ファルカさんがお手伝いをしてくれる話

※一つ前のフリンズ夢↓とテーマが同じです

 ――さすがに買いすぎたね。
 
 そうやって自覚するも、今更過ぎる。モラを払い終えている食材が詰まったこの大きな箱を、さてどうやって職場であるフラッグシップに持って帰ろうかと悩む。すでに大きな肩掛け鞄も満タンで、台車を持ってくるか……ぎりぎり手で持てるかなぁ?うーん。
 一応手で持っていけるか試してみるかと手を出しかけたところで、ひとりでに箱が持ち上がった。
 ……ぇえ、どう言うこと?と顔を上げると、そこには見知った顔があった。
 
「嬢ちゃん、それは無茶だろうよ」
……! ファルカさん?!」
「おぅ、久しぶりだなぁ。元気にしてたか?」
 持ち上げた箱を肩に担いで、余裕がまだまだありそうに振る舞うファルカさん。さすが、この体格に見合う力の持ち主である。
「これ、どうするんだ?フラッグシップに運ぶんなら、手伝ってやれんこともないぞ」
「えっ!……でも悪いです、台車借りてくるので下ろして頂いて大丈夫ですよ」
「まぁそう言うなよ。そうだなお礼は嬢ちゃんの作る美味い料理一品でいいからな?」
 そう言って彼は片目を閉じてニカッと笑う。相変わらず笑顔が眩しい人だ、私もつられて笑ってしまう。
「ふふっ……では、お願いしてもいいですか?」
「おぅ、勿論だとも。そっちの鞄も持ってやろうか?」
 そう言って、ファルカさんは空いている方の手を差し出す。流石にそれは丁重にお断りした。
 
 それからフラッグシップの裏手まで荷物を運んで貰い、入り口付近に食材の箱を下ろしてもらった。
「また買いすぎたなって時は、西風騎士団の誰かを捕まえたら良い。フラッグシップには皆お世話になってるからな」
「そんな……、でもお気遣いありがとうございます」
「ははっ、遠慮はするなよ?」
 そう言って、ファルカさんは私の頭をポンポンと撫でる。
「まぁ勿論、俺が居たら俺を呼んでくれていいからな」
……はいっ」
 
 
 荷物を小分けにして店内に運び込んだ後、ふと客席を見渡す。ファルカさんは他の騎士団の方々とすでにお酒を飲んでいる様子だった。あとでお礼を兼ねて、お酒に合う料理を追加で持っていくことにしよう。
 そんなことを考えていると、ふと彼と目が合ったような気がした。こちらに向けて片手を挙げて挨拶してくれている。周りを見渡すも近くには私しか居なかったので、少し気恥ずかしいながら、私も手を振り返した。
 
 
 
『次に必要な時は、呼んでくれよ?』