ortensia
2026-01-02 21:27:20
285文字
Public 傭リ
 

砂漠に舟を渡す(!?)三途さんと傭(砂?)


 真っ黒な装束の人影が、砂漠で舟を漕いでいた。黒い小舟、黒い櫂、それを黒い姿が操るのを、砂漠の砂の、一粒一粒が見ていた。
 渡る黒は死者を運ぶ。世界を焼く日が昇っても、それを凍らせる月が昇っても、それは渡り続ける。死者の渡りは絶え間ないから。
 舟を覗き込む砂が、砂漠を波打たせて盛り上がる。
「なんだ。食い出はないのか。」
 それを櫂を鎌に変えて砂を散らす。
「おまえのせいです。」
 砂は直ぐ死体を枯らしてしまう。
 舟は日の出から日の入りの方角を行き来する。
 それを運ぶ砂は、それを見守る。繰り返されるそれに、飽きることなく。
 ただ、絶え間なく、永遠に。


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