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三毛田
2025-12-29 13:02:44
1092文字
Public
1000字6
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21 な. 何も聞こえない
21日目
でも、君の声は届いた
ここはどこだ。暗闇?
知らない場所。知らない景色。
何も見えないし、聞こえない。
「丹恒? なの?」
呼びかけても、答えはない。どうして?
少し前まで、二人と一緒に居たのに。
「どこだ?」
俺の声が反響して、ゆっくりと消えていく。
怖い。
その言葉が、脳を占めていき。
自然と自分の体を抱きしめる。
早く出なくちゃと思うのに、足が動かない。
もし夢であれば、 覚めてくれ。
「穹」
名前を呼ばれ、意識が浮上していく感覚。
ああ、夢だったのか。
「たん、こう?」
「魘されていたから起こしたが、不要だったか?」
「ううん。ありがとう」
手を差し出されたので、それに使ってゆっくり起き上がる。
「ほら、水だ」
「ありがとう」
水で喉を潤していく。
「それで?」
丹恒はベッドに腰を下ろし、話せそうなら話せと促す。
「知らない場所にいてさ。真っ暗だったんだ」
「ああ」
「何も見えないし、何も聞こえない。一人きりだったから、なのと丹恒を呼んだ」
「俺も、きっとそうするだろう」
「ありがとう。少し、楽になった気がする」
力なく微笑む。と、丹恒は俺の頬をそっと撫でて。
「広いのか狭いのかもわからないし、でも、声は反響するから怖くて」
自分の体を抱きしめると、彼も俺を抱きしめてくれる。
俺より低い体温だけど、伝わる温もりが心地よい。
「丹恒が、俺を呼ぶ声が聞こえて、目が覚めた」
「なるほど」
丹恒を抱きしめ返し、首元に顔を埋める。
夢の内容を思い返している間、心臓の鼓動が早くなっていた。でも、こうすると段々と落ち着いていくのがわかって。
「丹恒、ありがとう。好き」
声の震えも、収まった。というか、俺、声が震えていたんだ。
それくらい、怖かったんだろう。なんて、ちょっとだけ他人事。
「少しでも、お前の力になれてよかった」
俺の耳元で告げられる声は、優しく柔らかい。
だから、俺はこの人が好きだ。
「食事は摂れるか? パムが、お前の分を用意してくれている」
時計を見ると、寝てから半日経っていた。
それに気づいた瞬間、ぐう。と、腹が鳴る。
どうやら、怖い夢を見ても、俺の腹は正常のようで。
「食べられないようなら、俺が食べさせるが」
「食べられないわけじゃないけど、食べさせてほしいなぁって」
駄目? と、おねだりすると仕方ないという表情。
本当この人は、俺に甘い。
「顔を洗って来い。その間に、ダイニングテーブルに用意しておこう」
「お願いします」
ベッドを下りて、浴室へ。顔を洗ってから、ダイニングテーブルに着く。
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