存辺
2025-10-18 19:24:05
2260文字
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<鶴見篤四郎の宿願>ネタバレあり感想

深い考証などはなしで個人的初見感想。ネタバレあり。

<鶴見篤四郎の宿願>

2025/10/18 AM。待ちに待ったスピンオフ小説が届いた。
伊吹さんの作品は、スピンオフの発売が決定した後、刀と傘、雨と短銃、帝国妖人伝を読んでいたので安心して楽しみにしていた。

はしがきから鶴見中尉や第七師団のメンバーが実在した風に始まって胸が熱くなる。史実とフィクションの絡め方が自然で良。次回もよろしくお願いします。何卒。

ゴールデンカムイを知らなくても鶴見というカリスマ中尉と、一癖二癖ある部下たちと、彼らが出会ったミステリーとして読めるのではないかという感じで、とても楽しく読めた。帝国妖人伝と似た雰囲気。スピンオフを書かれる方として正解すぎる。

深い考証などはなしで個人的初見感想。ネタバレあり。

◆第一話◆谷垣
事前に読んでいた伊吹さんの作品に近いイメージ。ゲスト人物に重きが置かれていたからかも。
戦場の描写もアニメで脳内再生される。谷垣と鶴見中尉が声優さんの声で再生される。わああスピンオフすごい
宇佐美の菊田さんへの態度が解釈一致すぎる。このころから舐めてたんだというか鶴見中尉以外への態度が全部舐めてるすき
幽霊捜索中に中尉に声大き目で話せと言われる中、余計なことを言いそうになったり、コウガクゲンショウな谷垣がいたり、ちょっとゲンジロちゃんな部分が垣間見えてほほ笑み。
幽霊の正体を突き止めた後、自然な流れで谷垣の原作での目的と通じるところのある流れになるのが流石すぎる

◆第二話◆菊田
宇佐美の態度よ。いいのか。鶴見中尉の傘下だから許されてるんだろうなこの緩さ。すき
宇佐美と菊田のやり取りも声優さんで脳内再生される。うれしい。アニメ化希望。
銃の話で尾形の意見が参考にされてるのがいい。銃といえば尾形。狸って繰り返す尾形の文字からだけでも伝わるネコチャン感。かわいい。
閣下出た!!嬉しいポイント。小説で「!」と「?」が4つ横に並ぶことあるんだ。
白い日本兵の話は、第一話で幽霊・ホラー路線なのかと思っていたところに現実的なお話が来て別方向に面白かった。
有古は大丈夫なんですか?!!!

◆第三話◆宇佐美
めっっっっっっっちゃ良かった。宇佐美の一挙一動がすき。
ていうか前山さん結構いい働きしてるというか、宇佐美に対しても尾形に対しても怖がらずに呑気に話しかける肝の据わった姿勢。いいね。
脱走者に流れるように対応する宇佐美。牛山との戦いを思い出す。すき。
和田大尉に殴られても1ミリも悪びれないしびくともしてない。すき。出身を侮辱されて智春を殺した足が戦慄く描写すごい。これだけであの時の感情が迸っているのが伝わる。
あと宇佐美の見立てが殺人鬼のそれ。さらっとグロイことを当然の可能性として考えている。すき。
昔見た海外ドラマデクスターを思い出した。
三島~~~!岡田~~~!小宮~~~笑!ちょっとだけだけど、確かに存在していたという証。起用うれしい。
宇佐美が自力で推理して解決して鶴見中尉を手伝う流れが最高。共犯者らいね。最高。猟奇的。優秀な兵士。
シャーロックホームズの言葉(ありえないことを順に取り除いていけば)に絡めて”探偵”感出してるのがより良い。
そして捕虜とのやり取りが原作での鶴見中尉の行動につながっていくのも自然で
鶴見中尉が、宇佐美が役に立つといったのが、この出来事がもとになってたのかなとか考えると熱い(パオではなく、普通の探偵として)

◆第四話◆尾形
勇作殿の登場は夢の中だけでしたが、すでに尾形を絡めとって気づかぬ浸食が始まっているのがわかる。冷たい何か。言葉では表せない感情だったんだろうな…… 頬、くっついてたんだね…… 俺の弟
尾形の思考回路ちょっと垣間見えてそれが尾形らしいのがすごくすごく良い。尾形に話しかける宇佐美が宇佐美。尾形が手の力で相手の首を折るのが無理だと思ってる宇佐美が宇佐美。
今回の犯人が杉元にも、勇作殿にもなれなかった存在というのがまた。尾形の証明に一躍買ってしまったというのがまた。原作における囚人にもいそうな人物像なのも、表現としてすごい。
あと、尾形の表現は他のメンバーと違ってちょっとしっとりしてる気がする。湿度高い。セクシー上等兵。
尾形の陰口言う輩もいたけど、確かに一緒に酒酌み交わしても全然OKな奴らもいたというのがうれしい。曾根、お前はいい奴だったよ

ここで出かけるためいったん中断。枕元に常に置いておく用に2冊目買ってきました。

◆第五話◆月島
月島の行動で人が死んでいくのが、月島の中で負荷になっていくのがつらい。江渡貝くんたち原作で犠牲にしてしまった人にリンクしていくのも、挿絵のこらえるような顔もつらい。月島
宇佐美のちょっかいかけて楽しむ感じがこのお話通じていいスパイスになってる。
前山さんの階級あまり気にせずのんびり話しかける役柄なのもいい味出してる。この時尾形絶対幸次郎のほう見てるよな……
鶴見中尉の手腕というかやり口というか、捨て身でもやり遂げるところが鶴見中尉らしい。どう転んでも思惑通りなのも。これを目の前で見たらそれは着いていきたくなる。

◆全体◆
各メンバーの視点がそれぞれ各メンバーの思考だったし(当たり前なんですが)、鶴見中尉がそれぞれの回でカリスマ発揮してるし、原作の解釈を崩さず補完して繋げているのが本当に本当に最高のスピンオフ。そして宇佐美ずきにはたまらないご褒美本。全5話アニメ化お願いします。