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零ミリ
2025-12-30 17:53:11
1297文字
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「无諦、スライムになっちゃった!」ハッピーエンド後ss
二次創作ゲーム「无諦、スライムになっちゃった!」のハッピーエンド後のssです。ネタバレはそれほどありませんがゲームしないとよく分からないと思います
「しかし調べると言ってもな
……
」
僕を更に乗せた无諦は皿を掲げて首を傾げる。
「こういった形状はアメーバと言ったか? なんとなく藍桐だと思ったが高度な知性を持っているとは思えないな」
无諦! 僕だよ! 宇津木藍桐だよ! 无諦に伝えようとぶるぶると震えると无諦はふっと笑う。
「冗談だ。君が藍桐だと信じているよ。しかし意思疎通が言語でできないと不便だな」
ふむ、と无諦は顎に手をやると无諦は机の上に皿を下ろすと紙の上にさらさらと万年筆で書きつける。
「君は宇津木藍桐か? 答えを示してくれ」
紙には「はい」と「いいえ」の文字。僕は中々動かない液体の身体を「はい」に這い寄る。
「
……
ああ、やはり藍桐なんだな。では質問を変える。この状態になった原因は心当たりがあるか?」
无諦は皿に僕の液体の身体を戻すと再び「はい」と「いいえ」の間に置く。僕は「いいえ」に身体を伸ばす。
「
……
そうか。ではもう一度質問を。この状態になる直前の記憶はあるか?」
この直前。普通に夜寝て、无諦だけ用事があるので惰眠を貪って昼頃起きたらこうなっていた。その間に何かなければこの答えは「はい」だ。无諦が皿に僕を戻すと、僕は「はい」に身体を伸ばす。
「
……
寝ている間に何か起こったんだな。
……
ここまでは分かったが。私がいない間に何かが起こった以上、推理のしようがないな」
无諦は僕を皿に戻すと再び掲げて首を傾げる。
「君は食べれるのか?」
无諦!? 多分体にあんま良くないよ!? 无諦は僕のことをじっと見つめ続ける。
「
……
正直興味があるな」
无諦は皿を自身の唇に近付け、傾ける。僕の身体は重力に従ってずるずると落ちていく。ああああああああああああ!!!!!! 无諦!!!!!!!!! 正気に返ってくれ!!!!!!!!
无諦は僕の身体の一端を唇に含めると、じゅっと啜る。僕の身体はぷちっと途切れ一端が无諦の口内に吸い込まれていく。欠片が途切れても痛みはなく、感覚のみが複製される。
「じゅっ
……
じゅっ
……
」
僕の一片が无諦の口内、喉を通り嚥下される。僕は唾液に絡められ食道に落ちていく感覚が伝わっていく。
「ん
……
味はないな。毒味のような刺激もない」
无諦の体内に消化される感覚に僕の意識はぼんやりとしていく。ああ
……
僕は无諦と一つになっているんだ!
その間にも无諦は僕をたくさんの角度で観察し、指や万年筆でつつく。人間の身体であれば赤面してしまうような状況であるが、僕は无諦と一つになっている感覚に夢中になり何も気にならない。
そうこうしている内に夜になり无諦は夕食のために階下のランドール家の食卓へ向かった。一人で待っていると无諦の体内で消化されている感覚がふいに途切れた。もしかして完全に消化されてしまったんだろうか。少し惜しい。无諦と完全に一つになる感覚を味わいたかった。
いや、いやいや。この状況を受け入れているところではない。人間に戻らなければ! 无諦と至高天の先を見れないではないか!
无諦が部屋に戻ってくる。无諦! 早く人間に戻って、僕らの旅路の続きを歩もうではないか!
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