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Ymi:no
2025-12-27 12:04:47
6480文字
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ビマヨダツイまとめ
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それは名状しがたき純愛なれば(ツイまとめ版)
まとめました。こちらの前編が2026年2月の新刊となります。
クトゥ神話系ビマと人間ヨダの名状しがたき純愛ストーリーなビマヨダ
外宇宙で暴飲暴食の限りを尽くしていたビマは、新たな美食を求めて地球という惑星に目をつけた もちろんクトゥ神話系に属するビマに人間のルールなんか分からないので、そのまま大地に降り立っては料理人という料理人を廃人にさせ、料理を味わえないまま涙して撤退するを繰り返していた
そんな涙ちょちょ切れるビマの視界に、驚くほどうつくしい何かが映った
ほとんど直感で影に身を潜め、そのうつくしい何かを観察し続けたビマは、見れば見るほどそれが欲しくて堪らなくなっていった
そして同時にようやく人間という種族のことに意識が行った もしかしてこの姿は人間には受け入れ難いのかもしれない、とか そもそも言葉が違うのでは、とか そうして種族の違いを知ったビマは、あのうつくしい人を手に入れるために、人間に擬態する術を学んだ それ以外にも人間の生活、価値観、感覚
…
違うと思えたものは全て、相手に合わせられるように練習した
幸いビマはクトゥ神話系の中でも優秀な部類だったので、しばらくして人の街に溶け込んで過ごせるようになっていた
たまに地が出て怖がらせてしまうこともあるが、出会って即廃人なんてことはなくなった 人間の美食は中々のもので、ビマも大変満足していたし、なんなら料理を自分で作って極めるなんてことにも手を出し始めていた
これなら、きっと
ビマは遂にあのうつくしい人との接触を図った 自分にしては上手くやれたように思う 本当に少しずつ接触回数を増やし、徐々に距離を詰めていった
うつくしい人改め、ヨダはその見た目に反して愛嬌の塊のような人だった
一緒にいる時間が増えれば増えるほど、話せば話すほど、ヨダにのめり込んでいく自分がいる
自分が彼らにとって怪物であることも忘れ、まるで初めから人間だったかのように、ヨダとの仲を深めていく
そんな日々が何よりも幸福で、だからこそ引き返せないところまで踏み込んでいることに気づかなかった
ビマがようやくのことでヨダの恋人という席に座った頃、それは起こった
ビマが何やら楽しいことをしている、ということに目をつけた揶揄いの化身が、ヨダを急襲したのだ
部屋でただ寛いでいたヨダは当然ながら逃げ損ね、その名状しがたき存在と正面から相対してしまった
その存在のおぞましさに床にへたりこみ、げぇげぇと胃の中身をぶちまけるヨダを、揶揄いの化身はつまらなさそうに見つめていた きっとアレとの交信ができるものがいれば、いつも通りの顛末に辟易としていることが分かっただろう
しかし今回の揶揄いの化身のターゲットはこのくだらない生物ではなく、この生物に楽しげに付きまとっているビマの方であった ならばこの生物は臓腑のひとつひとつを切り分けて調理するか、あるいは正気を失った生物をそのまま大皿にでも乗せて出してやるか、まあ何にせよ料理として提供してやるのが面白いと判断していた
揶揄いの化身が距離を詰める
――
その瞬間
グヂャ、と肉のような何かが潰れる音がした
「ーーーーーーーー!!!」
人とは相容れない雄叫びを上げ、怪物が怪物を引きちぎり、押し潰し、人ならざる暴力を振るう 吐き疲れてへとへとになったヨダが見た光景は、まさしく正気を失うに相応しい惨憺たるものだった
「ゔっ」
散り散りになった肉片モドキがヨダの頬にかかる それに反射で嘔吐けば、反応した怪物が一瞬動きを止めた その隙を見逃すほど揶揄いの化身は間抜けではない ずるりと這いずった触手がヨダを狙う
「
――
ドゥリーヨダナ!」
怪物が悲鳴にも似た叫び声を上げる 咄嗟に腕のようなものを伸ばし
――
視界に映った
怪物
自身
の手に今度こそ動けなくなってしまった この手は人の手ではない この声は人の声ではない ヨダにとっては自分もまたおぞましい怪物でしかないのだ
