニン
……
ぃ゛ッ!」
そして相手から戸惑いが零れる前に、その左手の薬指を口内へ運び、ギリリっと噛んだ。
上下の前歯をしっかり食い込ませれば、鋭い痛みに逃げようと手が引かれる。だが、そんなに簡単に解放はしない。掴んだ部分に力を込め、逃げるのを阻止する。
「ンッ、ちょっ
……
痛ぅっ
…
!」
漸く解放されたのは、そこからうっすら鉄の味がした時だった。
ゆっくり口内から引き抜いた指は唾液でぬらりと濡れ、根元にはハッキリと歯形が残っていた。昨夜、内腿と脇腹に付けたよりもずっと深く、ずっと濃い。あたかも、初めて抱いた時と同じくらいの強さで。
「ーー証だ」
己の歯の形に窪んだ場所に、器用に舌を這わせながら低い声が嗤う。
「日本男児として、期待には応えなくてはな? そうだろう
……
ブロッケンJr.」
囲う噛み跡は、生涯を誓う形に似ていた。
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