ortensia
2026-01-01 23:27:23
930文字
Public カトマク
 

カトマク(?)

妹さん捏造

 役割分担が決まっていると遣り取りがスムーズだ。しかしそれよりも、その担当に当人達が満足していることが大事だ。
「どっちの花が良い?」
 今回の仕事は花屋の助っ人という極々普通の名目だ。それがどういう意味かは、花が何を指すかは、多くの人は知らないほうが良いのかもしれない。
……こっち。なぁ?」
「え?」
「なんでいつも選ばせてくれんの?」
「ゴミには余り物がお似合いですから。」
 マックスはカートに良い思いをさせようとしたし、カートはマックスに嫌な思いをさせないようにした。
「誰がお前をゴミ扱いしようと、俺はお前をそんなふうには絶対思わない。デバイスばっか更新してないでそういうとこちゃんと新調しろよ。マックスにかんしては俺からの情報が最新だかんな。」
……はーい。」
 マックスに対してはそう言うカートだが、マックスはそんなカートが武器やロボット、あるいはサイボーグや強化人間を、折り曲げたり握り潰したり引き摺ったり滅茶苦茶にしているところを、何度も何度も見ている。そしてそのカートはマックスをそんなふうにはしないのだ、マックスはそれを知っている、よく知っている。
 だからカートの言葉は、ただそれを改めて言葉にされただけのことだ。カートがそうやってマックス相手にはきちんと自身のコントロールを努力するから、マックスもそうする、そうしたいと思うから。それでマックスは、肯定の返事をするしかなかった。
 マックスから返事が得られたことで、その二つのライトを見詰めていた鋭い視線を、カートは緩めた。そして瞬く。
「そういえば昔妹が。」
「お?」
「俺が妹を偉いって褒めた時に、じゃあ妹の世話してる俺も偉い、って言ってた。」
「おおー。」
 思い出話をしていたカートが、またマックスを見た。
「だから、俺に色々選ばせてくれるマックスは、偉い妹の世話してる偉い俺の世話をしているから、偉い。」
「なんかもう言葉遊びみたいにわけが分からない文章になってるけど?」
「マックス偉い。」
「分かった分かった!ありがとね!」
 自分に課した役割に満足しているならば、相手に任せている役割にも、きちんと花を持たせるのだ。そうしていつだって二人は、花を送り合う。


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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。