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浮き流し
2025-12-26 18:20:29
3165文字
Public
沢松
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アドベントカレンダー(沢松)
アドベントカレンダーを自作する沢とイチャイチャの話
!序盤 初日のキスまでです
・寮1人部屋設定
・松本優位
ある待ち望んだイベントまで毎日一つずつ開けていく、お楽しみカレンダーがあるらしい。
食堂のテレビではまだ12月にもなっていないのにクリスマスの特集をやっている。番組では彼女に贈るのは〜、家族に感謝を伝えるために〜などとさまざまなジャンルの商品を紹介する。
参考になればいいなと思いながら見ていたものの、松本さんにあげたところで絶対使わないよなだとか、これ着てるのは見たいけど勝手に着ていった深津さんが返してくれない気がするとかが浮かんで消える。
ただ、その次に紹介された「百均で作れる!アドベントカレンダー!」という特集には興味が湧く。簡単だという作り方を見ていくと、基本的に袋状のものの中にお菓子を入れて数字を書いて並べるだけらしい。
応用のお洒落や凝ったものは分からないが、封筒を半分に切って貼るぐらいはできそうだ。
松本さんを部屋に呼び戻し、さっきまでなんの装飾もなかった壁を示す。
「ジャーン!見てください!」
「ちょっと外出ててください!」と部屋の主を追い出している間、オレは24枚の封筒を壁に貼り付けておいた。封筒は三つ折りサイズの封筒を半分に切ったもので、その上に貼った色紙の1から24の順に並べたのだ。
「なんだこれ。どうしだんだ?」
自分の部屋に突然現れた飾りを見て困惑する松本さんに、オレは自信満々に答える。
「アドベンチャーカレンダーです!」
大きいショッピングモールで見た引き出し付きのものは、魅力的ではあったが高くて手が出せなかった。代わりに、テレビで見た自分で作るアドベンチャーカレンダー特集を真似て作ったのだ。
「アド
…
?なんでオレの部屋に」
「なんか、クリスマスまで毎日わくわくしながら開けてくカレンダーです。松本さんとこ
…
、恋人として会えるのは松本さんの部屋の方なんで、ここに設置しちゃいました!」
"恋人"という慣れない単語をドキドキしながら言ったというのに、松本さんは壁に貼った封筒を掴んで「ちゃんと剥がせるな」と呟きながら取ってしまう。
慌てたオレは他の封筒も取られないように松本さんの腕を抑える。
「ねえちょっとぉ!せっかく作ったのに
…
!」
「人の部屋に設置するからだ。第一人に見られたらなんて説明するんだ」
確かにそれもそうだ。今までなかったものが人の部屋に現れれば、気になった人間に中身を見られてしまう。
「そうですけど
…
!せめてなに入ってるか聞いてください」
オレがお願いすると松本さんは面倒くさそうな顔をしながらも質問してくれる。
「なにが入ってるんだ?」
「指令です」
「指令?」
松本さんは怪訝な顔をする。
よく紹介されるアドバンスカレンダーは食べ物が入ったものだ。オレも最初はお菓子を入れようと思ってはいたものの、種類を用意できなかったこととすぐに食べてしまったことから予定が変更となった。
とはいえ、開けた以降の展開を期待しているため、松本さんに少しでも興味を持ってもらえるよう意図を伝える。
「ただの指令じゃなくて、松本さんとしたいイチャイチャを書いたお題みたいなもんです。クリスマスって恋人の日って言うじゃないですか、だからオレたちも毎日イチャイチャしたいなって」
オレの説明を聞いているのかいないのか、松本さんはさっき取った封筒を裏返して中の紙を取り出し、書かれていた文字を読み上げる
「"キス"」
ちょうど1番取りやすい位置にあったのが1。つまり、今日の日付だ。
「今日の指令なんで、いっぱいチューしたいです!」
松本さんは呆れたようにため息を吐く。しかし次の瞬間ぐいっとオレの顎を引いて流れるように口付ける。