「ーーーーーーーーー」
その、手を 怪物の手を
確かに握り返す温もりを感じた
揶揄いの化身の触手は宛を外し、肉塊にされるはずだった存在はビマの腕の中にある
「ビーマ!!」
何の躊躇いもなくこの腕に飛び込んできたヨダがぎゅうと身を寄せる その声が呼び水となり、岩のように固まっていた身体が息を吹き返す 守るべきものが手の内にあるのなら、加減をする理由などどこにもない
こうして本気を出したビマにより、揶揄いの化身は無事に駆逐されたのであった
その後は慌てて部屋の片付けをし、やって来てしまった警察を何とか追い返し、据わりの悪いままにお茶でほっと一息をつく、なんとも微妙な時間が流れていた
「な、なぁ
…
」
「んー?」
とうに人の皮を被り直し、いつものビマとなった怪物がおずおずと話を切り出す
「お前は、怖くないのか
……
?」
一番見せたくなかった人に、本当の姿を知られてしまった 怪物の姿を見せてしまった それなのにヨダの態度があまりにも普段通りだから、ビマは何が何だか混乱してしまう
「別にぃ? というかわし様知っとったし」
「ぅえ?」
「人外にまでモテてしまうなんて罪作りよなぁ!」
からからと笑うヨダに呆然とする 知ってた 知ってたとは
「お前まさかアレで隠せているつもりだったのか〜?」
にまにまと人の悪い笑みを浮かべ、つんつんと指先でビマの頬をつつく
「て、ことは、よ
……
」
ヨダは初めからビマが怪物と知っていて、受け入れたというのだろうか ビマの心の声を汲んだのか、ヨダがうつくしい顔を綻ばせて笑う
「お前はお前だろう?どんな形をしていようと」
「
…………………
!」
ゆらゆらと視界が揺らぎ、ぼやけていく それでもどうしてもヨダの顔が見たくて、何度も瞼を瞬いた
「全く世話の焼ける」
白い指先が優しく目尻を撫でる その小さなぬくもりこそが、人の言う幸せなのだと初めて知った
❀❀❀
「お前はそれで疲れないのか?」
ある日ののどやかな昼下がり、二人がのんびりとおやつを食べていた時のことだった 唐突な問いかけにビマが首を傾げ、先を促す すると何でもないようにヨダは語った
「いや、ずっと人の形をしておるな、と。そのガワは人で言う化粧のようなものだろう? だとすれば、保ち続けるのは疲れるのではないかと思ったのだが」
「あー、なるほど
…
?」
ずっと気を張っていて疲れないか、と問いたいらしい そんなささやかな気遣いが嬉しくて頬が緩む
「いつだってかっこいい俺を見てて欲しいからな」
暗に疲れていないと返せば、ヨダが〝腹立つゥ!〟と言って笑う こんな穏やかな時間が流れていくことが、何よりも幸せだった
そして時は二年経ち、ビマはいま窮地に立たされていた
人として生きてきた弊害か、ビマはヨダに不埒な欲求
……
性欲を覚えるようになってしまったのだ
たとえばそのうつくしい横顔が綻んだ時、あるいは垂れた髪をそっと耳にかけた時、はたまた立ち位置の関係で上目遣いに見つめられた時。様々あるが、始めはうつくしいものを大事に抱えて愛でていたはずなのに、最近はそのうつくしいものを快楽で歪めたい欲求に駆られるようになってしまっていた
生殖器を備えない怪物のどこにそんな本能が眠っていたのかと驚くと同時に、ガワが人なだけで恐らく人体に有害な中身を、ヨダの玉体に触れさせようなぞ言語道断と叫ぶ自分がいる
抱きたい、でもこの中身に触れさせるわけにもいかない 本能と理性の板挟みに、ビマは一人悶々と頭と心を悩ませていた
そして遂に追い詰められたビマはある行動に出た 我ながら名案と目を輝かせたビマの手には、いわゆるアーティファクト的な何かが握られていた
時は少し遡り、美容院でカットとスパを楽しんだヨダは、あーだこーだ言いながらもビマへのお土産をたくさん買い込み、活気ある街道を歩いていた
最初にビマが近づいてきた時はいつ襲われるかと肝を冷やしていたが、その瞳に純粋な愛を湛えた姿に早々に毒気を抜かれ、気づけば懐に入れるまで気を許してしまっている
魔性はどちらだと嘯きつつ、街の行き止まりにある豪邸の前に立つ ここがヨダの、そしてビマの暮らす家だ いずれは外宇宙とやらに帰ってしまうのだろうが、それまではここが二人の愛の巣(笑)である
扉に近づけばピピッと音が鳴り、勝手に鍵が解錠される 荷物の多さに辟易としつつ、玄関扉を開けばそこは
――
「くぁwせdrftgyふじこlp;@:」
――
血の海であった!!
