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傘道
2025-12-27 00:00:00
1431文字
Public
ビリイト
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誕生日が記念日に
#billighter1w
【お題投稿〈5回目〉】
お題①: 『赤』を纏う
お題②: 誕生日おめでとう(🔦編)
から書きました。
誕生日は高望みしない。
パイセンが欲しい。
少しの時間だけでいい。
俺だけを見てほしい。
『プレゼントは何がいい?』
そのトーク画面を見つめてどれだけ経っただろう?
ライダースーツ?
バイクの部品?
カボチャ味のパイ?
決闘?
「パイセンがいいなぁ
…
」
思わず口に出てしまった。
本人が目の前にいなくてよかった。
いや、自分しか居ない寝室で呟いて本当によかった。
高望みはしない。
『パイセンが欲しい』
ライトはノックノックにメッセージを送る。
そして言葉足らずでいた事を送信後に気づいた。
違う、ちょっとの時間だけ!
俺なんかに時間を割かなくていい。
1分だけでもいいから俺だけのパイセンで居て欲しい。
そう願った自分をライトは恨んだ。
『わかった』
その一言で翡翠色の瞳が大きく見開く。
何が『わかった』なのか?
それを知るのはしばらく先だった。
もうすぐ日付が変わる。
0時になる。
誕生日を迎える。
誕生日を迎えたら、おめでとうとみんな言ってくれるだろうか?
頭に浮かんだカリュドーンの子のメンバーやパエトーンは言ってくれるだろう。
俺は祝われる資格なんてないのに。
そう自虐していると時計の短い針と長い針が12を指す。
お誕生日だ。
昔傭兵団でお祝いされたケーキや飾りつけを思い出す。
本当に俺は生きていていいのか?
本当に誕生日を迎えていいのか?
思考がぐるぐる回っていると玄関のチャイムが鳴った。
「ん?誰だ?」
ライトは警戒しつつ玄関の扉を開けた。
夜空の下で赤いマフラーがなびいている。
身につけているのは赤いジャケットを着た機械人だ。
先代のチャンピオンが立っていた。
「な
…
!」
パイセンなんて気楽に呼べなかった。
強くて、冷酷な華麗に闘う機械人のチャンピオン。
赤いマフラーだけで今までの決闘を鮮明に思い出すほど威圧感があった。
「昔の俺だ。これをやる。」
昔のビリー・キッド。
郊外に居た頃の自分じゃ歯が立たないほど強い存在。
その人が自分をやると言った。
「今の俺。」
ビリーは赤いマフラーを外した。
「これもプレゼントだ。そして
…
」
再び視界が赤で支配される。
目の前には赤いバラのブーケだった。
「未来の俺もライトにあげるぜ!」
過去も現在も未来も。
全てライトにあげると目の前に居る人物は言っていた。
それはまるで
…
「プロポーズ
…
みたいじゃないっすか
…
」
「プロポーズだぜ!パイセンことビリー・キッドはライトを一生幸せにする。もう俺だけの命じゃねぇ、ライトのものでもあるんだ。」
アイライトに冗談の色は見えない。
本気の表情だった。
「俺なんかが
…
」
「俺なんかって言うんじゃねーよ。俺はライトが好きだ、結婚して一生添い遂げたいくらい愛してる。」
ビリーはブーケを持っていない手でライトの手を握った。
「愛してる!俺を全部あげるから結婚してくれ!」
翡翠色の瞳から涙が溢れた。
そしてブーケを受け取り、泣きながらチャンピオンは微笑む。
「俺もパイセンに全部あげます
…
だからパイセンの全部ください
…
!」
プロポーズの回答だった。
肯定の返事だ。
つまりプロポーズは成立した。
ビリーはブーケごとライトを抱きしめる。
赤い花びらが衝撃で夜空を舞った。
チャンピオンは赤色の恋人から赤色のプロポーズを貰い、一生大事にするのであった。
そして一生恋人に大事にされるのである。
誕生日がプロポーズ記念日になった。
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