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chiya_turb
2026-01-02 15:01:56
1643文字
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Ms.シュガーボンボンの恋愛喜劇 幕間
新年の先輩長義ちゃんと後輩肥前くん。所属先の関係で、あまり年末年始という区切りがないふたりは今日も仕事をしている。
※後日聞かされた長谷部ちゃんは、ひぜんくんかわいそぉ……って同情で美味しいコーヒーを差し入れしたし、なんだかんだ肥前くんも長義ちゃんの事がすきなのが分かったのではよくっつけ!!!! とも思った。
どうにも元気がないらしい。
誰の、といえば目の前の刀。二色の蓬髪で眉間に僅かに皺を寄せつつディスプレイと向き合っている、長義が特別に想っているたった一振りの刀で。
「調子良くないのかな」
何が、とも誰が、とも言わない。
それを肥前がどう取るかで、長義のその後の動きも変わる。
長義の存在には気付いていたのか、肥前は驚くでもなくディスプレイに顔を向けたまま視線だけで長義を見た。
「年末年始のどさくさに紛れて、数値が悪化してるところがある」
「おや、何処かな」
肥前が指さしたディスプレイを見れば、長義が記憶していた時よりも格段に悪くなった数値が並ぶ。
それは先月頭に長義と職員数名が調査に行った土地に置いてきた装置から送られてくるデータだった。
「もしかして、再度調査に行く必要があるかな」
「どーだろうな。調査依頼は出したが緊急性がない。誤差の範囲、とぎりぎり言い切れないこともない」
「微妙だね。俺としては、肥前が引っかかったならば行く理由としては十分だと思うんだが」
「そういう感だけじゃ、貴重な職員を現地に送り出せねぇだろ」
「そうだね」
なかなか難しいもので、溜息ひとつ。
そして悩む振りをしながら肥前の背中にもたれかかるように体を預ければ、ほんの一瞬びくっと反応する。
その反応に、長義の口角が緩く上がった。
椅子に座った肥前と、立ったままの長義だと普段とは違う高低差になる。今の肥前の頭の位置は、長義の肩の高さよりほんの少し低い。
しかも、肥前が腰掛けている椅子は普段仕事の時に使用している背もたれのしっかりとした作りの椅子とは違って、背もたれのないシンプルな椅子で。
「えいっ」
「!?」
むにゅ。
後ろから頭を抱えるように抱きつけば、肥前の肩が大袈裟なまでに跳ねた。
「は、あ!? なに? は?」
「あれ、何か反応が違う。分かってない?」
少しだけ首を傾けて様子を伺えば、目を見開いて硬直する肥前がいる。
ぱちりぱちりと瞬きをして、それでもまだ現状を理解できてないのか、キーボードにのせられたままの両手は不自然に強張って動けていない。
うーんこれは。
理解が追いついていないだろうことは見るだけで分かる、ので。
「新年から頑張ってるからね、サービスしてあげよう」
肥前が理解できてないなら好き勝手しよう。
ということで、抱えた頭を少しだけ後ろに倒して双丘に押しつけるようにしながらぽんぽんと撫でてみる。
それからつむじに頬を寄せて、頬ずりする振りをしてふにふにと押しつけてみたりしても、肥前は動かない。
「ふふふ、余りの柔らかさに声も出ないか」
「え
……
、あ、は?」
キーボードから離れた両腕が、恐る恐る長義の腕を掴む。
けれどその指先には力は入っておらず、添えるだけ。
「もしかして、どういうことか理解してない? 正面から堪能してみる?」
「ば
……
ッ、いらねぇ!」
「あぁ、勿体ない」
さっきまでの沈黙が嘘だったかのように勢いよく長義を引き剥がした肥前は耳まで真っ赤に染まってて。
「君なら触ったっていいのにね」
奥手なのか、真面目なのか、肥前は未だに長義に手を出さない。探り探り、慎重なのは良いことなのだろうけれど、それは長義のペースとは違って少し遅い。
さて、どうしたものか。
次の手を考えようと胸の下で腕を組めば、双丘が持ち上げられてグレーのシャツのあわせに皺が寄る。
唇に指を当てて次の手を考える素振りを見せれば、 肥前の視線が長義の顔よりもほんの少し下に向けられていて。
にんまり。思わず上がった口角を、指の影に隠して腕に力を込めて更にきゅっと寄せてみせれば、肥前が勢いよく顔を背けた。
「まったく、今年も君は可愛いねぇ」
次は不意打ちで正面から谷間に顔を埋めてあげようと思うんだよね。なんていうのは、仕事始めの初日のティータイム時に長義の同僚女士の長谷部が聞かされた台詞だった。
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