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幸希(ユキ)
2025-12-27 11:17:10
1882文字
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掌中の珠
むっちゃん視点。心の声ばっかり。
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(年末じゃなぁ。)
暦を見て、月日の流れの早さを嫌でも感じる。
(わし本体を見たのが昨日のような気もするに。)
「むっちゃん見れるの!?マジで!?」と大騒ぎしていた主を今でもありありと思い出せる。本人の言葉を借りるなら、あの時は文字通り発狂していた。ほんに狂っちょった。
(
…
2年か。あの人がわしの恋仲になってから。)
そう思うと芋づる式に記憶が浮かんでくる。甘える事に慣れてべったりな主。それより前の、まだ慣れてなくて、それでも甘えたくてツンケンする事が多かった頃。こちらの真意を伺って1歩引いていた時。想いが返ってくると思っちょらんくて逃げ惑っていた2年前。
(返ってこんと分かっていて、心を差し出し続けるっちゅうのは、どがな気分なんじゃろう。)
想いを先に与えられちょったわしからすれば、返ってこんのはしょう辛いっちゅう事しか分からん。それでも、主はわしに「好き」と言い続けていた。
(まぁ、そういう愛し方をしてきて、主の感覚が半分くらい麻痺しちょったからじゃったんじゃが。
……
けんど、『どうせ愛されない』と信じ込んじょったのは、今でも寂しいと思うのう。)
この1年で、ようやく愛される事に慣れてくれた。甘える事に躊躇いがなくなった。「むっちゃん」と甘えた声を出すようになった。愛され方を覚えた。
(長かったにゃあ。)
ふと主に目をやる。やり終えられなかったと言っていた書類を片付ける姿を見てふと昔が去来した。
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