家を出る前は確かに美しい景観を保っていたはずの玄関が、廊下が、そしてその奥にあるリビングの方まで、一面真っ赤に染まっている あとついでに謎の塊があちこちにヘドロのようにこびり付いている あまりの光景に全身から力が抜けるが、何とか気力で持ち直す
「ビィィィィィ〜〜〜〜マァァァァァァァ!!!」
こんなことをするやつは一人
……
一人(?)しかいない
ずんずんと外履きのまま廊下を闊歩し、扉を蹴飛ばしてリビングに入る
「お、帰、り
…………
?」
ブリキの人形のような動きで、ソレがこちらを振り返る 人の皮はギリギリ被っていたが、穴という穴からどろどろと真っ赤な液体が零れ落ちており、人ならざる何かが中に詰まっているのがよく見える そのスプラッタな光景にげんなりと肩を落とし、ヨダは詰問するべく口を開いた
「ーーつまり、」
ビマのふんわり要領を得ない説明を要約すると、ヨダと身体を重ねたくなったから中身を人に寄せてみることにした、ということらしかった 手に持っていた小刀で自身の身体を解体し、毒素となりうる部分をひとつひとつ削ぎ落とし、純粋な肉となる部分だけを人の皮の中に詰め直していたという
「言いたいことは分かった。が、しかしだな
…
いくらなんでも思い切りが良すぎるだろう
……
」
自分で自分を解体するとはこれ如何に 人ならざるものは何でもありなのかと溜め息が漏れる
「
………
悪かった」
身体を縮こまらせたビマがしょぼんと呟く それなりに反省はしているらしい
「
……
そんなに抱きたかったのか?」
しょぼくれるビマを眺め、ふと気になったことを投げかける 恋人になってなお口付けすらしていないのに、身体を重ねたいとは中々に先走りすぎではないだろうか 人外の感性は分からんな、と思いつつ答えを待つ
「それは
………
当然だろ」
既に寸分違わず人の形になっていたビマが、かっかと頬を真っ赤に染めるものだから、ヨダも何となく据わりが悪くなる どうやら人外でも性欲には勝てないらしい
「むぅ
…
まあ、その、なんだ
…
」
「おう
……
」
「まずはこのスプラッタな部屋を片付けるように。
…
そうしたら、考えてやる
……
」
恋人との深い繋がりを求めていたのは、何もビマだけではない しかし自分の身を思えばこそ、おいそれと手を出せなかったのも事実だ ビマの言うように、害のない部分だけで形成されているのならば、ヨダも答えるのに吝かではない
言外の意味を正しく拾ったのか、ビマの顔がぱああっと明るくなる ついでにこれも片付けておけと土産も押し付け、身支度を整えるべく風呂場へ向かった
部屋をせっせと掃除するビマのテンションは最高潮に達していた あのヨダがその身体に触れることを許してくれたのだ こんなに嬉しいことはない 頑張って身体を解体して繋ぎ合わせた甲斐があった
それに今回は人の皮を上から被るのではなく、皮の中に文字通り自分の肉を詰めたので、正しくこのビマという人の形に身体が形成されている これでいつ何時もヨダの隣に立つに相応しい姿になれたと思う お陰で下半身についたもうひとつの脳も大変に元気になっている
「うっし!もう一息だぜ
…
!」
ハイテンションで動き回った結果、家の中はほとんど元の姿を取り戻しつつある ビマの手にかかればものの数分で片付く程度の汚れ感だ めくるめく幸せな夜を想像し、意気揚々と掃除に取り掛かった
そうして部屋をぴかぴかにし、ついでに風呂で自分もぴかぴかに洗い、貰った土産も丁重に仕舞い込んだビマは、うきうきとした心持ちで2階にある寝室へ向かう ビマと奥深くまで繋がった時、ヨダはいったいどんな表情をするのだろうか 快楽に喘ぐ姿がもくもくと浮かび上がり、顔が沸騰したように熱くなる 更に(推定)無害となったことで、キスなんかもできるのだと気づき、わー!と心の中で叫んでしまう 幸せがいっぱいすぎて溶けてしまいそうだ
