Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
森林羊羹
2026-01-01 05:25:05
649文字
Public
ktgu
Clear cache
O-S空縁後七瀬日記
2025.08.15ふせったーより
デッドマターが消えて街の人たちは笑顔になった。
あの時の騒動も忘れたように。
そして、ぼくたちは英雄になったらしい。
清硫さんと塩水流さんを殺したから。
あのあと、源さんと浮石さんは家を継いで復興のために動いてる。鍛炭さんは絵を描いて当時の出来事を伝える活動をしてる。ほかの人たちは知らない。
兄さまの家族は一緒に住まないかと声をかけてくれたけどぼくにはそんな資格はない。
ぼくは何もしていない。
兄さまが憧れていた英雄とは程遠い。
ただただ使っていなかった志献官の頃のお金を生活にあてて
……
たまに浮石さんは手伝いで呼んでくれるけど。
今日だって散歩ついでに買い出しに出ているだけだ。
盆提灯がたくさん並んでいて、兄さまと出会った頃を思い出す。
兄さまのおじさんとおばさんは提灯屋さんで、兄さまは提灯が作れなくて店番をしてるって言ってた。
……
ような気がする。
提灯と一緒にマッチ棒も売っていた。
そういえば清硫さんがタバコを吸うとき使ってたっけ。
あの時の清硫さんと塩水流さんが記憶の中に蘇る。
ふたりが何を考えていたのかはわからない。
ふたりの行動で兄さまが喜ぶとも思わない。
でも、街の賑わいを見てると意味はあったのだろう。
もし今の街を一緒に歩いていたら、兄さまはどんな顔をしていたんだろう。何を言うんだろう。見てみたかった。聞いてみたかった。
ぼくも兄さまがいなくなっても生きていけちゃうけれど。
どうか、帰ってきてくれたら。
そう願いながら通りの八百屋でなすびときゅうりも買った。
広告非表示プランのご案内