三毛田
2025-12-31 14:34:50
1083文字
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23 ぬ. 抜け駆けのキス

23日目
君とのキス

「なの、おはよ~」
「おはよう、穹」
「ちゅ~」
「もうっ。ほら」
 バシッと背中を叩き、それから頬を差し出してくる。
 メイクをしているので、本当に軽く頬にキス。
 前に滅茶苦茶勢い良く頬にキスをして、その日はしばらく口の中がおかしくなったので。
「俺にも」
「はーい」
 頬を差し出すと、柔らかな唇が触れる。
 最初の数回は怒気土井してたけど、今では慣れた。
「パム、おはよう! キスしていいか?」
「おはよう、穹。忙しいから、さっさとせい」
「はぁい」
 パムのふわふわな耳を持ち上げて、キス。
 挨拶と共にキスをするという文化があると知り、皆に許可を取りつつキスをしていたらそれが習慣になっていき。
「丹恒は?」
「ご飯を食べたら、また資料室に戻ったよ。食べ終えたら、会いに行けば?」
「そうしようっと」
 パムが並べてくれた食事をペロッと平らげ、食器を片付けて手を洗って口周りも洗ってから丹恒のところへ突撃。
「丹恒! おはよう!」
「おはよう。今日も朝から元気だな」
 ちょっとだけ呆れたような声色。でも、俺を追い出さないのでやっぱり優しい。
「おはようのちゅーしにきた」
「ああ。そういえば、今日はまだだったな」
 ほら。と言いながら、頬を差し出す。
 両側にキスをして、今度は俺が頬を差し出してキスをしてもらう。
 なのの唇とは、また違った柔らかさだ。
「丹恒……
「ほら」
 熱のこもった目を向けると、静かに瞼を下ろし。
 頬に手を添えて唇に触れる。
 別に抜け駆けのキスってわけでもないけど、恋人同士のキス。
「押し倒していいか」
「お前は、依頼があっただろう。帰ってきたらにしろ」
「はーい。じゃあ、行ってらっしゃいのキスして」
「はあ」
 呆れたようなため息をつき、鼻先に唇を触れさせ。
「行って来い」
「いってきます!」
 テンションアゲアゲで、列車を出て依頼の場所へ。
 ハイテンションのまま依頼を終え、勢いでもう一つ受けて、そちらも片付けてから帰車。
「ただいま! これ、お土産で買ってきた! ご飯はお風呂入ってからにする!」
「お、おかえり」
 ラウンジで掃除をしていたパムにお土産を渡し、部屋に戻ってお風呂に入る。身綺麗にしてから、丹恒の元へ。
「丹恒先生、ただいま」
「おかえり。今日も頑張ったんだな」
 両手を広げて突撃すると、抱きしめてくれる。
 それからキスを交わし、布団に押し倒そうとしたところで思いとどまって。
「穹?」
「やっぱ、俺の部屋にしよう」
「お前の好きにしろ」
 と、柔らかく微笑んで。
 本当好き。