ortensia
2025-12-27 15:26:27
883文字
Public カトマク
 

カトマク(?)

全部妄想。ふんわり読んでくださいよろしくお願いします。

 覚えられないなら覚えられるまで繰り返し言ってみ。
「カートカートカートカートカートカートカートカートカートカート!はい!あなたはカートくん!名前間違えて悪かったってば!」
「間違える度に十回だかんな。」
「あーはいはい!」
 覚えられないのは名前じゃなくて、個人だろ。思いながら間違えられた腹いせを済ます。
 と言ってもこっちも人のことは言えない。先に間違った名前を呼んだのが向こうだったので、今こうなってる。自分も頭の中で相手の名前を唱える。マックスマックスマックスマックスマックスマックスマックスマックスマックスマックス。繰り返すとなかなか呼び易い名前のような気がして来る。うん、いけんべ。
 物覚えが悪いわけでもないのに、人名とかなんか偏ったもん間違えるやつはいる。けど、マックスは時が経つに連れ、どんどん人の名前を覚えなくなった。サイボーグへの扱いにどんどん辟易して行って、俺だってそういう連中の名前なんか、最初から覚える気はない。
「アキ、じゃないマキナちゃんにまた名前間違えて怒られちゃった。」
 濃い出来事に際して濃い縁でも出来たのか、何故かまだ関わりがある。
「マックスは人の名前ちゃんと覚えてないのに呼ぼうとするからそうなんだろ。」
「でも相手のこと指す時に名前呼ぶでしょ。」
「呼ばなくても幾らでもやりようあんじゃん。」
「俺あなたみたいに直ぐお前とか人のこと呼ばないから〜。」
 それでもマックス程濃い縁の相手もいない。宇宙のどこをさがしても。
 まるで冷たい宇宙から、降って来た贈り物のようだ。
 名前もきちんと覚えていない相手を呼ぶように、思ったことをそのまま話すマックスを見る。あの時も、名前を間違えて呼ばれなければ、この縁は受け取れなかった。
……直ぐにちゃんと覚えられるようになんべ。」
 ありがとうって言ってくれるような相手に会えれば。
「そうかな?」
「だろ。マックス、あの時俺の名前間違えて呼んでくれてありがとう。」
「え。今怒りが振り返して来たの?」
 十回でも何回でも言って。それを全部贈り物のように受け取るから。


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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。