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こゆ
2025-12-27 22:07:03
2211文字
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💛🧹
ハートのワンドロワンライ
お題:掃除
ポーラータングの自我捏造があります
⚠️以前から書いてるポラタンちゃんくんと同じ設定ですが履修不要です
クリスマスってだけで全ての景色がキラキラ輝いてシャラシャラとした音色を奏でいるものだ。
しかし、そんな華やかな夜が終わればあっという間に年の瀬がやってくる。
旧年の汚れを落として、気持ち良く新年を迎えよう。
本日は、ハートの海賊団のキャプテンであるローの言葉の元、クルー総出で大掃除をしていた。もちろんローも率先して一年の煤を払い、海に嫌われた己を乗せて海中を進む黄色い親友に、労いの言葉をかけた。
「先に廊下の端まで着いた方が、次の島での呑み代を持つってことで」
「よぉしきた!負けねーからな!」
「ちょっとちょっと、拭き掃除くらい普通に出来ないものかしら」
「まぁ、良いじゃないか。手を抜いてる訳じゃないだろう」
床掃除に呑み代を賭ける者も居ればそれを咎めたり見守ったりする者もいる。
「キャプテンの部屋のゴミまとまった?」
「いや、おれの部屋はあのままでいい」
「なんでですか!? どう考えてもあの部屋じゃ新年は迎えられないでしょう」
「そんなにか」
「そんなにです」
他人の部屋を掃除する者もいる。
「みんな元気で良いねぇー」
「ああ、来年も良い年になりそうだな」
新しい年に思いを馳せる者の気配が伝染していく。
(ぼくの舵輪もピッカピカ)
大掃除を見守っていたい気持ちと、くるくると働いていたいきもち。
「今年からは高いところの配管掃除楽になったな」
「ああ、それは良かった」
「こっちのセリフだよ、ははっ」
ジャンバールの巨体では、狭いところのには手が届かないが高い場所の掃除ならばむしろ他のクルーより得手とするので、初めての年の瀬の大掃除に貢献しているようだ。
「シャチ!ひとつ持つ」
水を張ったバケツを両手に抱えて危なっかしく廊下を歩いて来たシャチに、後ろからペンギンが追いついたのが見えた。その声に答えるより早く、シャチの手からバケツがひとつ攫われて行く。
「さんきゅーペンギン!」
「
古い布
ボロ
はまだあったか?」
「うん、足りそう」
ふたりは窓拭きにはあの洗剤が良かったとか、キッチンではあの方法が良かったとか情報交換をしながら本日の最終局面である場所へ肩を並べて向かって行く。
「今日中に終わらせて明日は綺麗な厨房に篭りてーな」
「終わるといいな、まったく」
最終局面、ラスボス。
ペンギンとシャチ曰く、それはどこの家庭でも台所だと決まっているらしい。
快晴、無風。
本日はお日柄も良く。
船長であるローも入れて総勢21人。
誰もかけることなく年末を迎えて、安全なベタ凪に浮上してのポーラータング号の大掃除。
(くすぐったいな、みんなありがとう)
それぞれが真っ直ぐな眼差しで、ポーラータング号に笑顔を向ける。その表情に、いつもホワホワもドキドキもたくさん貰える。
ペンギンとシャチが厨房にこもってしばらくしたころ、自室の掃除を片付けたローが食堂にやってきた。
「換気はしてるか」
「あ、キャプテン。抜かりないっすよ」
そう言って、ひらひらとカウンターの奥からシャチが手を振った。
「シャチ、手が赤くなってるな」
「冷たい水に触ってたからなー。でも、大したことないっすよ」
ツカツカとローが近づいてきて、シャチの手を包み込むように両手を添える。
「冷えてしまってんじゃねェか」
「あ、あの
……
」
「冷えは万病の元だ、面倒でもぬるま湯にしろ」
「
…………
」
壊れ物でも扱うように触れたローの手から、シャチにじんわりと熱が伝わって来たようだ。
「
…………
」
「シャチ?」
「? あったかいですね、キャプテンの手」
手を取り合ったまま二人はしばらく見つめ合った。そこで、ペンギンが面白くないと割って入る。
「手!手ぇ握り合ってる!ずるいぞシャチ!」
「落ち着け、ペンギン。シャチの手の温度を確認しただけだ」
「キャプテン、おれも!おれも水仕事してた!」
「ああ、ペンギンの手も真っ赤だな」
ペンギンの勢いに負けて、そのまま差し出された手をローはぎゅっと握った。
「お前も冷てェな」
「キャプテンの手あったけー」
そんなにか?とローが口を開く前に、シャチがふふんっと笑った。
「だろ?」
「なんでシャチが得意げなんだよ」
つられてペンギンもはははっと笑う。
「あーー!ペンギンがキャプテンに手を握られてる!!」
そこに、いつの間にか集合したクルーたちがどやどやと食堂になだれ込んできた。さっきのペンギンみたいに、気に食わないですと言わんばかりに口々に好き勝手なことを言い出した。
ペンギンとシャチの手を離した後、ローは不思議な気分で自分の手を覗き込んでいた。
(あんまりにもみんなの気持ちが嬉しくて、ポカポカあったかい気持ちになったから)
「もうここで最後だみんなでやるぞー!!」
「おー!!ピカピカのポーラータング号で新年を迎える迎えるぞー!!」
集まったクルーが一斉にに掃除を始めると、ローがフっと笑った。ゆっくり息を吐きながら。
「今年も世話んなったな」
笑って呟いた言葉は、和気藹々と掃除のラストスパートに盛り上がるクルーの耳には届かなかった。
それは、そもそもクルーに言ったわけではなく。
(こちらこそ!)
ローの両手を、優しく暖かな風が包んだ。
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