佐久らぎ
2025-12-31 18:00:00
834文字
Public 聖魔:文章
 

現パロのラウリニの年末小話

【創作BL】年越し蕎麦食べるラウリニが書きたかった

■年越し蕎麦の話

 はじめて二人で過ごす、年末。
 年越し蕎麦を買いたい、というリニに付き合い、車を出して某百貨店の地下食料品売り場にやってきた。
「好きなお蕎麦の銘柄とか、ありますか?」
「特にない。任せる」
 そう返すと、リニは蕎麦の特設コーナーの前で商品を見ながら、うーんと唸った。
「生麺で安いので、いいかな」
 そう言って適当に手に取った蕎麦を、ラウレンツが持っていた買い物カゴに入れた。
「あとは、いい天ぷらがあったら買いましょうか」
 そして天ぷら売り場へ向かうとそこには海老天の山。どうやら大中小の三種類を売っているようだ。
 天ぷらの山に圧倒されているリニの隣で、ラウレンツが天ぷらの大を二尾注文していた。
「あ、お、大きいの、買っちゃいました?」
「大きいから一尾ずつでいいと思ったが、もっと食べたかったか?」
「い、いえ、大丈夫です。すごく立派なので……
 まだまだ贅沢に慣れていないリニはまごついていたが、落ち着かせるようにラウレンツがその手の甲をそっと指先で撫でた。


 年越しまであと一時間ほどといったところ。テレビ番組を適当に眺めていたラウレンツに、リニから声が掛かった。
「お蕎麦、出来ましたよ」
 そう言って、彼は盆に乗せて持ってきた丼をふたつテーブルの上へ並べた。ほかほかと湯気を上げる、大きな海老天が乗った、立派な蕎麦だ。
 冷める前にと、ふたりで食べ始める。
 まださくさく感の残る海老天を一口食べたリニが、口の中のものを飲み込んでから、そういえば、と口を開いた。
「年越し蕎麦には、いろいろ謂れがあるらしいですよ」
「そうなのか」
「はい。例えば……

「『ずっとお傍にいられますように』」

 思わず顔を上げてリニの顔を見ると、彼も少し恥ずかしそうにしていた。はにかみながら、言葉を続ける。
「来年もよろしくお願いします」
……こちらこそ」
 ラウレンツが隣に座るリニの頭を撫でると、彼は嬉しそうに微笑んだ。