ゴンゴンゴンとノックをし、寝室の扉を開く 室内に入れば、ベッドに腰かけていたヨダがこちらを振り返った
「随分と早かったな?」
短めのバスローブを着込み、むちむちと肉感のある太ももを惜しげもなく晒し、優雅に足を組んだヨダがくすくすと笑う
「いいだろ、別に
…
」
その艶やかな姿にくらくらとしながら、何とか悪態を吐く 気が早っていたのは事実だが、ヨダのことを何よりも愛しているのだから仕方ないだろうとも思う
「拗ねるな拗ねるな。ほれ、いい子には褒美をやらねばな
…
?」
わっはっはっと豪快に高笑いしたヨダが、途端に優しい顔をして両腕を広げる そのどこまでも深く広い懐に、じいんとしつつ転がり込む その勢いのまま二人してベッドに倒れ込み、揉みくちゃに抱き合った
「まるで子どもだな」
くふくふと声を漏らし、目を細めたヨダがビマの背中を撫でる その優しい手つきが、ほんのりと伝わる体温が、他ならぬビマを大切にしてくれているのだと語っている
「なあ、
……
キスして、いいか」
顔を上げ、きらきらと煌めく赤紫の瞳をじっと見つめる くるくると変わる感情によって、瑞々しい葡萄や新鮮なプラムの色を垣間見せる、いつだって見飽きない綺麗な瞳だ
どぎまぎしながらその心を伺っていると、気の強さを湛えた眼差しがふっと柔らかく溶ける
「お前の好きにせよ」
そのままゆるりと瞼が伏せられるものだから、これがキス待ち顔か?!と狼狽えてしまう ヨダとキスができる 妄想がいざ現実になってみれば身体は緊張でカッチコチになり、肉という肉が忙しなく脈を打ちつける ぐるぐると視界が回るような感覚を覚えながら、じりじりと距離を詰めていく
「
……………………
!」
端正でうつくしい顔の迫力に圧倒されながら、ええいままよと唇を重ねる そうしてふよ、と触れた唇は驚くほど柔らかかった その感触を確かめるように、もう一度唇を触れあわせる するとやはり、優しい弾力と仄かなあたたかさが返ってくるのに心がざわめいた
二度、三度と重ねる内に緊張はどこかへ飛んでいき、代わりに湧き起こった興奮が全身を震わせる これがキスの破壊力かと内心恐れ戦く 触れたところから、多幸感がじんわりと理性を侵食していくのがよくわかる
ーーけど、こいつは俺を受け入れてくれたんだよな
……
ヨダに習って閉じていた瞼を微かに開き、愛しい人をうっそりと見遣る ふさふさに生えた睫毛が細かな影を落とし、うつくしい顔をよりうつくしく引き立てている
枷がなければ、理性が吹っ飛ぶのはあっという間だった 本能のままに深く口付け、閉じた唇を舌先でノックする すると薄く唇が開かれ、ヨダの舌がちろちろとビマのそれをつつく かっと昇る熱に浮かされるまま、ヨダの舌を絡め取って深く口付ける
そのまま流れであちらこちらを舐め回せば、ヨダが軽く脛を蹴った これは〝止めろ〟と〝手本を見せてやる〟の合図だ
「んく、」
しょぼしょぼと動きを止めると、背に回された腕に優しく引き寄せられ、ヨダの肉厚な舌でぬるぬると舌同士を擦り合わされる 的確にビマの気持ちいいところを攻められ、丁寧に刺激されて気づく ビマのキスは触れたい、知りたいが先行していて、気持ちよくなかったのだと
「んぅ、ん、ん、
…
」
素直にヨダの動きを真似、もう一度舌を絡める ビマが気持ちよかったのと同じ場所を擽れば、ヨダが微かにくぐもった甘い声をこぼした その蠱惑的な音に
とりあえずここまで
…
こちらも後日小説になります!
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