「え」
オレが驚いている間に松本さんは離れてしまった。だけど、松本さんの顔はほんのり赤い。
「これで満足か?」
「反則
…
」
「は?」
オレの好きな人がこんなかっこいいなんて聞いてない。いや、松本さんはいつもかっこいいけど、さっきのは特にかっこよかった。ドキドキ高鳴る衝動のまま松本さんに抱きつく。
「全然足りないです
…
!手ぇ繋ぎながらとかぎゅ〜ってしながらとか、もっといっぱいチューしたいです!」
口をチューする形に窄めると、真っ直ぐ松本さんに顔を近づけていく。
松本さんはわずかに身じろぎするけどオレに逃すつもりはない
(あ。松本さんの目の中にオレがいる)
と一瞬だけ思うもののすぐに視界が肌の色で埋まる。ほんのり湿ってひんやりした、柔らかい唇が触れる。
松本さんの唇は今度はすぐには離れないため、むにむにと口で感触を味わう。
オレがしたいと言ったのに合わせ、松本さんもたくさんキスに応えてくれる。やりかたなんて分からないから、唇ではむはむしてみたりぺろぺろ舐めたりかぶりついたりしてみる。
だけど舌を絡めてからは松本さんの方が上手のようで、息が続かないしゾクゾクするしでいっぱいいっぱいになってしまう。
オレは松本さんにも気持ちよくなってもらいたくて気持ちいいと思った動きを真似てみる。すると松本さんからはフフッと笑ったような吐息が漏れるけれど、時々ビクッと体が跳ねるのを感じる。
オレの行為で松本さんが興奮してくれる。それがとてつもなくうれしい。
今までで一番長くたくさんのキスをしているのに、どれだけ求めても満足しない。そのことに驚くが息はもう限界だ。酸欠で苦しいのに、離れたくない。惜しく思いながら唇を離すとぷはっとプールから上がったような音が鳴る。
唇は離したのに繋がったままの唾液がキラキラと松本さんまでの橋を作る。
オレは肩で息をしているというのに、松本さんの息は荒いものの結構余裕そうだ。それどころか真っ赤な舌で赤く艶めいた唇を舐めてみせる。
思わずごくりと喉を鳴らす。
おそらくヒリヒリする唇を潤おそうとしただけの何気ない動作だ。だけど目が離せない。むしろ、その口でオレのを舐めてもらいたいと思うぐらい、
(えっちだ
…
)
松本さんは話そうとして掠れた声を咳払いで元に戻す。その顔はもうオレのわがままに振り回されているときの、ちょっと困ったような顔だ。
「他の日のは、ゴムでも入ってるのか?」
そんないつもの顔で衝撃的な単語を言われる。
「あんまりにもがっつくからな」と続けられるが思春期の、未だ松本さんのえろさに当てられた頭にはそれどころではない。
「えっちなこと言わないで!」
ゴムを使う行為なんてまだしてはいけないとは思っているものの、オレだって健全な男子高校生だ。妄想の中で何度松本さんを抱いたか分からない。
オレの気も知らないくせに、松本さんは笑い混じりで当たり前のように誘ってくる。
「なんだ。したくねぇのか?」
しかし、よく見るといつもの頼りになる先輩の顔の奥に欲がちらついて見える気がする。
そこでオレはここぞとばかりに希望を伝える。
「し
…
したい!です!」
すると松本さんは同じ3年生の前でするのとはまた違った、にんまりとした笑みを浮かべる。
(あ。今絶対必死で可愛いと思われてる)
必死さが強く出すぎてしまった。
ぐしゃぐしゃとオレの頭をかき回す松本さんにはもうさっきのえっちな雰囲気はない。
「おまえ
…
本当に可愛いなあ!」
「ううっ
…
」
うれしいけどくやしい。松本さんの中では年下の彼氏じゃなくいつもの可愛い後輩になってしまった。これはこのまま解散のパターンだと予想ができてしまう。
オレのかっこいいところを見せてやるのは明日にするんだ、となんとか気持ちを切り替える。
オレがショックを受けたところで、就寝時間には自分の部屋へ戻るのが付き合う上でのルールだ。それならせめて、残りの時間を堪能しよう。
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