三毛田
2025-12-26 23:29:02
1091文字
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18 つ. つま先立ちして

18日目
君に顔を近づける

……
「穹?」
「なんか、悔しい」
「そうか」
 踵を地面に下ろし、呟いてから前よりも豊満になった丹恒の胸に顔を埋める。
 彼は一言優しい声で答え、頭を撫でてくれて。
 本当そういうところ! 好き! 大好き!!
 ぐりぐりと顔を左右に動かしても、文句ひとつ言わず。それどころか、抱きしめてくれた。
 丹恒お前さあ!! 俺に甘すぎるだろ!!
「んー」
 やっぱちょっと悔しくて、また背伸びをして自分からキスをしていく。
「可愛いな、お前は」
 そんな呟きが耳に届いて、一度瞑った目を開ける。
 とろんと蕩けた灰緑の瞳が、俺を見つめていて。
 うわ、えっろ。
 という言葉は、口から零れ落ちるより先に唇の奥に消えた。
「うう……背伸びしないとキスがしにくい」
 そう。
 騰荒の姿になった丹恒は、今までと違って俺よりも背が高い。
 だから、背伸びしないと唇までの距離が遠くなってしまった。
「だが、寝転がってしまえば変わらないだろう?」
 言葉とともに、厭らしい手つきで俺の頬を撫でる。
 尻尾もブンブン振られているし、時折太腿をこすり合わせているので、キスより先を期待しているのだろう。
「手加減しなくていいよな」
「ああ。お前の好きにしていい」
 首元に顔を埋めながら、尻を揉む。
 と、ぎゅっと抱きしめられて。ちょっと力が強いので、危うく窒息するかと思った。
 抱擁から解放され、もう一度キスをしたら合図。
 騎乗位や対面座位だと前よりも重くなったからか、奥深くまで入り込んでいく。
「やばかった……
 搾り取られて、精根尽き果てるのは前々からだったけど、今の方がすごい。
「丹恒。物欲しそうにしても駄目だからな」
 俺がそう言えば、耳も尻尾もへにょんと垂れて。
 いやいや。何でそんなに元気なんだよ!?
「明日以降な」
「わかった」
 俺の言葉に、途端に元気になる。
「丹恒」
「どうした? 甘えたいなら、好きなだけ甘えていいぞ。穹」
 優しく、甘さを乗せた声。
 いや、本当さぁ。
 出会ったばかりの頃の、つっけんどんというか、塩対応の丹恒が恋しくなるくらいデレデレで甘々だ。
……寂しかった」
 俺をそっと抱きしめながら、かろうじて聞き取れる声。
 背中に腕を回し、ぎゅっと抱きしめて。胸に顔を埋め。
「一人して、ごめんな」
「仕方ない。それはわかっているんだ」
 でも、心がまだ追いつかない。
 という言葉も。ポロッとこぼれてしまった様子。
 こうして弱音を吐く丹恒。俺に心を許してくれたというのが、わかる。
 それがとても嬉しい。
「好きだ、穹」
「俺も」