ortensia
2025-12-27 00:08:54
2331文字
Public カトマク
 

カトマク(?)ふんわり読んでくださいよろしくお願いします。

※カートさんがマックスさん以外に刺々しいです。(物理も言葉にも反応速度が高いカートさんと、あんまり深く考えずその時の反射で対応してるマックスさん。)

 ネオ町田警察署で更生プログラムを行うか、あるいはその前に弁護士に出して貰う筈だった俺とマックスは、奉仕活動の現場であるミルキーサブウェイを清掃するどころか、列車は先頭車両を除いて銀河の塵になった。先頭車両は、なんか、お嬢様になった。
「アキ、じゃないんだっけ?えっと、他のパーツはまだ使えるみたいだけど、故障したパーツと繋いどくと連動して消耗しそうだけど外しとかなくて良いの?」
「マキナですけど。……処分する機体のこととか考えてないわ。え、何中古で売ろうとかそういう話?」
 マックスは別に悪どいこと考えてるわけじゃなくて見たままに気になったことを言ってるだけだ。そのせいで勝手にダルい解釈をされるのもしょっちゅう。だからつい口が出る。
「お前お嬢様だからって考えてないってな。」
「まあまあ。えーとマキナちゃん、そりゃ俺はマキナちゃんからしたらゴミ野郎だけど、別にお下がり欲しいとかじゃないから、単に良いのかなって思っただけだから。良いなら良いんだよ。」
 マックスが自分をゴミとか言うハメになったじゃねえか。
 けど止められた以上はもう言わない。敵対したいわけでもない。意識的に目を逸らして一緒に意識も散らす努力をする。
「あー、心配してくれてありがとうだけど、ほんと放っといて、大丈夫。」
「そっか。分かった。」
 相手は少し気不味くなったようだが、マックスは気にしない。俺はそれ以上自分が関与しないように顔ごと他所を向く。
 そこへ、聞き取りに使われていた部屋の扉が開く気配がするので目を向ける。
「はーい。えー、じゃあカートくんとマックスくんは、弁護士のかたがお迎えに来たので、こっちに来てくださーい。」
 席を外していた女警官が戻って来た。
「いや保護者じゃないんだけど。」
 マックスが笑いながら扉に向かうのでそれに続く。
 そこでマックスが部屋を振り返った。
「じゃあねみんな、お先にー。」
 狡い狡いと返事が来るが、それにも笑い返してマックスは、一度部屋の中を見回すように眺めた後、警官に続いて部屋を出た。マックスがそうするから、自分も部屋を振り返る気になった。そこには人当たり良く見送る空気があった。
 二人で部屋を出て女警官の後に続くが、書いて欲しい書類があるとかで、まだ直ぐに出られるわけではないらしくふつーにダルい。
「あそーだ。書きながら食べる?」
 女警官が二つの吸引式キャラメルを取り出した。
「またセコいことするつもりかよ。」
「え?いやもうあの手は通用しないって分かりきってるのに出すわけないでしょ。これは大丈夫だって。ま、要らないなら良いけど。」
 キャラメルのパッケージを通り越して女を睨み付けていると、横から二つのパッケージが掻っ攫われる。マックスだ。
「おい!」
「だいじょーぶ。このガジェット、パッケージあってもスキャン出来るようになってるから。」
 マックスがガジェットを取り出してキャラメルを調べた。
「うんうん、確かに今度のは大丈夫だねー。どっちの味が良い?」
……イチゴ味。」
 女警官は黙って遣り取りを見て、なんか溜め息ついてた。なら見んな。
「やっぱきちんと更生プログラムの社会奉仕をしたご褒美が欲しいよねー。」
「いや貴方たちは現場を木っ端微塵にしたんだけどね?」
「壊したのは俺でもマックスでもねえだろ。」
「まあまあ。てか、やらなきゃこっちがやられてたんだから、正当防衛でしょ。それに、俺らの会社じゃこう言うのも清掃活動に分類されるんだよね。お姉さんも気に入らない店とかあったら依頼料弾んでくれれば俺らが。」
「だーから。貴方たちに依頼する予定はないから。」
 書いたならさっさと行きなと言われ、書かせてたのはそっちのくせにと思う。弁護士はまだ手続きがあるとかで、俺らは先に警察署を出た。だがここから会社に行ってドヤされなければならない。
 一先ず息をつく。しかしマックスが何か沈んだ様子を見せている。更生プログラムを一緒になった連中といた時はまだ機嫌良くしてたのに。あの女警官が気に入らんかったんか。
「カートごめんね。」
 声を掛けようとしてその前に伸ばしていた手を止める。謝られた。なんで。
「最初の取り調べの時の自白キャラメル、俺が受け取って渡しちゃったもんね。」
「けどそれを受け取ったのは俺。」
「そうだけどカート、俺が渡さなきゃ受け取らなかったじゃん。だからごめん。」
「謝罪とか要らねーよ。俺別にお前に餌付けされてるわけじゃねんだわ。」
 くそ。やっぱキャラメルのせいか沈んでんの。けどここで謝罪断固拒否の姿勢を見せる。お前からキャラメルは受け取っても謝罪はぜってえ受け取らねえ。マジなんでも受け取るわけじゃねえからな。
「そっか。」
 こっちが引かない姿勢だから、マックスはそう言って自分の主張を終えた。けどそれだけじゃ駄目だ。沈んだまんま終わるなよ。
「さっきはちゃんとガジェット使ったじゃん。そうやって次のこと考えときゃ良いよ。次の俺にもそうやって応えてくれれば。」
……うん。次、ね。うん、うん。」
 よし。本人無意識だろう俯いてた顔が上がった。
「さっさと会社に怒られてそれから帰ったら自白ごっこすんべ。解析出来たんだろ?」
「そりゃ自分が引っ掛かったヤツは把握したけど……何それ面白そう。」
 マックスが笑ってる。
「俺らって互いに嘘言うことってあんの?」
「それを試すゲームだろ。」
 だったらさっさと行こう、機嫌良く言うマックスに安堵を覚える。
 ギャラクシー社会不適合者の集まりの更生プログラムは楽しかったかよ。でも、ゲームは二人でだって出来るだろ。


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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。