【能楽鑑賞】#245 杉本修羅能『巣鴨塚 ハルの便り』再初演


杉本修羅能『巣鴨塚 ハルの便り』再初演

十四世喜多六平太記念能楽堂
2025年12月23日(火)18:00開演

主催:公益財団法人十四世喜多六平太記念財団
   公益財団法人小田原文化財団

原作:杉本博司『能 巣鴨塚(修羅能)』
   (「新潮」2013年1月号掲載 )

能本:川口晃平(能楽シテ方観世流)
演出:大島輝久(能楽シテ方喜多流)
   野村萬斎(能楽狂言方和泉流)
作調:亀井広忠(能楽大鼓方葛野流家元)

解説 杉本博司


老人/板垣征四郎常信の霊:大島輝久
       唐土方の僧:御厨誠吾
          舞人:鵜澤久、大島衣恵
      この辺りの者:野村萬斎

  笛:藤田貴寛
 小鼓:田邊恭資
 大鼓:原岡一之
 太鼓:大川典良

 後見:狩野了一、金子敬一郎
 狂言後見:石田淡朗

 地謡:川口晃平、林喜右衛門、山中迓晶、
    武田崇史、鷹尾雄紀、小早川康充

*・*・*

この二日前に喜多能楽堂に行ってきたばかりですが再び。

今回は“再初演”となっておりますが、私は今回が初見でした。

率直な感想としては、今年観てきた新作能の中でも修羅能として大変良く出来ていて素晴らしいと思いました。

初演のアイは太一郎さんでしたが、この日は他公演がある為、師匠の萬斎さんにバトンタッチ。

そのため今回は自ら狂言演出にも手を加え、萬斎さんの間狂言は萬斎節が炸裂しておりました😆👍✨


アイの登場から始まり、謡本には「これは巣鴨辺りに住まいする者にて候」とありましたが、これを萬斎さんが「杉の本のヒロシと申す者でござる」と名乗った為、見所がどっと沸いたのです🤣
(“ヒロシ”をだいぶ強調していたw)

大胆な改変だが掴みはOK👍
流石でござる🥹✨

杉本さん、あの萬斎さんの狂言演出良く許可したなーと思うと同時に、80年前のあの戦争を修羅能にして残したいと考えた本人を登場人物にしたのはナイスアイデアだなァとも思った。“この辺りの者”の具現化とも感じられる。

他にも杉本さんらしさを表現するために、科白や装束にも工夫がされていた。使用した扇も、もちろん彼がデザインした“放電場”。

てか、あの白いシャツの襟がトレードマークなのね😂
狂言装束に洋服の白いワイシャツの襟を組み合わせてるのは斬新でした🤭

念のため初演の画像を確認してみたけど、装束は太一郎さんが着ていたものと一緒だけど、やはり“襟”は無かった😂

■杉本修羅能「巣鴨塚 ハルの便り」
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今回、萬斎さんが代わりに出て、しかも間狂言の演出も手を加えると聞いて、あぁ~初演を観てないから違いが見比べられないなァ🥺なんて思っていたけど、そんな考え無用だった。それくらい明らかな萬斎節でした😆👍✨

(てか、太一郎さんだったら演らないだろうなァと。むしろあのノリで初演を演ってたら驚く😅)


そういえば劇中でアイが珍しいものを買ったと言って見せてくれる駅の看板。これ本物らしいです。終演後に杉本さんが教えてくれました。本人が日々見ていたものが、時を超えて私達の目の前にある。タイムスリップは出来なくても、こういう形で過去と現代は繋がれるんだなと。

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あと当日は主人公本人の命日ということで、杉本さんたちは処刑された時刻に合わせてお参りしてきたそうですが、その影響なのでしょうか。前シテが登場したら、小さな小さな地震が起きたんですよね。これは、本人が観に来ていたのでしょうか?💦


正直、戦後生まれなので戦争の事は、何となくしか知りません。ノデ、今回の主役のことは少しだけ調べはしました。
そのせいか能面は室町時代のものなのに、何処となく似てる気がして、古典の修羅能同様に本人の霊が目の前に現れた感じがしました。と、同時に少し胸が苦しくなりました。


戦争が起きたのは今は亡き祖父母の時代だけど、地続きで今も続いてるんだなと。敗戦から80年という年月は、経験者の語り部が居なくなってしまうくらい長い年月だけど、過去の事にするにはまだ短すぎる。そう思いました。


でも修羅能好きとしては、ホントに良く出来てると思いました。杉本さんが原作として書いていた頃は、能の形式にとらわれない形の部分もあったらしいのですが、これを川口さんと大島さん、二人の能楽師にかかると、ここまでちゃんとした能に出来るのかと、ちょっと感動いたしました。

テーマがテーマなだけに、この修羅能「巣鴨塚」は再演し続けてこそ意味があると思うので、来年以降もまた何処かで演って頂きたいなァと思います。



と、ここまでが当時メモした個人の感想。

今回の改変については、今作の能本を担当した川口晃平師のブログも是非ご覧くださいませ⬇️

■野村萬斎さんの杉本修羅能「巣鴨塚」と男マスカミ
https://ameblo.jp/megamouth/entry-12951522553.html

(推しが(特に同業者に)褒められると、何故か自分のことのように嬉しく思います🥹)



過去の観劇日記はコチラから⬇️
https://privatter.me/user/mijuppa
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