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ゆいしろ そう
2025-12-31 16:41:52
673文字
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大晦日 ベク夢
お前
「んだよ、もう食べねぇのか」
「食べたい気持ちはある、よ
……
」
――
大晦日の夜、小さな鍋の中で食材がグツグツと煮えている。
冬といえば鍋。本来ならば、好きな人といられて
身も心も温まるはずだったのに
――
「ほーら、口開けろ。
お前
が痩せたら、元も子もねぇ」
「っ!」
――
食べた瞬間、口の中に痛みが広がる。
飲み込むことはできたが、続けて食べるのは躊躇ってしまう
――
「おい、どこか痛むのか? 昨日も普段通り優しく」
「違う違う。親知らずが」
「親知らず?」
「変な方向に生えてきちゃってるのかな。
この前、痛くなったときは病院に行けたけど。今は年末で」
「あー、そういうこと」
――
悲しみを帯びているベクターの表情に心苦しくなる
――
「年が明けたら、すぐに行くから! 市販薬も買ってあるし」
「しばらくキスができねぇってことか」
「え」
「痛いんだろ」
「たしかに、塗り薬でなんとか耐えている現状では」
「まーじかよぉ」
「どこにショックを受けて」
「親知らずに嫉妬だわ
……
野菜は長めに煮込んでおく。
肉も無理して食うなよ」
「ありがとう。ベクターと一緒に食べるお鍋は
最高だぜ、最高だよ?」
「当たり前だっての」
「最後までお世話になりまくりで、ごめん」
「頼られる方がいいに決まってる」
「それなら良かった。来年もよろしくお願いします」
「こちらこそ。未来永劫よろしく」
「あっはは、相変わらずだね」
――
そんな他愛のない会話をしていると、いつの間にか幸せが溢れていく。
来年も再来年も、良い一年になりますように
――
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