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あおき
2026-01-01 18:37:21
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ソファと毛布と未来の話
未飯トラ。
お題「寒くない」で書きました。 #飯トラワンドロ
投稿テストがてらポイピクより。
「ごは
――
…
、っ」
リビングにいる悟飯に声を掛けようとして、トランクスは慌てて口を閉じた。先程までそこに座って読書中だったその人が、すやすやと寝息を立てていたからだ。ゴロリと横になってはいるが、読んでいた本はきちんとテーブルに置かれているのが悟飯らしい。そんな風に思いながら、トランクスは近くにあった毛布を手に取った。
サイヤ人の血を引いていたって、風邪を引く時は引くものだよ
――
かつてまだ幼いトランクスを寝かしつけながら、そう言って毛布をしっかりかけて来たのは誰だっただろう。あの頃は何もかもが不足していて、真冬でも暖房が使えないこともしばしばだった。でもひとりではないあの夜はとても暖かった。
冷えた手を大きな手がすっぽり包み込んでくれて、トランクスが眠るまで面白い話を沢山聞かせてくれた。平和になった今からすればあの頃は悲惨な世の中だろうが、トランクスにとってはあの毛布の中は温かな幸せに満ちていた。
そして、それは今も続いている。
(よく寝てるなあ
……
)
ソファで眠っている悟飯の中は、よく言えばリラックス、悪く言えばだらしない。開いた口からは今にも涎が零れそうだ。でもそれを眺めるトランクスの頬だって、同じぐらい緩んでしまうのだから、文句なんてあるはずがない。それどころか、いつまでだってこうして見ていたいと思う。惚気切った思考を抱えながら、トランクスは悟飯に毛布を掛けた。いや、掛けようとした。
「ぉ、わ
…
っ
…
!?」
持っていた毛布が落ちてバサッと音を立てた。だがトランクスはそれを拾い上げることは出来なかった。ソファから伸びて来た腕が、トランクスを抱き寄せて離さなかったのだ。
「ご、悟飯さん?」
「ん
―
……
」
狸寝入りだったのかと思った。だが自我の薄い返事に、トランクスは悟飯がまだ寝ぼけているらしいのを悟った。
「こんなところで寝たら風邪引いちゃいますよ」
「こうしてれば
…
平気だよ
……
」
そう言うと悟飯はさらにトランクスを抱きしめる腕に力を込めた。いや、そうは言っても大の男二人で横になるにはこのソファは狭すぎる。現に二人の体はあちこちがソファからはみ出てしまっている。でもそれでも、トランクスにはこの腕の中から逃げ出すのは難しい
――
いや不可能だった。だって勝手にトランクスの腕は目の前の体を、同じぐらい強い力で抱きしめ返していた。
(うん、あったかい
……
)
こんな温もりに包まれていたら、トランクスまでつい眠くなってしまう。ソファの窮屈さも全く気にならない。また聞こえ始めた穏やかな寝息を聞きながら、トランクスもそっと目を閉じた。
その後、二人一緒にソファから転げ落ちて笑ってしまうのだが、それはまだ少し未来の話だ。
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